Voyau Elise

ヴォワイヨ エリーズ 助教

所属
国際日本学部
国際文化交流学科
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専門分野

写真史、現代美術史

キーワード

Profile

出身地/フランス
子供の頃の夢/『Jurassic Park』を観て古生物学者になりたかったです
趣味/フリーマーケット、古着屋、ネットで古いものを見つけること
休日の過ごし方/おいしいものを食べたり、美術館に行ったり、友達と会ったり、映画を観たりします
好きな映画/アニエス・ヴァルダの『Documenteur』
好きな食べ物/パンとチーズ

1960〜70年代の写真から見える当時の日本のカルチャーを解き明かす。

深瀬昌久、森山大道といった写真家の作品を研究

私はもともとフランスのエコール・デュ・ルーブルで現代美術史を研究していました。なかでも写真史に興味があり、現在は、1960年代から70年代の日本の写真に焦点を当てて研究をしています。私がこの時代に特に興味を持っているのは、メディアや映像技術の発展だけでなく、学生運動や激しい政治論争があった時代だからです。

日本に興味を持ったきっかけは、マンガとアニメです。それもあって、大学院時代に交換留学で日本を訪れ、そこから日本をもっと知りたいと思うようになりました。もともと美術史を研究するなかで、写真にも興味があったので、自然に日本の写真家たちを調べるようになりました。

研究対象は、東松照明、森山大道、深瀬昌久、荒木経惟、細江英公、横須賀功光といった写真家たちです。彼らは、1974年から76年にかけて東京に存在したWORKSHOP写真学校で、それぞれが週1回、寺子屋形式で写真教室が開講していました。私は当時の写真を見て、この時代の日本の写真家たちに興味を持ちました。

1970年代は、「政治の季節」と呼ばれた60年代の学生運動が終わった後、写真が現代アートの作品として販売されるようになった時期にあたります。こうした動きに対して、WORKSHOP写真学校では写真やアートの定義を問い直すような活動が行われていました。

今日では、写真が美術館やギャラリーで展示されるのは当然のことのように考えられていますが、そうした見せ方や流通のあり方には、歴史的かつ政治的な文脈が存在していることがしばしば忘れられています。私はこの時代の資料をもとに、60年代から70年代の日本では写真がいかなるメディアとして考えられていたか、また当時の写真家たちの思考が現代のテクノロジーとどのようにして響き合うかを明らかにしたいと思っています。

大切なのは「いつもと違う視点から世界を見ること」

現在は、国際日本学部で、英語を用いて日本の歴史や文化を教える授業を担当しています。主な対象は留学生です。私は「イメージ」が好きなので、担当する授業では、当時の映像をたくさん見せるようにしています。映像を見ながら、日本社会のさまざまな側面について学生と議論し、イメージをどのように読み解くか、その背景について考えます。

授業は戦後からスタートし、2000年代までを振り返ります。アメリカとの関係を中心に、世界における「日本」を見つめていきます。日本人の学生に、英語で日本の歴史を教えるケースもあります。高度経済成長から学生運動、バブル時代へ……という流れを別の視点から学ぶいい機会になると思っています。

授業を通して、学生たちに伝えたいのは、「自由に生きてほしい」ということです。興味を持つことを勉強し続けたり、好きなことをすることが大事です。私の授業では、終わった後に自分の考えや質問を感想として書いてくれますが、その場で意見を出すことも大事です。しっかり考えを持った学生たちがいるので、その声をもっと聞きたいですね。

また、学生時代にぜひやってほしいのは海外で生活する経験です。私も日本への留学で人生が大きく変わりました。自分の世界から抜け出して、何かを見ることは、人生において貴重な機会です。自分の目の前にはもっと広い世界があることを知り、別の自分を見つけることもできます。国はどこでもいいので、すべての学生に勧めたいです。そして、就職活動においてもそうした海外経験を通じて、自分にはたくさんの選択肢があることを知ってほしいと思います。

Photos

  • 早稲田大学に留学したとき、所属していたゼミの先生からもらった写真。写っているみなさんがとにかく楽しそうです。大学で勉強するのも良いですが、友達と一緒に楽しい時間を過ごすのも大事です

  • 古い写真・美術・デザインの雑誌を集めるのが好きです

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