James Welker

ジェームズ ウェルカー 教授

所属
国際日本学部
国際文化交流学科
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専門分野

日本近現代史、ジェンダー・セクシュアリティ・スタディーズ(ジェンダー論)

キーワード

Profile

戦後・現代日本文化において、ジェンダーとセクシュアリティは個々人にどのような影響を与えてきたのでしょうか。また逆に、性的マイノリティや女性は、個人または共同体として、どのように日本の文化・社会を変容させてきたのでしょうか。皆でこのテーマについて調べ、議論しましょう。

出身地/アメリカ・オハイオ州
血液型/O型(自分の性格には合ってませんが)
子供の頃の夢/温室を持ち観葉植物を売ること、または園芸家になること
趣味/海外旅行
休日の過ごし方/おいしいレストランを探す
尊敬する人/エリザベス・ウォーレン(マサチューセッツ州代表の上院議員)
愛読書/『不滅』(ミラン・クンデラ作)、『ビラヴド(愛されし者)』(トニ・モリスン作)、『櫻の園』(吉田秋生)
好きな映画/period films(時代劇)
好きなTV番組/「Bob's Burgers」(アメリカ)
好きな食べ物/刺身、天ぷら
好きな飲み物/クラフトビール

積極的に国際交流を楽しめるように “英語で日本の文化を勉強”しませんか?

ひとつの道に固執せず、さまざまなことにチャレンジ

私はアメリカの五大湖のひとつ、エリー湖の南にあるオハイオ州で生まれ育ちました。地元の大学で経営学を学び、英語教育法の修士課程を修めましたが、もともと外国語に興味があり、フランス語やドイツ語も勉強しました。そして1994年に、日本の地方公共団体が政府や財団法人の協力のもとで実施している「JETプログラム(The Japan Exchange and Teaching Programme)」に参加し、初めて来日しました。JETプログラムとは、各国から招かれた講師が、小・中学校、高等学校で外国語の学習指導や文化交流促進などを行う事業です。赴任したのは三重県で、JETプログラム終了後は、名古屋市の英語専門学校や大学で英語の講師を務めました。
日本で暮らすうちに日本の文化に興味をもち、イギリスの大学院の通信教育で日本の文学や社会学など日本文化について広く勉強しました。そしてもっと深く学びたいという思いから2005年にアメリカに戻り、イリノイ大学の博士課程で研究を続けました。修了後はカナダのブリティッシュコロンビア大学でポスドクを務め、2013年に神奈川大学に赴任し現在に至ります。
初めから日本文化に強い関心があったわけではありませんが、ひとつの道に固執せず、いろいろな場所でさまざまな経験を積んだことで、自分の専門の道を見つけることができたと思います。皆さんもぜひ、若いうちに多くのことにチャレンジしてください。

日本のジェンダーやセクシュアリティの研究

現在は主に、1970~80年代を中心に、日本のジェンダーやセクシュアリティについて研究しています。1970年初頭のアメリカや日本で起こったウーマンリブ運動やレズビアン・コミュニティに関する資料や、マンガ家萩尾望都・竹宮惠子の作品を始めとした、少年愛を描いたコミックなどを研究材料としています。着目しているのは、海外から本や映画などを通して日本に入ってきたさまざまなアイデアやイメージが、日本でどのように変化しているか、といった点です。もう少し詳しくいえば、日本語の“変化”という言葉だけでは少し足りず、“変更”“変貌”“変容”といった意味を含んだ、英語の“transfiguration(トランスフィギュレーション)”という言葉で表現される、海外文化の受け入れ方や影響について考察しています。
たとえば、ウーマンリブの活動を行っていたウルフの会による『女から女たちへ』(1971年)という本があります。これはアメリカで出版された原書をもとに、その内容を日本の女性たちにどのように伝えるべきか熟考し、トランスフィギュレーションされたものですが、これらを比較したり、その制作背景を探ることで、当時の日本社会のジェンダーに関する考え方や捉え方がみえてきます。ほかにも「ボーイズラブ」という言葉の始まりは、稲垣足穂の書いた『少年愛の美学』であったり、「レズビアン」の語源は「レスボス島」で、日本では始め「ズ」と濁らず「レスビアン」と発音していたことなど、言葉の語源や表現の変化なども詳しく調べていくと、大変興味深いことがわかります。

自分の国の文化とその変遷を知ることが大事

担当講義のひとつである「国際日本文化論(文化)」では、英語で現代の日本の文化について講義しています。スポーツ、漫画、アニメ、映画、音楽、レジャー、教育、ジェンダーなどさまざまなトピックを取り上げますが、いずれも現在のことだけではなく、どのような変遷を経て今の文化があるかを知ってもらいたいと考えています。また、「国際文化論」では“海外における日本の文化”をテーマに、漫画とアニメ、日本食、J-POP、“ワビサビ”から“カワイイ”で表現されるようになった日本の美学、といったテーマを取り上げ、講義やグループディスカッションを行っています。
前者の講義では特に、日本の文化を英語で学ぶことによって、学生の皆さんがもっと積極的に国際交流を楽しめるようになってくれたら、と考えていますが、まず大事なのは日本の文化とその変遷を知ることです。たとえ日常英会話が上達しても、自分の国の文化を紹介できなければ、真の国際交流は始まりません。ぜひ、私と一緒にさまざまな視点から日本の文化を勉強しましょう!

Photos

  • 少年愛を描いた代表作『風と木の詩』をはじめ、数多くの作品を生んだ少女マンガ家・竹宮惠子の後援会の機関誌(1976~1978年発行)。1970~80年代の日本文化研究のための貴重な資料

  • 日本の地方の陶器が好きで、ときどき陶器市場などに出かける。陶芸作家の方に話を聞いたりしながら、気に入ったものを見つけて買い集めている。お酒の徳利にドレッシングを入れたり、自分なりの使い方を考えるのも楽しい

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