Abe Kenichi

安部 賢一 特任教授

所属
人間科学部
人間科学科
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専門分野

学校教育、学校経営、教育行政

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Profile

出身地/山形県
血液型/A型
家族構成/妻と双子の娘、息子
子供の頃の夢/プロ野球選手
尊敬する人/Angela D. Merkel(政治家・物理学者)、緒方貞子(国際政治学者)、李仁夏(牧師)。仕事に向き合う姿勢と実行力に感銘し、尊敬する人はいっぱいいる
趣味/天体観測、ドイツの光学工業史研究
休日の過ごし方/ブログを書いたり、音楽を聴いたり、その時々にやりたいことして過ごします
好きなアーティスト/MISIA(1998年にデビューしたときからのファン)

教師の人間性に触れて児童生徒は自ら成長します。その成長を支える素敵な教師になってほしい。

これからの教師や学校について一緒に考えましょう。

本学に着任するまで、教職をはじめいろいろな仕事に携わってきました。社会人としてのスタートは民間企業でしたが、社会教育施設を経て27歳の時に公立学校の教員になりました。その後、海外の日本人学校や日本語補習授業校に派遣され、帰国後は、教育委員会事務局や区役所などにも勤務しました。

どんな世界も現場は理屈通りにいきません。学校や子育ても同じ。だからこそ面白いのでしょう。想定を超える出来事に日々遭遇し、地域で子どもたちの成長を支える多くの人たちに出会い、鍛えられました。

また、学校に戻ってからは、通級指導教室や相談指導学級、そして夜間学級を併設する学校の校長を務めました。前者は学校生活にうまく馴染めない生徒に安心して学べる環境を提供し、社会への適応や自立を支援します。

一方、後者は夜間中学とも呼ばれ、何らかの事情で義務教育を受けられなかった既卒者を対象に学びの場を提供します。中には90歳を超える生徒もおり、その世界は山田洋次監督作品の映画「学校」そのものです。学ぶことの意義と学校のあるべき姿を改めて考える良い機会になりました。

私自身、日本を離れたり、あるいは教育現場を離れたり戻ったりする中で、多くの気づきがありました。そして、学校教育をさまざまな立場や視点から俯瞰することができたことは自分にとって貴重な経験でした。

こうした実務経験から得た知見を学生の皆さんに伝え、これからの教師や学校の在り方を一緒に考えていくのが私の役割だと考えています。

ともに成長を分かち合えるのが教職の魅力。

担当する「教育課程論」は、学校教育のいわば設計図を考える授業です。その基盤となる学習指導要領の位置付け、変遷、社会における役割や機能、そして具体的な教育課程の編成や指導計画について学びます。また、教科・領域や学年を超えた教育課程全体を把握してマネジメントすることの意義や重要性について考えます。

公立学校はどこも同じだと思われがちですが、実はとても多様で、法的にも多くの権限が学校に委ねられています。授業づくりだけでなく、学校教育の構造や教育計画を具体的に検討し、学生の皆さんと魅力ある学校づくりについて考えたいと思います。

また、「教職論」は教師とは何者かについて考える授業です。教師の社会的役割、具体的な職務内容、関連した法律、現代の教育課題とその対応、学校組織や教員研修などについて学びます。

子どもたち一人ひとりの人格形成に関わると言う意味で、教職(教育職)は極めて特異な職業と言えます。近年、長時間にわたる勤務実態などから学校のブラック化が指摘される一方、多くの教師が仕事としてやりがいを感じているのもまた事実です。教育活動を通じて得られる達成感は何物にも代え難く、児童生徒や保護者と一緒に成長の喜びを分かち合えるのは教職ならではと言えるでしょう。

授業ではこうした教職の魅力を伝えながら、教師を目指す意欲を高め、その後の学修に発展的につなげてもらいたいと思います。

教育を通して子どもはみんな藍より青くなる。

“Education is that which remains, if one has forgotten everything he learned in school”(教育とは、学校で学んだことをすべて忘れてしまっても、残るものである。)これは、相対性理論で有名なアルバート・アインシュタインが、ある記念式典において述べた言葉です。

子どもは、誰かが成長させるのではなく、自分自身で成長するものです。学校教育において、その源泉は教師の人間性に触れることであり、影響は生涯にわたります。教え子が教師を超えて藍より青くなることができるのもそのためでしょう。

一方で、人物本位と言いながら、学歴や能力だけで優劣を判断する風潮は今も社会に根強く残っています。多くの子どもたちがこのような矛盾に漠然とした疑念や不安を抱いています。

学校にはこうした子どもたちが信頼を寄せる教師、是々非々で行動できるブレない教師が必要です。学生時代はその基盤となる人間性を培う絶好の機会だと思います。どんなことにもねばり強く取り組んで、教師力を養ってほしいと願っています。

Photos

  • 天文研究部に所属していた学生時代、自分たちの根城が欲しくて仲間と八ヶ岳の麓に天体観測所を建てました。ハレー彗星の接近もここで迎え撃ち、40年経った今も秘密基地として健在です。屋根を全開にして夜通し星を眺めたあと、高原を吹き抜ける冷たい風を感じながら、茜色に染まりゆく夜明けの空を眺めて飲むコーヒーは最高の一杯です

  • 中学校の教師だった時は、教壇に立った初日から学級通信を毎日書いていました。思春期で揺れる世代に、話ではうまく伝えられない自分の思いを伝える大切な手段でした。 学級担任を務めた13年間で書いた数は約2,800枚。教師としての実践記録でもあります。コピー機もパソコンも無かった時代の手書きの学級通信を見ると初心にかえることができます

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