Sakurakoji Takefumi

櫻小路 岳文 准教授

臨床心理士

所属
人間科学部
人間科学科
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専門分野

臨床精神医学、臨床心理学

キーワード

Profile

出身地/岩手県
生年/1968年
家族構成/妻、長男、長女の4人家族
子供の頃の夢/マンガ家
尊敬する人/上杉鷹山公
愛読書/大学生の頃は、小林秀雄『Xへの手紙』、竹田青嗣『現象学入門』、C.G.ユング『ヨブへの答え』など夢中で読んだ記憶があります。最近は諫山創『進撃の巨人』、吾峠呼世晴『鬼滅の刃』です
趣味/講義のスライド作り
休日の過ごし方/家で家族とのらりくらり
好きな音楽/X JAPAN バラードの旋律が不思議と心に残ります
好きなTV番組/『プレバト!! 』の俳句のお直しコーナーは、言葉の使い方一つでこんなにも違うものかと感心させられます。あとは一昔前の正月時代劇の渡辺謙主演『壬生義士伝』。主人公・吉村貫一郎と同郷なのです。
好きな映画/ウィレム・デフォー主演『最後の誘惑』、レオナルド・ディカプリオ主演『タイタニック』
好きな著名人/矢沢永吉
好きな国/日本

人と違っていても、本気でやりたいのなら確信を持って臨む。 必要な時には、柔軟に軌道修正する勇気と決断力を持っていてほしい。

カウンセラーが必要なくなることがゴール

私は精神科医師として、総合病院や精神科病院、メンタルクリニック、大学の学生相談室、企業など、さまざまな場所で働いてきました。年齢も職業も何もかも、本当にいろいろな方に出会いました。お世話になった先生から教わった「精神科の本質は、人助けだ」という言葉がとても印象的で、それからはこの教えを忘れないよう心掛けてクライアントと向き合っています。日頃から、クライアントに変化をもたらす要因と、そのために必要とされる技法について、そしてセラピストに求められる姿勢とは何かという問いに興味を持っています。人の役に立つ心理療法はどの要素を持つからなのか、学んできた治療理論は正しいのかと疑い、自分にどんな手助けができ、そして判断を間違っていないのか、何か見落としをしていないか……。そんなふうに、いつも自問自答しています。たとえ同じ症状に見えたとしても、心の中の状態が同じ人はいません。今、目の前にいる人が何を必要としてどんな言葉を欲しているか、それをうまく伝えられたのか、ちゃんと届いたのだろうか、効果のある働きかけができたのだろうか、とあれこれ考えながらクライアントと接しています。
カウンセリングのゴールは、「カウンセラーが必要なくなること」だと思っています。クライアントが心に抱えている問題を一緒に考えて、自分で解決できたという体験を持って、送り出してあげること。そして、もうお会いしなくても大丈夫でいられることが一番なのです。

漫画やアニメを通じて精神医学の世界を覗く

本学では、医師としての経験と視点を通して講義することが私の役割だと思います。特に、公認心理師資格取得のための必修カリキュラムとして担当した講義は、習得すべき専門知識と技法、医師の視点から望まれる公認心理師の姿勢と働き方を学び取ってもらえると良いと思います。
ただ、専門知識を伝えるだけでなく、「心の健康にとって大切なことは何だろうか」という問いを掲げながら、より良く生きるためのヒントを少しでも伝えたいですね。心の健康とは、今の自分に満足し、自分を肯定できているということです。この自己肯定感を高めるために何ができるのか、講義を通して一緒に考えていきましょう。
講義の合間には、映画やアニメのキャラクターの話もします。主人公の多くは、みな過去に不遇な体験を背負っています。そしてそれを乗り越えて活躍している。つらい経験からどうやって立ち直ったのか、どうしてそこまで頑張ることができるのか……。フィクションですが、物語に自分の気持ちを映し出すように、さまざまな意味を読み取りましょう。彼らの生き方から学ぶことは多いです。学生の皆さんから、最近のおすすめ作品を聞くのも楽しみになっています。身近なテーマから精神医学に興味を持ってもらえたら、こんなにうれしいことはありません。皆さんの記憶に残るような話を少しでも届けられればと思っています。

つまらないと思ったら代替案を考えてみる

大きな声では言えませんが、私も大学時代は講義をずいぶんサボっていたこともあります。ですから皆さんにお説教ができる立場ではないのですが……1回の講義に対して、授業料はいくら支払われているのかは一度考えてみてもよいと思います。「お金を払って学ぶ」という立場にあることは、案外、贅沢なことなのです。「つまらないから講義に出たくない」というときは、代わりにその時間を使って何をしたいのかを考えてみてください。もし、人と違ったことをやるなら、自分はこれでいいのだと確信を持って臨んでほしい。たとえ「変わっている」とか「引きこもり」とか見られたとしても、今はこれが必要だと思って。ただし、確信を持って始めたことでも、あとあと必要となれば、柔軟に軌道修正する勇気と決断力を持ってください。そして「自分のやりたいこと」「自分ができること」「自分にやらせて貰えること」……この3つの循環の中で、いつか身を立て、そして自分に満足できる人になってほしいですね。

Photos

  • 母が編み物で作ってくれた男の子の人形と、妹が作ってくれた赤いタテガミのライオンを、今でも戸棚の奥にこっそり飾っています。高校を卒業して、生まれ育った家を離れた時から、いつも手元にあります。男の子の人形はどことなく寂し気な顔をしていて、決して上手な出来ではありませんよね。でも、「自分にしか分からない価値がある」と思うと、いっそう大切に想えるものです

  • 子どもたちが幼い頃に作った作品です。当の本人たちは覚えてもいないでしょうけれど、これも戸棚の奥にこっそりしまっています。中学の恩師が「親の心、子知らず」という言葉を卒業文集に残していました。当時は「子の心だって、親は知らないだろう」と心の中で言い返していましたが、今ならその言葉の意味がわかります

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