Doyo Daisuke

道用 大介 准教授

所属
経営学部
国際経営学科
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専門分野

経営工学、デザイン学

キーワード

Profile

出身地/富山県
子供の頃の夢/ノーベル賞を受賞する(今となっては口にするのも恥ずかしい…)
尊敬する人/すべての人を尊敬できるように努めています
趣味/散歩
好きな音楽/Nirvana、Pearl Jam、Janis Joplin、東京事変など

デジタル技術を活用し誰もが自分の創造力を発揮できる社会をめざす。

デジタルとフィジカルが交差する共創の場:ファブラボ

私の本来の専門分野は経営工学です。企業のコンピュータシステムや仕事のやり方をデザインするような研究ですね。そんななか、デジタルデータをもとにものづくりを行う「デジタルファブリケーション」に強い関心を抱き、こちらの研究へと足を踏み入れました。具体的には、誰でも3Dプリンターやレーザー加工機といった装置を使用できる「ファブラボ」という共創空間をつくり、そこでの創作活動を通じて「誰もが自分の創造力を活かせる社会づくり」を実現するというものです。デジタルデータで作ったものが物理的(フィジカル)な世界に実物として出力されるわけですから、ファブラボはデジタルとフィジカルの交差点といえるでしょう。

「デジタルファブリケーション」がおもしろいのは、個人での創作活動の場にとどまらず、インターネットでデザインデータを公開する(オープンにする)ことによって、他人が用途に応じて改変していくことです。データがインターネット上を旅しながら、成長していく感じですね。新型コロナウイルスの流行以降、テレビなどでフェイスシールドを着用しているところをよく目にするようになったと思います。実は、その中には私が設計・公開したものもたくさんあって、私の設計したデータをもとに、ドラマの現場に合うようにカスタマイズされている様子などを見ると、オープンなデザインの可能性を感じました。

学生の個性溢れる自由な発想を大切にしたい

授業では、クリエイティブに物事を創造・改善するプロセスを扱っています。世の中を観察・分析し、何が必要かを考え、それを実際に形にしていきます。3Dプリンターを使ったりプログラミングをしたりと、そこに文系・理系の垣根はありません。現在は、「デザイン経営論」「デジタルファブリケーション」「デザイン演習」といった授業を担当しています。「デザイン経営論」は、デザインの考え方を経営に取り入れ、既存の技術をどのように活用できるのか、新たな可能性を探っていく授業、「デジタルファブリケーション」は、3Dプリンターやレーザ加工機などを使い自分のアイディアを形にする授業、「デザイン演習」は観察・インタビュー・データ分析から課題をあぶり出す力、課題の解決のためのアイディアを発散・収束させる力、アイディアを形にする力、ビジネスによってアイディアに継続性を持たせる力を養う授業です。

授業を行ううえで意識しているのは、学生自身に「自分が何をつくりたいのか」をじっくりと考えてもらうことです。こちらから「これをつくってください」という指示は与えず、自分がほしいものや世の中で必要とされていると思うものを学生自身が考え、創作してもらうようにしています。そのため、学生の作品も、廃材でつくった下駄やソーラー発電を利用した省エネ家電、オリジナルのギターなど、個性が溢れています。創作活動を通じて、人の欲求や抱えている問題は多様なのだと改めて実感できる点も、ものづくりの醍醐味ではないかと思います。

大学生活のなかで、学生には自分の心が満たされるものに出会ってほしいと考えています。若いときほど衝動的な興奮に身を任せてしまうこともあると思いますが、そういう喜びは年をとるとなかなか持続できません。生活や仕事など、これからどんどん忙しくなってくる人生のなかで、長きにわたって心を満たしてくれるものを、ぜひ何かひとつ見つけてほしいと思います。

デザイン&プロトタイピングゼミ

経営の境界を越えた、多様なアプローチで社会をデザイン

私のゼミでは、「創造的である」以外の制約はありません。 商業的、業務的な価値だけでなく、人間的で豊かな生活、持続可能な社会のために個人的な価値、社会的な価値など、価値のさまざまな側面を認め、それらの価値の維持に経営が必要だというスタンスをとっています。グループプロジェクト、または個人プロジェクトでの取り組みを通して、技術・デザイン・経営の境界を意識せず多様なアプローチで価値の創造を行い、より良い社会をデザインしていきます。 開発したシステムを企業に提案し採用された学生、障がい者の方のためのものづくりを行っている学生、起業のためにアプリ開発をしている学生、循環型経済について学んでいる学生、ハムストリングの負荷の可視化デバイスを開発している学生、ストローの役割を根本的に考え直している学生、3Dプリントを組みこんだ絵画を制作している学生、VR空間上でのビジネスを考えている学生など本当にいろいろな学生がいます。 「売れるものをつくる」という考え方より「必要なものは何か」「欲しいものは何か」「何をしたいか」という情熱を優先します。

Photos

  • 設計したデータを3Dプリンタで形にしたフェイスシールドです。データを公開すると、各所から連絡がきて、用途に応じて工夫を凝らし、アップデートを重ねていきました

  • Fab Academyの修了証。Fab Academy は、MITのニール・ガーシェンフェルド教授による、ほぼあらゆるものをつくるためのオンライン講義です。毎回の課題がかなりハードで、修了したときは大きな達成感がありました

  • ゼミの学生が取り組んでいる様々なプロジェクトの様子です。 学生視点でのプロジェクトは多くのことを気づかされます

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

ファブラボを通した市民参加型実験型都市を目指しています。そのために、ファブラボの市民への開放を開始しました。また、3Dプリンターを用いたEnd User Manufacturingによるオンデマンド生産も進めています。

Teacher's News

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