Azumi Yoshitaka

安積 良隆 教授

所属
理学部
理学科
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専門分野

植物発生学、植物分子生物学、細胞生物学

キーワード

Profile

出身地/兵庫県姫路市
趣味/温泉などに行ってゆっくりすること
子供の頃の夢/牧場でもやれればと思っていた。今は沖縄にでも移住しようかと思っている
休日の過ごし方/子供といっしょにいるか、大学に来ている。たまに旅行
好きなTV番組/旅行番組、ニュース番組、NHKの「プロフェッショナル」とか以前の「プロジェクトX」
好きな著名人/宮里 藍
好きな食べ物/甘いものなら何でも

極小の花粉母細胞の世界の話、何億年という進化の結果からの考察です。

減数分裂という仕組みの謎を解く

植物の有性生殖がどのような仕組みで行われているのかを分子レベルで解き明かすのが、僕が大学院生だった頃から手掛けている研究の大きなテーマです。染色体の中には遺伝子があり、遺伝子からメッセンジャーRNAが作られてタンパクが作られ、機能が発現します。現在、シロイヌナズナという植物を用いて、花粉の細胞の中のミクロな世界で遺伝子が染色体をコントロールする仕組みを調べています。花粉ができる雄しべの先っぽには花粉母細胞というのがあります。これが「減数分裂」という特殊な細胞分裂を植物の一生の中で一度だけ行い、未成熟ではあるけれど花粉を形成。その後、何回か細胞分裂を繰り返すことで成熟した花粉となります。
注目すべきはその減数分裂という仕組み。生殖とは、同種の異なる個体の持つ遺伝情報の融合によって次の世代を生み出すことですが、融合によってその度ごとに染色体が倍加していては、細胞を維持できません。そのために染色体数を半減させた配偶体をあらかじめ形成し、それらが受精を行うことによって、ゲノムの恒常性を保っているのです。この染色体数を半減させる細胞分裂が減数分裂(還元分裂)であって、不可欠であり、しかも間違いの許されない分裂なのです。この時の染色体の分配がどのように制御されているかを調べています。

達成感、その喜びが、次へと向かう原動力に

僕が書いた論文の1つに「シロイヌナズナのソロダンサー」という、突然変異体の話があります。10本の染色体があって、まずペアを組んでお互いがパートナーを見つけて5対になるはずが、そうできないソロの突然変異体がたまに出現します。その原因遺伝子とされるサイクリンという遺伝子が体細胞分裂の制御、相同染色体のペアリングに必要であることを、明らかにすることができたのです。それ以来、染色体の挙動というものの動きが面白くて、そのままこの分野の研究を続けているのです。研究というのは決して簡単なことではありません。でも、うまくいった時の喜びってたまらないもの。それがあるからやめられないんです。

諦めない姿勢で物事と向き合おう

学生さんを見ていると、何かに取りかかる前に自分には出来ないと諦めてしまっているよう。思いの強さがあって努力すれば、道は開けていくものです。そして物事は表面的な理解で終わらせるのではなく、もっと掘り下げて理解しようとする姿勢を育ててもらいたい。そこに新しい発見と進歩が生まれるものと信じています。

生物科学(植物発生学、植物細胞生物学)研究室

植物の減数分裂に注目し染色体の動きを研究

動かないイメージのある植物ですが、器官、組織、細胞レベルでは実に多様な動きがあります。なかでも、細胞内の染色体の動きは非常にダイナミックです。 植物が生長し、子孫を残すためには細胞分裂が欠かせません。特に、次世代を生み出すための花粉や胚のうといった配偶体を作る際に必要な「減数分裂」(還元分裂)は、特殊で間違いの許されない細胞分裂です。遺伝子を運ぶ染色体は、正確に娘細胞に分配されなければなりません。 当研究室では、この減数分裂に注目し、シロイヌナズナを用いて、細胞分裂時の染色体の振る舞いや、どのように染色体の分配が制御されているのかを調べています。この細胞の中で起きている謎を一緒に解き明かしましょう。

Photos

  • 使い始めて10年以上になる杵と臼。年明けなど年に数回、研究室の学生と餅つきを楽しんでいる。餡やきな粉に飽きてきた頃に食べる、大根おろしの餅があっさりとしていて美味

  • 「染色体学会」や「日本植物生理学会」「日本分子生物学会」「日本育種学会」などなど、年に2~3度出席する学会でいただいたネームプレートが、いつの間にかいっぱい集まった

  • さまざまな研究に使用するシロイヌナズナ(5対10本の染色体からなる非常に小さなゲノムを持っている)

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

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