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Momose Yumiko
百瀬 容美子 教授
臨床心理士
Profile
出身地/千葉県
子供の頃の夢/オリンピック選手
尊敬する人/真摯に向き合っている人
趣味/水泳、散歩、グルメ、温泉、美術館、観劇、神社仏閣巡り、海外巡り
好きな食べ物/野菜,寿司,ステーキ
身体動作に着目した心理支援で、人々の自己実現をサポートする。
スポーツから日常生活まで応用可能な「イメージトレーニング」
「心と身体はつながっている」という言葉を耳にしたことはありませんか? 実際にちょっとした身体動作に意識を向けてみるだけでも、「気を遣って萎縮しているな」「防御しようと構えているな」といった心身状態への気づきがあるものです。このような身体動作に着目した心理支援や教育支援が、私の研究テーマです。人格の成長や心身の健康増進、自己実現をめざし、身体動作を活用した支援を行っています。なかでも力を入れているのが、イメージトレーニングの指導とそれを応用した心理支援です。研究では、動作支援の前後で対象者の動きや心理状態を測定し、その効果検証まで行います。
支援対象者は特に限定していませんが、過去にはこの心理支援法をスポーツ選手やパラリンピアン、視覚障害者にも実践・提供してきました。先天全盲者がブラインドサッカーをする際の、イメージトレーニングによる身体パフォーマンス向上に関する研究にも取り組んでいます。
私は子どもの頃にオリンピック選手になると思い込んで泳ぎはじめ、オリンピックは程遠いとわかってからもひたすら水泳に打ち込む小中高・大学生時代を過ごしていました。そして大学院進学の際に「アスリートではなく指導やサポートに回りたい」と考え、イメージトレーニングの研究を始めたという経緯があります。イメージトレーニングはスポーツ領域だけでなく、日常生活におけるパフォーマンス向上にも応用が可能です。それはつまり、アスリートに限らずさまざまな人の自己実現をサポートできるということでもあります。そんな実用性の高い臨床心理技法を提供していきたいという思いで、この研究を続けています。
どんな経験も自分の引き出しになる。素直にコツコツ学び続けてもらいたい。
研究を通して実現したいのは、誰もが自分らしく生きられるインクルーシブ社会です。性別や国籍、障害の有無、得意不得意にかかわらず、それぞれが認め合い自己実現をしていく。そんな社会をめざす上でのヒントとなるものが、私の研究には確かにあると思うのです。例えば、音が鳴るボールを使用するブラインドサッカーなら先天全盲の方々も一緒にスポーツを楽しめるように、少しの工夫や助け合いで、できることを増やせるのだと実感してきました。この視点は、自分の可能性を信じ広げることにもつながるはずです。身体動作に着目した自己理解と対人援助によって、みんなができることを少しでも増やしていけたらうれしいですね。
授業では臨床心理や教育、福祉の現場に直結する知識や技法を伝えるだけでなく、心と身体のつながりを実感したり、こころと動作を自分でコントロールする力を高めるための気づきを得る場になればと思っています。学生の皆さんには、授業での学びを日常生活にうまく活用して、自由に思い切り自分らしく羽ばたいていってほしいです。
すぐに結果が出ないことや上手くいかずにもがくこともあるかもしれませんが、素直にコツコツと学び続けていくことを大事にしてください。人のこころと行動を理解して援助しようとする臨床心理学や教育学を勉強するなら、どんなに辛い経験も自分の引き出しになることが強みです。どんな経験もクライアントに対する共感や理解につながると、私の恩師にあたる先生から教わりました。楽しいこと、つまらないこと、すべての経験の積み重ねがあってこそ、いつか花が開くのだと思います。自分で限界を決めずに、あなたらしい花が咲くよう種まきを続けていってくださいね。
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臨床心理学と教育学からこころを理解し、個々に合ったアプローチ法を開発する
心と身体のつながりを知り、創意工夫して、できることを増やそう!
教育場面や日常生活場面で、イメージトレーニングのような臨床心理技法と教育法を取り入れてみると、気づきの発見、心理的安定、やる気やパフォーマンス向上など多面的な効果が確認されます。それはつまり、現場での学習効果をより拡大することができるということ。人の持つ可能性は多大にあるのです。より幅広くニーズがある方々への貢献を目指して、研究を進めていきます。
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