Ohira Tsuyoshi

大平 剛 教授

所属
理学部
理学科
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専門分野

甲殻類の分子内分泌学、ペプチドホルモンの生化学、甲殻類の繁殖生理学

キーワード

Profile

出身地/東京都
趣味/散歩
子供の頃の夢/船乗り
尊敬する人/大学院時代の恩師
休日の過ごし方/子供と遊ぶ
血液型/A型
家族構成/妻、息子2人
好きなTV番組/NHK大河ドラマ
好きな食べ物/蕎麦
好きな国/日本

机上の勉強だけでなく、実際の「生物」から学ぶことが大切。実験や観察を通して、社会に出てから必要な力も身に付けましょう。

さまざまな生物を見て触って、自分の興味を探究しよう

生物学のいちばんの楽しさは、机上の勉強だけでなく、実際に見て触って体感することで、生物の奥深さを実感できることです。
本学科では1年次から、体感する授業を重視しています。教科書や図解の写真を見ながらの講義と併せて、生物科学実験Iという必修科目で、さまざまな動物や植物の実物を見て触り、さらに解剖して実際の内部構造の観察を行うことで、よりしっかりとした知識が身に付いていくわけです。
そのような体感する授業の一つとしては、大学の近くで行う河川実習が特徴的ですね。これは、川の地勢、底質、水質を調べることに加え、水中や水の周辺にいる昆虫などの小動物や微生物、植物などを採取しそれらを観察・分析する実習です。このように河川の生態系だけでも多くのことが学べるんですよ。理学部では、自分が興味を持ったことをとことん探究できるカリキュラムになっています。
私自身の研究について説明しますと、甲殻類の“造雄腺ホルモン”に関する研究を世界に先駆けて取組んでいます。人間は生まれたときから性が決まっていて、途中で性が変わることはありません。しかし、甲殻類は、ある特定のホルモンの影響により性が変わってしまうのです。それが“造雄腺ホルモン”です。造雄腺ホルモンは、雄への分化を促すとともに、その後の雄の性特徴を発達させる作用があります。そのため、造雄腺ホルモンを雌に注射すると、機能的な雄へ性転換をしてしまいます。エビやカニは成長速度や消費者の好みなどの面で雌雄に差があるため、単性養殖技術の開発が求められています。エビやカニの造雄腺ホルモンを人工的に合成できるようになれば、それらの技術開発に役に立つのではないかと考えています。

コミュニケーションとプレゼンテーション、二つの能力を鍛えよう

本学科では、専門知識を学びながら、いつの間にかコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力といった、社会人になってから役立つ能力も身に付けることができるんです。
本学科では卒業研究が必修となっています。卒業研究は一人で研究することが基本ですが、研究を進める上で、同じ研究室の先生や学生とのコミュニケーションが重要になってきます。また、他の研究者との共同研究の一環として研究を進めている場合もありますから、協調性も大切ですね。
そして、卒業研究を発表する際には、皆に分かりやすく伝えるためのプレゼンテーション能力が必要になります。私達の研究室では、卒業研究発表会を、誰でも聞けるようにオープンにしています。さまざまな学部から学生が訪れ、全く生物科学を知らない人もいるわけですから、発表する学生は、いかに分かりやすく説明できるかが問われるのです。
この二つの能力は、企業に入れば必ず必要になりますから、学生のうちから身に付けておけば、将来どの分野に進んでも役立ちますよね。
理学が対象とする研究範囲は広く、同時に、とことん自分の探究心に従って学べる学問です。自分の興味を持ったことを積極的に探究していけば、将来さまざまな分野で、その“探究する熱意”が活かせるでしょう。

生物科学(分子内分泌学、動物生理学)研究室

いまだ謎の多い甲殻類のホルモンを解明する

食用として世界中で大量に消費されるエビやカニなどの甲殻類は、水圏で最も繁栄している動物群です。それにもかかわらず、日本で甲殻類の生理学を研究している研究室はほとんどありません。 実は、エビは何種類もの重要なホルモンを「目」で作っていることが判明しています。しかし、生存に必須なホルモンでさえも完全には解明されていません。このように、甲殻類にはいまだに多くの謎が残されているのが実情です。 当研究室では、性転換を引き起こす「造雄腺ホルモン」や、生殖や成長を制御するホルモンの探索や機能解明を進めています。また、エビの雌雄を産み分ける技術の開発や、産卵制御技術の開発に取り組むなど、養殖技術の発展にも貢献しています。

Photos

  • 東南アジアのタイから輸入したオニテナガエビのぬけ殻。中国や東南アジアでは、おなじみの食材で、日本では青森県の1カ所のみで養殖されている。青く長い手が特徴

  • ロブスターとブルークラブのゴム製模型は友人達からのアメリカみやげ。どちらもアメリカではよく食べられている

  • アメリカザリガニの青色個体

  • 継代飼育しているアメリカカブトエビ

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

外海との接触がないためエビが病気になるリスクが少なく計画的な生産が可能になる「低コストな閉鎖循環式のエビ養殖」、大豆粕など植物性タンパク質を原材料に用いてバナメイエビ養殖のための飼料を開発する「食品廃棄物を原材料に用いたエビ養殖用飼料の開発」に取り組んでいます。

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