Fujiwara Ken

藤原 研 教授

所属
理学部
理学科
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専門分野

内分泌学、神経内分泌学、機能形態学

キーワード

Profile

出身地/東京都豊島区
子供の頃の夢/昆虫博士
尊敬する人/両親、大学の恩師
趣味/昆虫採集、サッカー、BBQ
休日の過ごし方/家族との時間

私たちの体の中で、細胞同士が会話を交わしている。 会話の内容を、その意図を突き止めたい。

細胞同士の“ひそひそ話”の内容とは?

「内分泌学」とは、ホルモンが身体に及ぼす影響を知る学問です。人と人が言葉を交わすように、私たちの体の中の細胞も、互いにコミュニケーションをとっています。コミュニケーションのために人間は言葉を使いますが、細胞はそのためにホルモンを使います。例えば、人は食事をすると血糖値が上がるので、「血糖値を下げなさい」と伝えるためにインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンのように全身を巡るコミュニケーションもあれば、隣り合った細胞同士のコミュニケーションもあります。最近は、後者のひそひそ話のようなやり取りに特に興味を持っています。
もうひとつの専門領域「組織学」は、臓器がどのような細胞で構成されているのかを知る学問です。例えば、ある都市の男女比や年齢層、職業などを分析していくことで、その都市の機能や国における役割など理解が深まりますね。これと同様に、臓器の構成を知ることで、その臓器の持つ機能や細胞の役割を分析していきます。
内分泌学と組織学は、まったく違う学問のように見られがちですが、車の両輪のような関係だと思います。細胞の形や構成を知ることで、細胞同士が行う会話の内容がより深く理解できるようになるのです。

一番身近な哺乳類・自分のことを知ろう

担当する「動物生理学」では、その名の通り哺乳類の生理学を学びます。眠くなる、お腹が空く、光を認識する、呼吸をする…。私たちが意識せずに行っている生理現象を改めて考えていきます。最も身近な哺乳類は、あなた自身です。なぜ眠くなるのか、なぜお腹が空くのか…考えたことはありますか?知っているようで知らない、自分の体の仕組みを改めて学ぶことで、「私たちがこうして生命を維持しているということが、いかにすごいことか」を実感できるはずです。また、哺乳類と両生類には違いもあれば共通点もあります。授業を通して、さまざまな生き物への興味を持ってもらえたらうれしいです。
私が感銘を受けた言葉に、「知識は情報、知恵は能力」というものがあります。本を読んだり、講義を聞いたりしただけでは、単なる情報、「知識」でしかありません。大切なのは、その知識を自分の頭の中で整理し、組み合わせること。そうして「知恵」が生まれる…という考えです。今やクリックするだけで知識はいくらでも手に入ります。そうなると「勉強する意味があるのか?」と思ってしまうかもしれません。しかし、それを組み合わせて「知恵」にしなければ意味がないのです。大学では、知恵を得るトレーニングをしましょう。講義で知識を得たら、それを組み合わせて自分が感じた疑問の解決に役立つ「知恵」にしてほしいのです。

自分の興味をとことん追求できるのが大学

大学では、受け身ではなく自分からアクションを起こすことを心がけてほしいです。大学は、横一列に並ぶ場所ではありません。自分の興味のあることをとことん追求するのが大学です。人と比べることなく、自分自身と正直に向き合って、自分が本当に進みたい道を探してください。
そして、高校までとは違い、全国から集まってきた仲間と出会うことができるのも大学の醍醐味です。人との縁を大切にしてください。人付き合いが苦手だという人もいるかもしれませんが、人とのコミュニケーションを積極的にとって、社会に出る準備をしておきましょう。出会った人の中に、きっとあなたの人生に大きな影響を与えてくれる人がいるはずです。

生物科学(内分泌学、機能形態学)研究室

下垂体前葉内の細胞間コミュニケーションの仕組みを明らかにする

下垂体前葉は、6種類のホルモン(GH、PRL、TSH、LH、FSH、ACTH)を分泌し、成長、代謝、生殖、ストレス応答をコントロールします。これらのホルモンの分泌は、脳からのホルモンと標的臓器からのネガティブフィードバックにより調節されています。それらに加えて、前葉内での細胞間コミュニケーションも正常な機能を維持する上で重要であることがわかってきました。しかし、その分子機構は十分わかっていません。 当研究室では、主にラット・マウスや培養細胞を用いて研究しています。特に、濾胞星状細胞に注目しています。この細胞は、ホルモンを作りませんが、細胞増殖因子などの分泌性因子を介して近傍の細胞の機能を調節していると考えられています。それらを深く研究することで、下垂体前葉の機能を維持する新規因子の発見、濾胞星状細胞の存在意義の解明を目指しています。

Photos

  • ラット下垂体前葉の濾胞星状細胞(緑)。細胞の核を青で染色してある。

  • 昆虫の標本です。昆虫採集は子供の頃から続いている趣味で、高校生の頃から「歩く宝石」と言われるオサムシに夢中になりました。オサムシは飛べない虫で、川や山脈などを越えることができないため、地理的隔離が容易に起こります。そのため同じ種類のオサムシでも地域によって姿がまったく違うので、海外で採集旅行をするのが夢です

  • 小学生の頃に買ってもらった学研の図鑑です。今でも時々開くのですが、図鑑を見ながらあれこれ妄想していた幼少期を思い出し、生物を好きになった原点を思い出します。現在の研究テーマである細胞も、私の中では「生物のひとつ」として捉えているのだと思います

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

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