Matsubara Toshiaki

松原 世明 教授

所属
理学部
理学科(化学コース)
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専門分野

量子化学、計算化学、理論化学

キーワード

Profile

出身地/岐阜県
血液型/O型
趣味/サッカー観戦
子供の頃の夢/学者になること
尊敬する人/アインシュタイン
好きな音楽/バッハ、モーツァルト
好きな食べ物/ニンニク料理、メキシコ料理、ギリシャ料理

目に見えない、ミクロの世界を扱う量子化学は、チャレンジ精神や発想力が求められるからこそ面白い!

電子の振る舞いを考える量子化学の基礎を学ぼう

物理化学の科目では、量子化学の基礎を講義しています。この量子化学は、量子力学をベースにしていて、物理化学の中でも特にとっつきにくいものだと思います。量子化学は、電子の振る舞いを考えること、つまりミクロの世界の話なのです。私たちが生活する世界とはかけ離れていますから、直感的に理解することが難しい。また、そのような量子化学の世界を記述する数式もわかりにくいものです。例えば、学生がこの授業で最初に出会う数式は、「Hψ=Eψ」というものです。この一見、簡単そうに見える数式は、電子の世界が記述できるというものですが、なぜこうなるのかはわかりません。こういう数式が教科書に突然出てきます。そのため、学生も戸惑ってしまうのです。ですから私はなるべく、どういう流れでこの数式や基礎理論ができてきたのかということを話すように心がけています。私自身、学生の頃に量子力学の授業を受けて、わかりにくかったという思い出がありますからね。

研究には、予測通りになる面白さと、予測を裏切る面白さがある

研究では、有機反応や触媒反応、酵素反応などの化学反応が、どのように起こるのかを量子化学計算を用いて、理論的に解析しています。ひとつは、分子の大きいタンパク質や酵素を、ONIOM法という量子化学計算法を用いて解析しています。また、分子は本来、振動していますが、量子化学計算ではそのことを考えずに、止まっている状態の構造やエネルギーを計算で求めていきますので、分子の振動も考えて計算してみようという研究も行っています。この研究では、私が開発したONIOM分子動力学法を応用して、新しい分子理論を提唱しようと取り組んでいます。まだまだ発展途上の研究ですが、解析手法の開発とそれを応用した分子理論の両方を研究しているところです。
こうした量子化学の分野を研究する魅力には、予測通りになる面白さと、逆に予測通りにならなかったことで得られる結果の面白さが挙げられます。計算化学や理論化学の場合、目に見えない世界を人間が考えた近似で計算して解いているわけですから、必ず予測や理論のアイデアを持って取り組む必要があります。何が出てくるかを予測することや、もしだめな場合は別の新しい発想を考えるということを、常にしなければなりません。そうした自主性や開拓精神みたいなものが特に必要とされる分野ですし、なおかつそこが、この分野の一番面白い部分です。学生の皆さんには、ぜひ、そういう量子化学や物理化学の醍醐味みたいなものを知ってもらいたい。また、それらを学び、研究することは、チャレンジ精神やさまざまな独創性のある発想力を身に付けることにもつながるはずです。それらを培って、社会に羽ばたいていってほしいですね。

物理化学(計算化学、理論化学)研究室

目に見えないミクロの世界をシミュレーションで理解する

コンピュータの発達によって、より複雑かつ正確なシミュレーションを短時間で行うことができるようになりました。そこで用いられるのが量子化学の理論です。化学反応は電子の振る舞いを理解する必要がありますが、ミクロの世界は直感的に理解することが難しい世界でもあります。 当研究室では、ONIOM法と呼ばれる量子化学計算法を用いて分子の振る舞いを解析していますが、より正確に分子の状態をシミュレーションするために、ONIOM分子動力学法を開発して、新しい分子理論の構築に挑んでいます。そして、簡単な構造の分子から、タンパク質や酵素などの複雑で大きな分子まで、あらゆる自然の事象を対象とした、理論計算による解析に取り組んでいます。

Photos

  • ONIOM法とONIOM分子動力学法の原理と応用についてまとめた論文を掲載した著書『Handbook of Computational Chemistry Research』Charles T.Collett and Christopher D.Robson編、Nova Science Publishers、New York(2010)

  • 1992年から1年間、フランスに留学していたとき、訪れたルクセンブルクで購入したペアのコーヒーカップ

  • 「シクロへキセノンの静電ポテンシャルと最高被占軌道」(簡単に言うと「分子の電子の広がり」)

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