Suzuki Koutaku
鈴木 耕拓 准教授
Profile
出生地/北海道旭川市
休日の過ごし方/子どもと一緒に遊んでいます。
イオンビームで次世代電池の性能向上をめざす。
研究や開発が活発化する「全固体電池」や「燃料電池」の実用化へ
スマートフォンやパソコンなどの電子機器には、リチウムイオン電池が搭載されています。その次世代の技術として実用化が期待されているのが「全固体電池」です。現在のリチウムイオン電池は、リチウムイオンが電解液の正極と負極を移動することによって、充電と放電を繰り返しています。この電解液を固体へ置き換えたものが全固体電池です。全固体電池が期待される理由は大きく分けて、液漏れや発火などのリスクの低下、そして製造しやすいことによる生産コストの低減です。
またクリーンエネルギーとして期待される水素を利用した燃料電池は、さらなる高エネルギー効率が見込まれます。しかし、これら次世代電池の実用化に向けた課題は少なくありません。例えば、固体電解質は液体に比べるとリチウムイオンの伝導度は低いといったデメリットがあります。さらに、これら電池のキャリアであるリチウムや水素は、それ自体の分析が非常に難しいのが現状です。
現在の私の研究テーマは、大きく二つあります。一つはリチウムや水素の挙動をイオンビームにより観測する技術を開発することです。イオンビームを利用するとリチウムや水素等の軽元素を定量的に分析できるため、電池性能を評価することが可能です。もう一つは、イオンビームを利用した材料改質(物性変化や特性付与)により、電池性能の向上をめざすことです。
物理学で日常生活に起こる現象を紐解く
理学部の講義では物理学の基礎となる「力学」や「物理学実験」などの科目を担当しています。「力学」は物理学のベースとなる学問です。講義では日常的なテーマを取り上げながら進めています。例えば、バドミントンの試合をイメージしてみてください。プロ選手がスマッシュを打つ時の初速は時速数百キロと言われていますが、空気抵抗により相手にシャトルが届く時には打ち返すことのできるスピードまで減速していきます。簡単なモデルの運動方程式を立て解くことにより、シャトル速度の時間変化を計算することができます。モデル化して方程式を解くことは、物理学の一つの考え方です。例えば、シャトルの形を正確に記述しようと思えば、非常に複雑な形になってしまいますが、実験結果を再現できる単純な形を想定すれば手計算で解けます。力学ではそのような考え方ができることを目指しています。
また物理学実験では、現代の技術につながる様々なテーマを経験できるようプログラムしています。実験の面白いところは、理論通りに結果が出ると思いきや、予期しない結果が起きることがあります。その要因について様々な仮説を立て検証していくことで理解することを試みます。さらに実験テーマについてプレゼンテーションする機会があり、わかりやすく説明する訓練になります。ある意味、物理学実験は総合力が問われ、培った経験は将来に活きるだろうと感じています。
大学では、研究だけでなくアルバイトやサークル活動などを通して、さまざまな経験をし、いろいろな人と出会うことができます。ひとつひとつの機会を大切にし、多様な考え方に触れ、柔軟な発想を育み、他人を尊重する、これらは今後の人生にもきっと役立ちます。私自身も皆さんの将来の糧となるような学びを、一緒につくっていければと思っています。
実験物理(凝縮系物理、放射線計測)
一緒にどのような物理があるか考えましょう
加速器からのイオンビームを利用して、リチウムや水素等の元素を分析する技術開発や、リチウムイオン電池や水素製造が可能なセラミックスの特性を改質させる研究を行っています。他にも放射線・宇宙・原子核といった分野の研究も行っています。国際シンポジウムの開催にも関わり、海外研究者との交流や連携を図っています。
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