Hatta Naoki
八田 直紀 准教授
Profile
趣味/スキー、ロードバイク、テニス
休日の過ごし方/散歩
好きな映画/LIFE!/ライフ(The Secret Life of Walter Mitty)
好きな食べ物/ネギトロ
スポーツ経験を、大学生アスリートの成長とウェルビーイングにつなげる。
スポーツは運動能力以外の成長も促してくれる
スポーツによって育まれるのは、運動能力だけではありません。規則正しい生活やスケジュール管理能力、コミュニケーション能力、継続力、困難に立ち向かう力など、日々の習慣を通じて社会で活躍するための多様なスキルが培われています。にもかかわらず、多くの大学生アスリートたちが社会に出るタイミングで、「自分はスポーツしかやってこなかった」と思い悩んでしまう状況があります。こうした心理的課題を予防するとともに、ウェルビーイングを促進するため、私は身体活動や心理教育を活用した介入プログラムの開発と実践、そして評価に取り組んでいます。
スポーツ分野における心理学の活用と聞くと、競技パフォーマンスの向上をめざしたものをイメージする人が多いかもしれません。しかし私の場合、心理的な不調を未然に防いだり、スポーツを通じてより良く生きるためのサポートを提供したりするアプローチを重視しながら研究を続けてきました。具体的には、大学生アスリートを対象とした「社会性と情動の学習(SEL)プログラム」を開発。このSELプログラムは、自分の目指す大学生アスリート像や自らの価値観を明確にするワークなどで構成され、短期・長期的な視点から大学生アスリートのウェルビーイングを支援します。また、運動能力以外の部分における成長を認識することで、自然に身につけていた大学生アスリートならではの強みを自覚してもらう効果も期待できます。このような研究が貢献できる対象は、大学生アスリートのみに留まりません。学校、職場、地域などの多様な文脈において、人々のウェルビーイングに貢献する予防的・促進的アプローチの構築に取り組んでいます。
私が研究に取り組むなかでやりがいを感じるのは、開発したSELプログラムが誰かの役に立ったことを、データや生の声で確認できた瞬間です。スポーツの世界は厳しく、プロのアスリートとして活躍できるのはほんのひと握りです。それでも、スポーツに取り組んできた経験を活かし、充実した人生を歩んでいくことができます。ウェルビーイングは長期的な視点で捉える必要があると考えていますので、今後もプログラムに参加した卒業生などから、充実した日々を過ごしているという声が聞けることを楽しみにしています。
ニュージーランドでの経験が研究のきっかけに
子どもの頃から運動が好きで、様々なスポーツに取り組んできました。スポーツに関わる仕事をしたいと考えたことが、人間科学の道を選んだきっかけです。大学に入ってからはテニスコーチのアルバイトを始め、人に何かを教えることに面白さを感じていました。そんななか、ニュージーランドのサッカースクールで1年間のインターンシップを経験。現地では、サッカーコーチが様々な小学校を訪れて指導を行っていました。衝撃的だったのは、サッカーの技術のみならず、それを通じてより良く生きるための価値観(ライフスキル)を伝えていたことです。例えば、「試合中にピンチのチームメイトをサポートするのと同じように、日常生活で困っている人がいれば助けに行きましょう」と教えていました。サッカーをそのように活用していることに感銘を受け、日常生活やウェルビーイングの向上にスポーツを役立てる現在の研究を始めようと考えました。
大学で教える立場になった現在は、主にスポーツ心理学や探究学修に関する授業・ゼミを担当しています。授業で意識しているのは、スポーツに関心のある学生はもちろん、経験のない学生にとっても、学んだことを様々な場面で役立てられるように、知識の応用可能性について問いかけ、考えさせることです。授業で学んだことを、学生が実生活に取り入れることを促すような授業をめざしています。
学生には自分の頭で考え、必要な情報を取捨選択し、自分の進みたい道を自ら判断できる人になってもらいたいです。そのためにも、自分にとってのウェルビーイングとは何かを考えようとすることは非常に重要です。自分が関心を持ったことにとことん向き合うことは、楽なことばかりではないかもしれません。しかし、迷いや失敗も含めて、ウェルビーイングにたどり着こうとするプロセスそのものに価値があると思っています。たとえ思うようにいかなかったとしても、自分の強みや価値観、将来につながる何かが見えてくるはずです。努力する対象はどんなことでもいいと思いますので、勇気を出して挑戦してほしいと思います。
八田直紀ゼミナール
スポーツ経験を、人の成長とウェルビーイングにつなげる
ゼミでは、「スポーツを私たちの健康や充実感といったウェルビーイングにつなげるにはどうしたらよいか」という視点から研究に取り組んでいます。競技スポーツ場面における心の働きや指導者に関する心理など、スポーツやアスリートに関するテーマはもちろんですが、スポーツに限らず、人が将来的に不調に陥ることを防いだり、よりよい状態で生活したりするための心理学的な研究にも関心を持っています。学生一人ひとりの関心やチャレンジを大切にし、ゼミでの学びを皆さん自身の成長やウェルビーイングにつなげてほしいと考えています。
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