Shoji Tatsuya

東海林 竜也 准教授

所属
理学部
理学科
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専門分野

ナノ構造化学、分析化学、基礎物理化学

キーワード

Profile

出身地/群馬県みなかみ町
家族構成/妻と子
尊敬する人/家族・恩師
愛読書/歴史・科学史・人類進化学関連の書物
休日の過ごし方/子供と遊ぶ
好きな音楽/サカナクション、ビートルズ
好きなTV番組/ゆるい番組、散策番組、旅番組
好きな国/日本

「ゼロ」を「イチ」にするのが研究者の夢。誰も成し得なかったことをこの手で実現したい。

「光」を使って分子を動かす

10代の頃から「光」と「分子」に興味があり、ずっとそのふたつに関わる研究に携わっています。現在のテーマの「光ピンセット」は、光を使って分子を動かそうというものです。光は「光圧」と呼ばれる物を動かす力を持っており、私たちの体は、光に照らされているだけではなく、実は光によって押されているのです(微弱な力のため実感できないですが)。この光圧を使って、細胞や赤血球などを動かせるようになったのですが、それよりも小さな分子をコントロールすることがとても難しいのです。
最近の研究により分子を見ることはできるようになりましたが、現時点では分子を捕まえたり、動かしたりすることはできません。今までできなかったこと――「ゼロ」だったものを「イチ」にするのは、本当に難しいことです。ですが、だからこそ挑戦したい。誰も成し得なかったことを成功させるのは、研究者の夢です。分子を動かせるようになれば、どんなことが可能となるのか、世界はどんなふうに変わるのか……。考えるだけでワクワクします。新しい化学分野を築くことが私の目標です。

抽象的に見える数式が、現実の化学現象を表している

授業では物理化学を担当します。数式がたくさん登場し、抽象的な内容が多いため、苦手意識を持つ方が多いかもしれません(私自身も学生の頃はそうでした)。ですが、そこをぐっとこらえると急に面白くなってくるので、ぜひ最初はがんばってほしいです。物理化学という学問は、数学や物理という表現を通じて、化学現象を知ることを目指しています。表面的な数式に惑わされず、「この数式はどんな現象を示しているのか」と意識してみてください。意味が分かってくると、「こんなふうに表現できるのか」と数式がとても美しく感じるようになるはずです。
私の研究テーマ「光ピンセット」は、応用物理学、レーザー光学、生命科学など、さまざまな分野の研究者が関わっています。これまでにまったくなじみのなかった分野もあります。理解するのに苦労することもありますが、未知の分野は刺激を与えてくれますし、人は何歳になっても学べるものだと実感しています。興味を惹かれることがあれば、ぜひ新しいことにも目を向けてください。学生時代から視野を広げることを意識しておくと、常に新しい発見があり、やがては自分が生き生きと活躍できるフィールドが見つかるでしょう。

何歳になっても、読書は学びの宝庫

よく言われることだと思いますが、学生のうちに読書の習慣を身に付けておきましょう。私も学生の頃に言われたことです。はじめは、小説でもエッセイでも、興味のあるものを読めばいいのです。読書に慣れてくれば、少し難解なものにも手を出せるようになります。年齢や時期によって、手に取る本は変わってきます。その時の自分が興味をおぼえた本を素直に手に取ればいいと思います。
物理学者の伝記を読むことがあります。アインシュタインやシュレーディンガーなど、先人の苦悩を知ると、「天才と呼ばれる彼らも、一つの発見をするまでにこれほど悩んだのだな……」と感慨深いものがあります。彼らのストーリーを知ると、「苦労の末の発見を、たった一度の授業で理解できるなどとても無理な話だ」と授業のあり方を考えるようになりました。歳を重ねても、いつも本は何かしらの発見を与えてくれます。ぜひ読書からたくさんのものを受け取ってください。

物理化学(ナノ構造化学、顕微分光化学、光圧化学)研究室

光の「ちから」で化学を切り拓く

我々の日常生活は光にあふれています。その多くは、モノを「見る」ために光が使われていますが、光にはモノを「動かす」力も備え持っています。この力を「光圧(ひかりあつ)」と呼びますが、日常生活では感知できないほどとても小さな力です。この小さな力を巧みに利用し、細胞や赤血球、乳酸菌などを自在に操る光ピンセット技術があります。それでは、それよりも小さなナノメートルレベルのタンパク質や分子を光圧で捕まえられるでしょうか?私たちは、この「問い」に対し、独自に開発した光ピンセットを開発し、捕まる現象を光の「見る」力を使い明らかにしています。ナノレベルの粒子を自在に操るこれまでにない技術を創り、化学の新たな分野創成を目指し研究しています。

Photos

  • 『光と分子<上・下巻>』(長倉三郎/岩波書店)。1979年と1980年に出版された名著です。絶版になっていたため、大学院時代に古書店を必死で回って手に入れました。光化学の基礎から丁寧に書かれていて、今でもときどき読み返すことがあります。常に手元に置いておきたい一冊です

  • 妻と福島県へ出かけて、大内宿で絵付け体験をしたときに制作した赤べこです。絵付けを終えて、お腹に日付と地名も書こうと思ったのですが、なぜか長野県の「奈良井宿」と書いてしまいました……。消すこともできずにそのまま持ち帰り、今でもたまに妻にネタにされています

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