Kihara Nobuhiro

木原 伸浩 教授

所属
理学部
理学科
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専門分野

有機化学、生物有機化学、高分子化学

キーワード

Profile

出身地/宮城県仙台市
血液型/A型
趣味/コントラバスの演奏、家具づくり
子どもの頃の夢/農業
尊敬する人/ファインマン
愛読書/『化学大辞典』(高校入学の時、親に買ってもらいました)
休日の過ごし方/別荘で静かに過ごす(時間があれば)
好きな音楽/ショスタコービッチ、ワーグナー、マーラー、ブルックナー、 R.シュトラウス

化学の方法で分子を合成することは、僕にとって夢の工作です。

工作は楽しい! だから化学はおもしろい

子どもの頃、何かを作ることが大好きでした。作ること自体も楽しかったのですが、それ以上に、部品の構造や機能にわくわくしました。「これはどうやってできているんだろう?」「どうしてこういうふうに動くのだろう」と思うと即行動! テレビを分解し、刀を鍛えetc. 料理も得意ですよ。ところが唯一、どうやって作ったらいいのか全くわからず、しかも誰も教えてくれないものがありました。それが「分子の作り方」です。もう、くやしくて、くやしくて。

分子の合成は、のりもはさみも使わない工作

「分子の作り方」は大学の化学でやっと教えてもらえました、のりもはさみも使いませんが、これはまるで「工作」でした。そして、分子でも「動く仕組み」というのがあるんですね。例えば、誰も見たことのない恐竜でも、化石の形を調べたら、どういうふうに動き、どういう姿をしていたのかちゃんと分かります。同じように、正しい形の分子をつくる(合成する)と、その分子は正しく動くのです。今までにないような働きをもつ分子をつくることも可能なのです。こりゃ、そんじょそこらの工作より面白い。
人間の体は、何万種もの化合物でできています。生きているということは、その何万種もの分子がすべて正しく働いて(反応して)いるということです。それは、全ての分子が正しく必要な形をしているからです。生物の化学システムは驚異的です。でも、同じように正しい形の分子システムを合成すれば、生物を超える力を人工的に実現することもできるでしょう。

たとえば、一般に丈夫な分子は分解しにくいものです。そのため、丈夫なプラスチックは分解しにくく、ごみ問題を引き起こしています。合成の力で正しく働く分解のスイッチを組み込むと、丈夫であるにもかかわらず、あっという間に分解するプラスチックを作り出すこともできるのです。

理学は人間の素養

化学は私たちの世界そのものです。基礎はもちろん必要ですが、それが私たちの世界とどのように関わっているのか常に考えるように授業を行っています。また、化学的なものの考え方を大事にして、単に知識を覚えることは奨励しません。社会に出て役に立つのは知識などではありません。化学に限らず理学とは、人間の素養として大切なものの考え方-世界観-そのものなのです。

有機化学(超分子化学、高分子化学)研究室

生物の化学システムを学び新しい「反応場」を創造する

生物がいとも簡単に行っているのに、人間にはマネのできないことの一つが選択的な反応です。有機物はいくつかの「部品」に分けることができます。その部品を組み立てていけば、望んだ有機物を合成できるはずなのですが、生物なら簡単に組み立てられるのに、フラスコの中では簡単にはいきません。生物の仕組みを学び、そのやり方を再現すれば、きちんと組み立てられるようになるはずです。 このような合成の力で、非常に丈夫であるのに、望んだタイミングで分解できる全く新しいプラスチックを開発しています。プラスチックのゴミ処理を容易にするために生分解性プラスチックが期待されていますが、分解するタイミングを制御することができれば、より環境に優しい材料になることでしょう。

Photos

  • 丈夫な分解性プラスチック−新しい分解性プラスチックが窒素ガスを出しながら分解しているところ

  • 分子モデル−分子の形を見ながら、その分子が正しく働くかどうかを見定める

  • 丈夫な分解性プラスチック−分解性プラスチックと、分解性プラスチックでできた超強力軽量プラスチックの小片

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

酸化分解性プラスチック材料の開発に取り組んでいます。
容易に分解できるプラスチックにより、プラスチックゴミの減容、分解除去を可能にし、廃棄物の量を減らすだけでなく、廃棄物の有効利用促進、、河川などのプラスチックゴミによる汚染の減少、プラスチック製品を含む工業製品の高度なリサイクルの実現、焼却によらないプラスチックゴミの処理による脱炭素社会の創出への貢献、環境の保全の貢献に繋がると考えています。

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