Abe Yoshihiro
阿部 吉弘 教授
Profile
生年/1955年
血液型/A型
出身地/群馬県前橋市
家族構成/妻と娘に犬がそれぞれ一人(匹)ずつ
趣味/散歩、読書、音楽
子供の頃の夢/秘境を探検すること
尊敬する人/ピカソ他多数
愛読書/繰り返して読んだことのあるのは『カラマーゾフの兄弟』『死せる魂』『西遊記』『三国志』
休日の過ごし方/仕事をしているか、ぼーっとしている
好きな映画/「美女と野獣」他多数
好きな音楽/ピアノ曲、1970年頃のロック、童謡
好きな食べ物/卵焼き、ちらし寿司、コロッケ、煮魚、とんかつ
数学は、縁の下の力持ちとして、私たちの身のまわりのあちらこちらで活躍しています。
世界的に有名な企業でも数学は重用されています
数学は、一般の人たちの暮らしにはあまり関係ないように思われがちですが、たとえば皆さんが毎日使っている携帯電話が混線しないのは、幾何学をベースに考えられた仕組みによるものだったり、音楽をデジタル変換してCDにすることにも、病院のMRIで体の中を調べることにも、数学的な要素が大いに関係しています。また、自動車メーカーのダイムラーや製薬会社のバイエルンそのほか、世界的に有名な企業では、製品の設計や最適化、または経営戦略的な面でも数学の知識を持つ人材を必要としていますし、航空会社や鉄道会社などでは、フライトやダイヤを組む作業にも数学が活かされています。このように、現代社会で数学は、縁の下の力持ちとしてあちらこちらで活躍しているのです。
数学教室の主な担当講義「微分積分学Ⅰ」「微分積分学Ⅲ」は1、2年生対象。微分積分の習得は、特に機械工学や電気工学など技術系に進む人たちには絶対不可欠です。専門を学ぶための基礎がしっかりしていなければ、先に進んだときに苦労することになるので、高校数学の復習的なことも含めて講義し、演習を重ねています。
“数学少年のアイドル”に憧れて数学者に
中学1年生のときに教育実習に来た先生が、雑談の中で「整数より無理数のほうが無限にある」といった話をしてくれたのですが、これは私の研究分野である「無限集合論」の話で、今思えば、その話に興味を持ったことが、数学を好きになった最初のきっかけだったように思います。高校時代には、フランスのガロアやノルウエーのアーベルなど“数学少年のアイドル”と言われた昔の数学者の本を読んでいました。2人とも劇的な人生を送り、若くして死んでしまったのですが、後世の数学者に大きな影響を与える偉大な仕事をした人たちです。彼らに憧れて勉強し、テストの点数は取れましたが、やはりそういった天才たちに比べると、自分には数学的センスがないことにも気づかされました(笑)。それでもやはり、数学が好きでしたね。
その後、東京大学理学部に進み、2年生の後期から数学科に分かれ、主にガロアの仕事を源流とする「群論」に取り組みましたが、どの分野の勉強も、とても難しく苦労しました。卒業後は筑波大学の大学院に進み「無限集合論」の研究を始めましたが、大学院時代に結婚して娘が生まれたので、卒業後は交渉のあった教授が紹介してくれた福島高専に教員として就職しました。その後、沼津高専を経て神奈川大学に着任し、17年になります。
自分自身にチャレンジしてください
私にとって数学の魅力は、“もしかしたら見つからないかもしれない答えを求めて考え続けること”だと思います。唯一の取り柄が“しつこさ”なので(笑)。その作業はとても苦しいですが、何にも勝る楽しみがあります。また、自分自身に対してのチャレンジでもあるのかもしれません。皆さんにも、ぜひその楽しさを知ってもらいたい。もちろん数学以外のことでもよいですが、“勉強する”ということは、ただ授業に出るということではなく、自分でやることです。「人は“意欲すること”を学ばなければならない」とは、昔の教育者が言った言葉ですが、まさに、何もしなければ何も始まらないのですから!
数理論理学(公理的集合論)研究室
進化し続ける数学の世界で答えを求め考え続ける
数学という学問は、一般の人たちの暮らしとはまったく関係ないもののように思われがちです。しかし実際には、携帯電話で行うデータ通信や病院で使用される医療器具MRIをはじめ、私たちにとって身近な技術と密接に関係しているのです。それゆえ、現に多くの企業において、数学の知識を持つ人材が求められています。 数学の魅力は「もしかしたら見つからないかもしれない答えを求めて、考え続けること」だと思います。当研究室が専門的に取り組んでいる数理論理学においても、さまざまな新事実が明らかになるなど、数学の世界はいまだ進化を続けています。 自分自身へのチャレンジでもある“数学の探究”を、ぜひ志してください。
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