Shiraishi Takuya

白石 卓也 特別助教

所属
理学部
理学科
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専門分野

素粒子、原子核、宇宙線、宇宙物理にする実験

キーワード

Profile

出身地/愛媛県大洲市
子供の頃の夢/研究者
尊敬する人/中村修二、坂田昌一、Kobe Bryant
愛読書/『The Mamba Mentality: How I Play』
趣味/プログラミング、NBA・NFL観戦
休日の過ごし方/研究、散歩、ジムでトレーニング
好きな音楽/B'z
好きな食べもの/寿司、日本酒、ワイン

素粒子探索によって自然法則の謎を解き明かし、その知見を医療や工業分野へ応用したい。

宇宙には既知の「素粒子物理学」では説明できない自然法則がある

私が研究に取り組む最大のモチベーションは、自然の法則を可能な限り理解することにあります。物質が従う根本的な自然法則は何なのか、この宇宙はどのように成り立っているのか。そうした興味を突き詰めるために、物質を構成する最小単位である「素粒子」について研究を深めてきました。1960年代以降発展した素粒子標準模型はクォークやW・Zボソン、ヒッグスなどの存在を予言しました。その後50年程度かけてこれらが次々に発見されたことで標準模型の正しさが証明され、物理学は大きく進歩しました。しかし、この素粒子の存在だけでは説明できない自然現象が宇宙にはまだたくさんあります。例えば、宇宙の進化において重要な未知の重力の問題があります。銀河や銀河団の構造形成から、“目に見える”(観測されている)物質の5倍以上の重力源が存在することが分かっています。このようなものを暗黒物質と呼んでいます。

暗黒物質はまだ発見されていない素粒子の一種ではないかと予測されているのですが、こうした未知の素粒子の探索には、加速器という装置が使われることが多いです。電子や陽子といった粒子を光の速度近くまで加速させて衝突させることで、未知粒子を人工的に生成する方法です。

こうした高エネルギー物理の探索可能性がある一方で、近ごろ取り組んでいるのは低エネルギー物理のフロンティア開拓です。多大なエネルギーが必要な加速器を用いるのではなく、宇宙から飛来する放射線(=宇宙線)の中から、未知粒子を極めて低バックグラウンドで探索しています。

このような新物理探索の過程で、放射線を高性能で検出する技術開発を行っています。この技術を医療や工業の分野へ応用することで、自然科学の理解にとどまらず、自身の開発をさらに社会へ還元させていきたい。そういうことを思って研究に取り組んでいます。

過去の偉大な先人たちの発見から新たな発想を

研究の歴史は「巨人の肩の上に立つ」とよく言われます。過去の偉大な先人たちのひらめきと功績の積み重ねの上に現在の自然科学があるのです。私が担当している「物理学実験」では、先人たちが限られた知識やリソースの中で行った実験を追体験し、当時のひらめきがどれほどすごいもので、未知の自然現象に対してどういう思考で向き合っていたのかを知ってほしいと思っています。

授業では「霧箱」という身近なもので簡単に作られる検出器を使って、目には見えない放射線を観測する実験などに取り組んでもらっています。そうした実験の仕組みを実践的に理解したうえで、「現代の技術やリソースを用いればもっと優れた装置をつくれるのではないか」といった発想をふくらませてほしいと思います。現在は調べれば大抵のことはすぐにわかってしまいますが、実際に自分の目で見て、自分の頭で理解したものを信じて論理的思考力を身につけてほしいですね。

実験物理学(量子ビーム応用、放射線物理)研究室

量子ビーム照射における固体中での「原子輸送現象」の物理的理解と物質材料科学への応用

自然科学の学問領域において、物理学が対象とする「時間的」「空間的」「エネルギー的」スケールは他の自然科学分野に比べて極めて広いです。例えば、「時間的スケール」では、宇宙が始まった瞬間から未来(宇宙の終末)まで扱いますし、「空間的スケール」においては、素粒子レベルのサイズから宇宙規模まで対象とします。そして、特に高エネルギー領域を対象とする種々の研究テーマは、まさに物理学の醍醐味を味わえる代表的な研究対象です。 私たちは加速器を2台所有しており、それにより作り出した「高エネルギー粒子線や電磁波」を物質に照射し、結晶内部で起きるさまざまな物理・化学的現象を調べたり、さまざまな分野へのビーム応用を目指して研究しています。

Photos

  • B'zのライブTシャツ。6歳の時にB'zの「LOVE PHANTOM」を聴いて好きになり、親に頼んで初めてCDを買ってもらいました。最近ではライブに参加してグッズを集めています

  • 大学院修士1年の時に2か月、博士1年の時に1か月、単身で出張したイタリアのグランサッソ地下研究所への通行許可証です。研究所は大きいですが、場所はかなり山奥で、最寄りのスーパーまで8km、バスも2時間に1本、研究者以外とは英語が通じないなど、生きていくのですら大変です。現地で共同研究を継続しており、その後も何度か行っています

SDGsの取組み

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