Kobayashi Tsutomu

小林 力 特任教授

所属
人間科学部
人間科学科
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専門分野

体育科教育学

キーワード

Profile

生年/1958年
出身地/山梨県
家族構成/妻と子ども二人(子どもは二人とも独立しています)
子供の頃の夢/プロ野球選手
尊敬する人/30代の時に出会った先輩教師の方々(皆さん個性的でした)
愛読書/重松清さん、鷲田清一さんの本が好きです。
趣味/ラグビー観戦
休日の過ごし方/書類の整理とトイレそうじ
好きな映画/「世界の果ての通学路」(2014年公開のドキュメンタリー映画)
好きな食べ物/ミモレット(チーズ)

すべての子どもが一緒に運動・スポーツを楽しむ。 そんな授業づくりを目指す体育教師を育てたい。

運動・スポーツが苦手な子どもたちにも意欲を持たせる授業を

本学に着任する前は、公立学校の教師を30年以上務めていました。その後,教育委員会事務局に勤務し、所管している小・中・高、特別支援学校など,校種を問わず多くの学校を訪問して、特色ある教育活動や学校運営,そして優れた授業実践を観てきました。この経験を生かして,教師を目指す学生の皆さんを支援し育てることが、本学における私の役割だと思っています。
私が担当する「保健体育専門教養Ⅰ・Ⅱ」と「保健体育指導実践Ⅰ・Ⅱ」で、保健体育科の教師として必要な専門性と実践力を身に付けることを主なねらいとしています。そして,運動・スポーツが苦手な子どもたちが安心して精いっぱい体を動かし,楽しさや喜びを味わうことができる保健体育科の授業づくりに視点を当て,それに適した教材や指導法について学生の皆さんと一緒に考えるようにしています。

運動・スポーツへの興味関心や運動技能は、個人によって違いがありますから、他の人との比較や競争を中心とする授業では、運動が苦手な子どもは意欲的になれません。そのため、授業で扱う競技スポーツは,子どもたちの実態に応じて再構成する必要があります。例えば、陸上競技では,個々の走力によって異なった位置からスタートし,走者全員が8秒間でゴールすることを目指す短距離走や,身長と50m走のタイムから個々の目標記録を設定する走り高跳びの授業が実践されています。また,球技の授業でも,子どもたちと話し合いながら,オフィシャルなルールをみんなが楽しめるように加工・改変していく授業があります。このような授業を通して、すべての子どもたちが、自らの目標に向かって運動・スポーツに熱中することの素晴らしさや,自分たちに適したルールのもとで競技することの楽しさを実感できるようになるものと考えています。

いつの時代も,よりよい授業は教師の創意工夫によって生み出されます。教師の仕事は,とてもクリエイティブで魅力あるものだということを,学生の皆さんには伝えていきたいです。

子どもが、自分自身にどんな「まなざし」を向けているのかを知る

私が研究テーマの一つにしているのは、「子どもの自己評価能力を育てる保健体育科の授業」です。

改訂学習指導要領に基づくこれからの学習評価では,子どもたちが自らの学習を調整しようとする側面を「主体的に学習に取り組む態度」として評価することになりました。この自らの学習を調整する力は,子どもの「自己評価能力」と関連するものです。
私が自己評価能力を育てる授業の大切さを認識するようになったのは,一冊の本との出会いでした。『自己評価―「自己教育論」を超えて』(安彦忠彦:著)は、私が教師になって10年目に手にした思い出の一冊です。そこには「自己評価というのは、子どもが自分で目指した行動を、正しく実現するためにある」、「大事なことは,子どもたちが自分自身にどういうまなざしを向けているか。それを教師はしっかりみるべきだ」と書かれています。私はこの言葉に深く心を動かされ,それまでの学習評価に対する見方・考え方が一変しました。学習評価というと、「教師が子どもたちに対して行う行為」としてのみ捉えてしまいがちですが、それだけでは「子どもの成長につながらないのではないか」と考えるようになったのです。以来,子どもたちが自分自身に向ける「まなざし」に注目し,授業を通して一人一人の自己評価能力を育てるように努めてきました。

すべての経験は子どもに還る

私の学生生活は,まさに部活漬けでした。ラグビーに明け暮れ、4年間合宿所と大学を行き来する毎日でした。それはそれでよい思い出ですが、教師になってから自分の世界が狭いと感じることが度々ありました。そして,年齢を重ねるごとに「若い時にもっといろいろな経験をしておけばよかった」と思うようになりました。なぜなら教師の経験知の広さは、教えている子どもたちに還るからです。もちろん一つのことに打ち込むことも素晴らしいことですが、教師を目指す学生の皆さんには、いろいろなことに興味をもち、挑戦してみることをお勧めします。

小林力ゼミナール

学校教育と運動・スポーツ

本ゼミナールでは、学校で行われている運動・スポーツ指導を研究対象としています。具体的には、小学校から高等学校までの体育科・保健体育科の授業、体育的行事、運動部活動等の今日的課題を把握し、その対応策を検討することを通して、子どもたちにとって望ましい運動・スポーツ教育の姿を探っていきます。これからの学校教育においては、「共生の視点」を重視することが、より一層求められています。これは、運動・スポーツにおいても、体力や技能の程度、性別や障害の有無等にかかわらず、全ての子どもたちが共に活動し共に楽しむことを目指すものです。このような「共生の体育」を実現するための教材開発や指導法について、小林ゼミで研究してみませんか。

Photos

  • 大学時代に練習で着ていたラグビージャージ。残っているのは,これ一着だけ。当時は、芝生ではなく土のグラウンドだったので、白いジャージが茶色く染まってしまい、何度洗っても落ちません。これを見ると一緒に汗を流した仲間の顔が、土の匂いとともに記憶に蘇ってきます

  • 『自己評価―「自己教育論」を超えて』(安彦忠彦:著/日本図書文化協会)。著者の安彦先生は、本学の特別招聘教授を務めておられました。着任してすぐに先生の研究室を訪ねて「この本のファンです」とお伝えしました

  • 十数年前の勤務校では,保護者の皆さんや地域の方々にご協力いただき,校庭に芝生を植えました。数年前からは,その学校の環境ボランティアとして芝生の手入れをお手伝いさせていただいています。その際に活躍してくれるのが,優れモノの電動芝刈り機です。芝生の上で元気に走り回る子どもたちの姿を思い浮かべながら,このマシーンで芝を刈っています

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