
Morita Asato
森田 麻登 助教
臨床心理士
Profile
出身地/静岡県浜松市
生年月日/1978年(昭和53年)11月17日
家族構成/妻、長女、次女
子供の頃の夢/シャーロック・ホームズ、研究者
尊敬する人/両親、恩師
趣味/バロック音楽鑑賞、ベンチプレス、サイクリング
休日の過ごし方/家族と昆虫採集、ジョギング
好きな音楽/バロック音楽、前古典派音楽
好きな映画/アマデウス、007シリーズ
好きな食べ物/ハーゲンダッツ、マカダミアチョコ、肉
好きな国/北欧(ノルウェー、スウェーデン)
心理学は科学(サイエンス)です。 仮説を実証していく中で、見えなかったものが見えてくる。
時間に支配されるのではなく、時間を使いこなす
心理学を用いて、「時間の感じ方」について研究しています。楽しい時間はあっという間に過ぎていくのに、退屈な時間はその何倍にも感じますね。同じ「1時間」でも、そこには感じ方の差があります。その差がなぜ、どのように生まれるのかを研究しています。
きっかけは、発達障害者支援センターに勤めていた頃、相談者から「うちの子どもは時間管理が苦手で困っている」という相談を受けたことでした。その時以来、「人間は時間をどのようにに捉えているのだろう」と考えるようになったのです。研究を進めていくと、「時間」を脳でどう処理しているのかが、人によって異なることがわかってきました。ただ、すべての人に共通する点もあります。例えば、時間管理が苦手な人には、デジタル時計でなくアナログ時計をおすすめしています。盤面を見れば、直感的にパッと時間がわかるからです。個人差もあれば、共通する点もあるというのが面白いですね。
時間を気にせずに生きられる人はいません。「時間に追われる」という言葉があるように、多くの人が時間に支配されていて、せわしない生活をしています。時間に支配されるのではなく、時間を使いこなすことができれば、もっと充実した毎日を送れるはずです。時間の研究を通じて、もっと生きやすい社会をつくれたらと思っています。
見えないものを見えるようにする面白さ
日本では心理学は文科系科目ですが、欧米では理科系の色彩が強いです。私も、心理学は科学(サイエンス)だと思っています。仮説を立て、実験を繰り返して検証していくという流れは科学そのものです。もちろん、心は一人ひとり違うものです。しかし、8割の人に共通する点があったり、人をいくつかのグループに分けることができたり、研究によって「大枠」を見つけ出すことはできます。大枠と個人、大きな視点と小さな視点の2つの角度から人を見つめると、新たな発見がいくつもあります。「そもそもなぜ人には個人差があるのか」という深い問いも生まれてきます。あなたはなぜだと思いますか?
また、「見えないものが見えるようになる」という面白さもあります。例えば、人の「攻撃性」を測りたいと思っても、目には見えません。そこで心理学では、見える化するための「物差し」をつくっていきます。「キレた回数」を数えるのか、「怒っている時間」を測るのか……。そうすることで少しずつ、見えないものが見えるようになっていくのです。
こうした「科学者としての視点」は、日常生活でも役に立ちます。先入観や噂、デマに振り回されず、冷静に情報を受け止めることができるようになるからです。情報があふれる時代を生きる上で、この視点はとても大切な力になります。誤った情報に踊らされず、本当に必要なことを見極めることができる人になってください。
「伝える」ための文章を
大学生のうちに、論理的な文章の書き方を学んでおきましょう。研究結果は、自分の主観を取り除いて、客観的に書く必要があります。また、知識がない人が読んでも、誰にでもわかるような伝え方にしなければなりません。最初は難しく感じるかもしれませんが、これは練習さえすれば身に付けることができます。そして、科学者でなくても、企業で仕事をする上で誰も必要な力です。
それから、なんといっても英語力が重要です。どんな専攻分野でも、英語だけは継続して学び続けてほしいです。大学では、「英語“を”学ぶ」というよりも、「英語“で”学ぶ」ことをしてほしいと思います。世界には日本語で書かれたものより、英語で書かれたものの方が圧倒的に多いです。どんなジャンルでもかまいません。自分の好きなことを英語で追求していけば、楽しみながら学ぶことができますよ。

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