Miyazawa Kaoru
宮澤 薫 教授
Profile
出身地/東京都
子供の頃の夢/保育士
趣味/旅行(国内&海外)
休日の過ごし方/友人と会う、家族と外食・近場にお出かけ
好きな食べ物/和食 エスニック料理
消費者同士の関係性に着目し、ブランド・マネジメントを考える。
大学院の仲間やママ友から消費者の心理を学ぶ
同じブランドを好きな人と出会って、うれしくなった経験はありませんか? 同じブランドやアーティスト、スポーツチームなどを推す他者との出会いは、より一層自分が好きな対象へのロイヤルティを高めます。
一方、店頭で知り合いに買い物の様子を見られると、気恥ずかしさから買う予定だった商品を買わずに帰ったり、使おうと思ったクーポンを使用せずに商品を購入したりする人が多いことも研究からわかっています。このように、消費者は他の消費者からさまざまな影響を受けます。私はこうした消費者同士の関係性に着目し、企業や商品のブランド・マネジメントを考える研究に取り組んでいます。
大学卒業後、広告会社に就職し、マーケティングや消費者行動について、現場で学んできました。その後、夫の転勤で、アメリカのシカゴで1年半ほど暮らすことに。これをいい機会だと考え、近隣にあった大学院で、消費者心理やリサーチの手法を学ぶことにしました。大学には優しくて穏やかな学生が多く、クラスメイトとの相互作用を通じて、私はどんどんその大学が好きになりました。ここからブランドへのロイヤルティ(この場合は愛校心)は、消費者間の相互作用から影響を受けるのではないかという、現在にも通じる研究テーマが見えてきました。
帰国後、子育てをしながら、国内の大学院で研究をスタートさせました。子育ては、消費者心理を考える上で、非常に面白い材料を提供してくれます。例えば、ママ友同士の相互作用を通じて、幼稚園や子供服ブランドへのロイヤルティを高め合うといったことなどは印象的でした。
このような経験から、消費者間の関係性は消費者の行動にどのような影響を及ぼすのかという問題意識のもと、ブランド・コミュニティ、店舗における他者の影響などの研究を進めています。
毎日、少しずつ自分の視野を広げてほしい
経営学部では、主にマーケティング関連の授業を担当しています。「マーケティング論」では、製品・サービスがどのようにつくり出されているのか、製品・サービスが売れ続けていくために、企業はどのような努力をしているのか。こうしたテーマについて、さまざまな事例を取り入れながら、マーケティングの手法を具体的に紹介しています。講義には企業のマーケティング担当者の方に来ていただくこともあります。
「サービス・マーケティング」の授業では、無形財であるサービスを対象としたマーケティングの手法を学びます。サービスの場合、企業は消費者だけでなくサービス提供者の満足度も上げなくてはなりません。このようなサービス特有のマーケティングについて学んでいきます。そして、「マーケティング戦略論」では、企業の様々なマーケティング戦略の背景にはどのような学術的理論があるのかを学びます。
これらの授業を通じて、物事の表層的な部分だけでなくその背景まで深く考えマーケティング戦略を立てられる力を身につけてほしいと思っています。それは、論理的に考える力と言い換えられるかもしれません。
さらに、学生時代には日々、自分の視野を1センチずつでもよいので広げていってほしいと思います。例えば、コンビニに行ったら迷わず同じ商品を買うのではなく、ちょっと隣の棚ものぞく意識を持ってみる。それがマーケティング分析の基本になります。
大学時代に最も大切なのは、一生の友を見つけることです。卒業後も支え合ったり刺激し合ったりできる友人がいることで、人生は間違いなく豊かになります。ぜひ環境を変えることを恐れず、積極的に変化を選択してみてください。時にはまわり道かなと思う選択をすることも重要です。大変なこともあるかもしれませんが、振り返ったときに、無駄な経験はひとつもなかったと思えるはずです。
宮澤薫ゼミナール
消費者の視点から「ブランド」について考える
「綾鷹」と「伊右衛門」、店頭に2つのブランドが並んでいたら、みなさんはどちらを選びますか。そして、その理由はなぜでしょう。製品の特徴、パッケージ、広告、おまけ、陳列、価格など、さまざまな理由があるのではないでしょうか。本ゼミナールでは、マーケティング研究の中でも特にブランドについて学んでいきます。例えば、成功しているブランドと課題を抱えているブランドについて、その理由を消費者の視点から考えてみるといったこともブランド研究の1つでしょう。ゼミ活動では、グループワークやディスカッションを行ったり、文献を読み進めることによって、ブランドに関するさまざまなテーマに取り組んでいきます。また、こういった活動に加え、企業様からご提示いただいた具体的なマーケティング課題に対し、自分たちなりの提案を行う実践的な活動の機会も設けています。
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