Hori Hisao

堀 久男 教授

所属
理学部
理学科(化学コース)
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専門分野

環境化学、環境負荷物質の分解・無害化及び再資源化

キーワード

Profile

出身地/東京
家族構成/妻と子
趣味/茶道、寺巡り
子供の頃の夢/農学関係の研究者
尊敬する人/勝海舟、二宮尊徳
愛読書/『嘆異抄』、『臨済録』
休日の過ごし方/ゴールデンハムスターと遊んでいます。以前はウサギとか鶏とか、いろいろ飼っていました。あとはお寺巡りとか
好きな食べ物/和菓子
好きな国/ドイツ。留学していたから

社会人になって必要な知識は専門分野に限りません。「広く浅く」学ぶことも、ときには大切です。

これからは生み出すだけでなく、その後の処理も重要

私は2010年3月まで茨城県つくば市にある独立行政法人産業技術総合研究所で環境有害物質の分解・無害化技術の研究をしていました。主に研究していたのは、産業界、さらには私たちの生活にとって必要不可欠な一方で、環境に放出された場合に悪い影響が懸念される、有機フッ素化合物で、今でも主要な研究テーマとして取り組んでいます。
炭素とフッ素から成る有機フッ素化合物は非常に安定性が高く、自然環境のなかでは簡単には分解されません。中には生体蓄積性が高く、生体に取り込まれると放出されにくいものもあります。基幹産業の工場等で使用されているこういう物質が環境へ放出される前に、無害なものに分解しようというのが研究目標のひとつ。もうひとつの目標は再資源化です。有機フッ素化合物の原料は蛍石という鉱物なのですが、産出国が限定されていて、最近では手に入りにくくなっています。そのため一度使った有機フッ素化合物を分解して再資源化するための新しい化学反応システムを開発しています。無害化と資源の循環利用。その両方を目指しているわけです。
これまで新しい物質や製品を生み出す開発の現場では当たり前ですが性能重視で、環境に出た場合の影響までは必ずしも目が向けられていませんでしたが、欧州を中心に化学物質の規制が厳しくなりつつある現在ではそこまで考える必要があり、その対策技術に注目が集まっているのです。
私が担当している大学院生を対象とした授業「環境化学特論」では、こうした経験をもとに、環境中の有害物質の分析方法や分解・浄化方法の基礎を、最先端の技術も交えて講義しています。

誰もやっていないことにチャレンジした方が、成果は出る

実は10年ほど前、私が有機フッ素化合物の分解の研究を始めたころは、周囲からは評判が悪かったんです。安定な有機フッ素化合物が、そんなに簡単に壊れるわけがないと。けれど2007年には「化学・バイオつくば賞」を受賞できるほど研究成果はあがりました。
新しい研究を始めるとき、皆が「これはやるべきだ」ということは、たいてい誰かが手を付けているものです。そうなったら研究は永遠に後追いで、大きな成果は出せない。それだったら誰もやってないことにチャレンジした方がいいと私は思います。最近は、よそでうまくいってるみたいだから自分もやろうと考える研究者も多いんですが、そういう発想はよくないと思うんですよ。この、最初からうまくいきそうなものに手を出そうとする姿勢は、短期間で成果が求められる日本の評価システムのせいかもしれませんが。でも、安全な道ばかりを選んでいたら、独創的なことはしにくくなると思いますね。やっぱり、2番目じゃダメなんですよ。
大勢がやっていることは競争が激しいから、自分自身が成果を出したいと思ったら、他の誰もがまだ目を付けていない、そして将来、世の中のニーズが出てきそうなところを探すのが一番。これは化学の研究に限ったことではないと思います。

社会へ出ると、どんな知識が必要になるかはわからない

もうひとつの担当講義「基礎無機・分析化学」は、化学科以外の学科も含めた理学部1年生が履修しています。理学部の学生が社会に出て恥をかかないための化学の基礎知識の講義です。
社会に出るとどういう専門知識が必要になるかわかりません。化学科を出たからといって、化学の部署に配属されるとは限りませんからね。私はつくばの研究所に入る前、東芝に勤めて半導体の研究をしていたのですが、そこでは大学で学んだ専門知識以外の幅広い分野のさまざまな知識が必要でした。そのときに、これまで見たことも聞いたこともないことを一から勉強するのは本当に大変なのですが、授業などでちょっとでも習っていたことだと、とっつきやすくて割とスムーズに理解できたものでした。
ですから大学では専門分野はもちろん、もっと広くいろいろなことを学んでほしいと思います。授業はあくまでも自分で学ぶためのきっかけを作る時間です。語弊はあるかもしれませんが「広く浅く」学ぶのも、ときには大切なことなのです。

環境化学(環境負荷低減、資源循環、グリーンプロダクション)研究室

環境に有害な物質を分解して再び資源として活用

耐熱性や耐薬品性など優れた性能をもつ機能性材料は、私たちの社会を便利で快適なものにしてくれます。その一方で、これらの物質は自然には分解しにくく、廃棄物の処理が問題になっています。当研究室では、広く利用されている有機フッ素化合物の分解・無害化の研究に取り組んでいます。従来の処理方法では分解の難しい有機フッ素化合物を、水や鉄などのどこにでもあるものを利用して効果的に分解する方法を開発しています。 また、有害物質の分解・無害化に加えて、それらを再び資源として活用する技術の開発も行っています。廃棄物から有用なレアメタルなどを回収することで、環境負荷の低減だけでなく、資源問題の解決にも役立ち、資源循環型社会の実現に貢献します。

Photos

  • 茨城県にあるお寺の御住職に勧められてはじめた茶道。月に一度しか通えないので、なかなか上達はしないものの、掛け軸をみたり、器をみたり、そういうことも楽しみのひとつ。ちなみに和菓子好きは茶道とは関係なく、昔から

  • つくば地区にある研究所や大学のなかで、化学・バイオ関連の業績をあげた人に授与される「化学・バイオつくば賞」の賞状とメダル。2007年に“有機フッ素化合物の分解の研究”に対してもらったもの

  • 環境有害物質を分解する光反応装置

SDGsの取組み

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