
Nagumo Chiaki
南雲 智映 教授
- 所属
-
経営学部
国際経営学科
- 関連リンク
- 専門分野
人的資源管理論
- キーワード
Profile
出身地/新潟県
子供の頃の夢/NHK教育テレビの小学生番組でぬいぐるみと話すおじさん
尊敬する人/大学院時代の指導教官
愛読書/日本史・東洋史関係
趣味/野球観戦、トレーニング、ゲーム、マンガ観賞
休日の過ごし方/ウォーキング、昼寝
好きなTV番組/『魔改造の夜』
好きな食べ物/カレー、かつ丼、ぶり大根、おでん、ヤクルト、ラーメン
日本の雇用システムの形成過程を当事者インタビューで振り返る。
人事制度は「フィクション」。重要なのは労使間の「納得性」
専門は、人的資源管理論です。人的資源というのは、企業にとって大切な経営資源のひとつです。よく経営に必要なのは、ヒト、モノ、カネ、情報といいますが、ヒトの管理、つまり労働関係の調査をするのが私の研究内容になります。具体的には、人事担当者や労働組合リーダー、人事コンサルタントなどにインタビューを実施し、それを文字として起こして、オーラル・ヒストリー(口述歴史)という形で発表しています。テーマとしては日本の雇用システムの形成過程、労働組合の活動、人事制度改革などです。手法としては経済学、心理学、歴史学などを用いて研究してきました。
特に戦後1945年から1995年までの期間に焦点を当て、労使がどのように協力して日本の雇用システムを構築してきたかを調査しています。私は、能力や成果を客観的に測ることは本質的に不可能であり、人事制度とは基本的には「フィクション」だと考えています。重要なのは労使間の「納得性」であり、どんな制度であれ双方が納得できるものでなければ機能しません。つまり、人事制度における「魔法の杖」はないというのが実状ですが、時代に合わせてどのような人的資源管理が可能なのかを常に考えています。主なインタビュー調査の内容は、『「日本的労使関係」における産業別労働組合の位置 ―1945~1974年の全繊同盟の組織拡大を中心に―』という論文にまとめています。
現在は経営学部で、「人的資源管理論」の授業を担当しています。ここで、企業がどのように労働者をマネジメントしているのかを教えています。一定以上の規模の企業は賃金制度や等級制度、評価制度など、労働者をマネジメントする仕組みを整える必要があります。その際、マネジメント対象は人間なので、効率的に管理するだけでなく、労働者の生活やモチベーションなどの側面にも留意しなければなりません。要するに、労働者の効率的な管理と人間としての側面への配慮を両立すべきなのです。
戦後の日本では、成果主義や年功序列などさまざまな人事制度のトレンドが繰り返されてきました。近年は、産業構造の変化に伴い労働組合の形態も変化しています。それに合わせてどのような人事制度が妥当なのか、学生たちと一緒に考えています。
気になる学問分野があれば、自分で掘り下げるのが大切
授業を通じて学生の皆さんに伝えたいのは、「労働者の権利は守られているのか」という視点を持ってほしいということです。大学を卒業したらほとんどの学生は就職します。その先でどのような扱いを受けるのか、社会ではどのような制度が妥当なのかを知るべきです。つまり、労働条件をしっかり読み解けるようになる必要があります。
私の担当に限らず、大学の授業で興味を持った分野があれば、ぜひ自分で深堀りしていってください。あえて厳しく言えば、大学の授業だけでわかった気分になってはいけません。例えば、同じ経営学でも担当教員によって、伝える内容は異なります。それは、各教員の専門分野や研究背景が異なるからです。専門書や論文は山ほどあります。ぜひ学問の深さを知ってください。もちろん勉強に限らず、スポーツやアルバイトなどでも同様に、自ら探求していってください。
大切なのは、少し背伸びをしてチャレンジすることです。そして、自分の壁を乗り越える体験をしてほしい。学生時代は失敗が許される時期ですから、守りに入りすぎず攻めの姿勢を持って、それぞれの分野でもがいてください。自分で選び取った分野でできる限りのことを学び、自分の頭で考えられる人になってほしいと思います。

南雲智映ゼミナール
アナログゲームを追究する「思考と発見」
アナログゲーム(ボードゲーム、カードゲーム)をプレイしながら、経営学の視点で解析し、批評を作成する『ビジネスアナログゲーム研究』を実施しています。2025年度からの新規ゼミで、運営方針が詳細に定まっているわけではありませんが、これを逆手にとって柔軟に活動をしていきたいと考えています。現在は、ゼミ生有志にサブゼミや食事会などを企画してもらっています。
Photos
地域課題
SDGs・地域課題について