Pullattu Abraham George
プラット アブラハム ジョージ 特任教授
Profile
21世紀の世界の流れを操るはずのアジアの国々の市民たちはお互いに持っている誤った先入観を捨てて、平和と信頼に基づく共存共栄の世界作りに取り組むべき時が到来しました。皆で頑張ろう、異文化理解を深めながら!
出身地/インド ケーララ州
愛読書/宮沢賢治の作品
宮沢賢治の「非暴力の精神」「共存・共栄の宇宙観」を世界へ!
宮沢賢治、石川啄木の代表作を翻訳してインドで出版
宮沢賢治の作品に顕現されている「非暴力の精神」「自己犠牲・自己否定の概念」「隣人愛と皆の幸せの考え」「共存・共栄の宇宙観」などを中心に、2000年頃から研究を積み重ねてきました。さらに、宮沢賢治作品を母語であるマラヤーラム語、およびインド英語への翻訳・出版も頻繁に行ってきました。現在も宮沢賢治の心像スケッチである『春と修羅』の詩のマラヤーラム語訳を試みています。また、石川啄木の『一握の砂』と『悲しき玩具』のマラヤーラム語訳、研究論文の執筆・刊行なども行っています。
私は、1977年にニューデリーのネルー大学に入学し、日本語を学び始めました。その後、国の奨学金を得て大学院に進み、日本語だけでなく、日本文学や日本文化史も学んでいきます。そして、1983年から自動車メーカー・スズキのインド合弁会社に就職して、技術翻訳を手がけた後、1987年に日本の文部省(当時)の奨学金を得て、早稲田大学に留学し、日本文学を本格的に研究しました。1996年に研究成果を論文にまとめ、ネール大学の博士号を取得しました。1989年に日本から帰国して1990年にネール大学の日本語学科の教員となり、2024年まで教授職を続けました。その間、3年に1回ほど日本を訪れ、日本文学や文化に関するさまざまな研究活動を行ってきました。2012年には、京都の法蔵館という出版社から『宮澤賢治の深層:宗教からの照射』という書籍を出版。2024年には、これまでの日本文学研究の取り組みに対し、内閣府から旭日中綬章をいただくことができました。
異文化理解が、国際的に交流する能力を備えてくれる
国際日本学部では、複数の授業を担当しています。「世界の中の日本」では、古代から現代までの日印関係を時代別に詳しく紹介しています。また、「国際日本文化論」では、日本文化の海外への普及における日本文学の役割について、翻訳論を踏まえながら英語で講義しています。「国際宗教論」ではインド発祥の4つの宗教(ヒンドゥー教、ジャイナ教、仏教、シク教)を紹介しながら、世界の平和や発展のために宗教が果たす役割、宗教間の紛争・対立が当事者に与えている苦しみなどについて講義しています。
異文化理解を深めることによって、国家間や民族間の関係をよりよいレベルへ引き上げることができます。現在、世界に起こっている紛争や戦争はすべて、お互いを理解し、尊敬し合えていないことに起因していると思います。国籍や人種、民族、宗教、言語が違っていても人間は基本的に同じです。より多くの国々の文化、文学、宗教などを学び、そこから獲得する知識は、国際的に交流する能力を備えてくれると信じています。
私の授業を受けている学生の中には、インドに興味を持ち、実際に訪問したいという人も増えています。グローバル化の時代において、南アジアへの理解を深めることは非常に重要だと思います。インドでは日本のアニメや漫画が人気を集めており、それをきっかけに日本語を学ぶ若者も増えています。すでに日本では多くのインド人エンジニアが働いており、インドから日本への観光客も増加傾向にあります。将来的に日印関係はさらに強化されていくでしょう。私の授業をきっかけにインドだけでなく、さまざまな異文化に触れ、国際理解を深めていってほしいと思います。
「近現代文学に潜む宗教的・社会的・政治的思想とその普遍性」
宮沢賢治、石川啄木などの文学作品を今までと違う角度・視野で研究分析して、新たな次元を切り開くこと
本ゼミナールの演習項目として宮沢賢治を始め、石川啄木、島崎藤村、芥川龍之介、川端康成、遠藤周作等の作品を中心に、文学作品に潜んでいる宗教的シンクレティズム、多宗教思想、社会における階級制度や人種差別、男女差別、人間感情の普遍性、生き物の共存共栄の概念、トラディションとモダニズムの対立などをテーマに研究を進めていきます。
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