Sugita Hiroya

杉田 弘也 教授

所属
経営学部
国際経営学科
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専門分野

比較政治学、オーストラリア地域研究

キーワード

Profile

出身地/兵庫県西宮市(出生は東京都)
生年/1961年
家族構成/娘2人
子供の頃の夢/歴史学者
尊敬する人/マルカム・フレイザー元首相、セアラ・ハンソン・ヤング上院議員(ともにオーストラリア)
愛読書/ファンタジーや歴史小説。最近最も面白かったのはマーガレット・アトウッド『誓願』
趣味/音楽を聴くこと、茂山狂言会の狂言を観ること
休日の過ごし方/自分の研究と授業の準備。コンサート鑑賞、観劇、水泳
好きな音楽/クラシック(特にマーラー、シベリウス)、Secret Garden
好きなTV番組/『Doctor Who』(海外ドラマ)
好きな映画/『Begin Again』(邦題『はじまりのうた』)
好きな著名人/ジャスィンダ・アーダーン首相(ニュージーランド)、ジュリア・ギラード元首相(オーストラリア)
好きな食べ物/ラム、ひよこ豆、栗
好きな国/オーストラリア

オーストラリアと日本を比較することで、 社会問題を考えるきっかけを与えたい。

研究テーマは「オーストラリアの現代政治」

2016年に施行された改正公職選挙法によって、選挙権が18歳以上に引き下げられました。18歳になれば、高校生でも選挙で投票ができるのは、皆さんもご存じですよね? ただ、10代の若者の投票率は極めて低いのが実状です。どうすれば、若者たちは政治に関心を持つのでしょう。そのヒントは、オーストラリアの選挙制度にあるかもしれません。
私の専門は、オーストラリアの現代政治です。選挙制度、議会制度、政党制度などが主な研究対象で、最近はジェンダーと政治についての研究が多くなっています。オーストラリアの選挙制度で注目すべきなのは、18歳以上の全国民に投票が義務づけられていることです。投票しないと、なんと罰金を取られます。この効果もあり、オーストラリアの選挙の投票率は軒並み90%を超えています。投票しないと罰金ならば、嫌でも各候補の政策に目を向けますよね。日本でもこの制度を取り入れるべきかもしれません。また、日本では被選挙権が25歳以上なのに対し、オーストラリアでは18歳以上です。つまり、18歳から選挙に立候補できます。これも政治に関心を持つきっかけになるでしょう。
一方、「ジェンダー」の側面から見ると、オーストラリアの女性議員の比率は、日本と比較してかなり高くなっています。IPU(列国議会同盟)という国際機関による2021年4月時点の調査で、日本の女性議員割合の順位は、191カ国中166位。具体的には、衆院議員9.9%、参院議員23.0%でした。これに対し、オーストラリアでは、下院で31.1%、上院で51.3%を女性議員が占めています。この違いはどこから来るのでしょう。どのような女性登用制度があるのか、どのようなケアがあるのかなど、見習うべき点がありそうです。

社会人になってからオーストラリア留学を経験

私がオーストラリアの政治に関心を持ったのは、社会人になった後でした。大学の商学部を卒業後、一般企業で働いていたところ、ある大学から声がかかり国際系の大学院に通うことになります。そこで修士論文の資料収集のため、オーストラリアを3カ月ほど訪れ、人生が大きく変わりました。私は結局、当時働いていた企業を復職後3年で退職し、オーストラリアの大学院に改めて入学し、そのまま7年間余りオーストラリアに滞在しました。その間、日本大使館で調査員をしていたこともあります。オーストラリアでは、主に中道左派の小政党について研究するとともにオーストラリア政治・社会全般に目を配っていました。オーストラリアの政治を研究している日本人研究者は少数だったので、論文のオリジナリティを評価してもらうことができました。
現在担当する「国際地域論」の授業では、長年研究してきたオーストラリアの政治・社会に関する話題をベースに、日本の社会課題に目を向けるきっかけを提供しています。また、「異文化間コミュニケーション」の授業では、オーストラリアを主な題材に、多文化主義社会や先住民族との関係性などについて学んでいきたいと思っています。

物事を多面的に見る視点を身につけてほしい

担当する授業を通して、学生の皆さんに身につけてほしいのは、物事を多面的に見る視点と相手の立場になって考える姿勢です。長らく単一民族社会と考えられていた日本は、多様性を受け入れる社会を構築する上で、まだまだ多くの課題を抱えています。先住民との共存やLGBTIQの人々への理解などの点で、オーストラリアの先進的な社会制度から学べる点は多いと思います。政治だけでなく、文化などの面も含め、オーストラリアと日本を比較することで、身の回りの問題について考える機会を持ってほしいと思います。
今は政治学者をしている私ですが、大学時代はオーストラリアどころか海外にもあまり関心がありませんでした。皆さんの中にも本当は別の学部・学科を志望していた……という人もいるでしょう。しかし、人生どこでどうなるかわからないものです。今取り組んでいる学びが必ず将来につながると信じて、全力をつくしてほしいと思います。

杉田弘也ゼミナール

地域研究

私はオーストラリアを専門とする政治学者ですが、本演習ではオーストラリアや政治学に限定せず、それぞれの学生が一つの国ないし地域を選び、テーマを定めて考察し分析します。 私は、みなさんがこれまで身につけてきた知識をベースに、一つの事象について多様 な見方・考え方があることを理解し、既存の考えを批判的に検証するとともに他者に 身を置いて考えることができるようになることが、大学における教育の目的だと考えています。地域研究は、対象とする国・地域への知識を深め、その知識と理解を通じて異なった人々・社会・文化への理解を深め、他者の目を通して自分が所属する国や社会を見ることで自国への新たな視点を見出すことによって、この目的を実現するための重要な役割を果たします。

Photos

  • オーストラリア政治風刺画コレクション。オーストラリアといえば自然景観や動物を連想すると思いますが、政治風刺画の宝庫で私はNational Treasuresと呼んでいます。何人かの親交のある風刺画家からいただいたオリジナルや限定版の作品です

  • ジョン・ダワー著『War without Mercy』。会社から入社4年目に派遣された国際大学で入江昭先生の「アメリカ外交史」の集中講義で読んだ本。この本から感銘と衝撃を受け、研究者の道に進むことを決めました。私の人生を変えた本です

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