Zhang Bin

張 斌 准教授

所属
工学部
機械工学科
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専門分野

知能ロボティクス、知能機械学・機械システム、ヒューマンインターフェース・インタラクション

キーワード

Profile

出身地/中国・河北省
子供の頃の夢/先生
尊敬する人/両親
愛読書/ロボットなどのフィクションを描いた本
趣味/旅行、ロボット作り
休日の過ごし方/旅行、料理、友達に会う
好きな音楽/オペラ、ミュージカル
好きなTV番組/「向往的生活」(中国の番組)
好きな映画/「アベンジャーズ」、「トランスフォーマー」
好きな食べ物/中華料理、寿司

人に優しい「共存型ロボット」の実現が、日常生活をより豊かで快適にします。それが私の目標です。

「人に優しい」共存型ロボットとは?

私は、人間と共存できるサービスロボットを作ることを目指し、研究を行っています。例えば、ロボットに冷蔵庫の中にある水を持って来てもらうとします。そのために必要なのは、ロボットが冷蔵庫の位置と経路を把握するための「地図」です。そこで、センサーで周囲の状況をそのまま読み取らせて、部屋の地図を作成します。もし冷蔵庫までの経路に机などの障害物があっても、この地図に反映されていれば、ロボットはそこを避けて動くことができます。今の技術で達成されているのは、この段階までです。
私は、この地図をさらにグレードアップさせたいと考えています。目指すのは、より自然で人に優しい動きができる「人間共存型ロボット」です。例えば、人が会話をしていたり、テレビを見ていたりするような、物がなくても人に使用されている空間をロボットが通過すると、人に迷惑をかけますので、避けた方がいいです。どうしても通過したい場合は、ロボットが一言「すみません」と声をかける、とか。さらに、扉の後ろのような空間は、たとえ物がなくても人が頻繁に使いますよね。その空間も避けるように、リスクマップを生成することで、ロボットはより危険を回避することができます。そんなふうに、人間に対して物理的にも心理的にも優しいロボットと共存できれば、私たちの暮らしはさらに快適なものになると思うのです。
現在の担当講義「機械力学I」では、機械の「振動」についての基礎的かつ重要な捉え方を学んでもらいます。一自由度振動系を対象に、①運動方程式を作成すること、②運動方程式の解を求めること、③振動を語る上に不可欠な用語(固有振動数、共振など)を理解すること、などを通じて、(a)自由応答波形を想像しその特徴を語る能力、(b)強制応答波形を想像しその周波数応答特性を語る能力、(c)エンジニアとして修得すべき低振動化(共振回避)を身につけられます。もう一つの担当講義「機械解剖」では、機械工学基礎知識について教員による講義で学んだあと、学生が自分で機械の分解・組立を行い、機械装置について体験的に学修します。

語学力も養うことで、グローバルエンジニアを目指してほしい

中学・高校時代は、日本の「ガンダム」などのアニメ作品が好きで、「いつかこんなロボットを作りたい!」と考えていました。中国の大学で工学を勉強している間にもその思いは募り、日本への留学を決めて電気通信大学で1年間学びました。中国の大学を卒業したあと、留学時に出会った恩師のもとでもう一度学びたいと再び来日。大学院に進学し、ロボットの研究を行いました。修了後は、日本の自動車メーカーに就職しました。「今後研究を続けたいなら、企業での経験もきっと役に立つよ」と、先生から助言をいただいたのです。海外からの赴任者も多いグローバルな会社で新車の開発に携わる中で、国際的な感覚を体感できた貴重な体験だったと思います。
これから社会に出て行く皆さんには、ぜひ世界で活躍するグローバルエンジニアを目指してほしいです。そのためには、専門知識だけでなく、英語力を身に付けることが重要です。海外の専門家と直接交流することができますし、英語で論文を書くことができれば研究内容を世界に発信できます。また、「ものづくり」には世界標準があり、資料は英語で書かれているので読解力も必要です。語学力を養うには、留学を経験するのもいいと思います。私も日本留学の際、アメリカやメキシコ、ドイツやオーストラリアなどから来た留学生たちと、生活を共にした経験で英語力が身に付きました。できれば第二外国語も習得すると、さらに世界が広がり、自分の強みとなって自信もつくと思います。
また、常に新しいことに挑戦するチャレンジ精神も培ってほしいです。ロボコン、つくばチャレンジ、ロボカップなど、ロボット系のコンテストなどに挑戦するのもいいでしょう。ロボット製作に関する一連の作業を経験することは実践的な学びになりますし、日本や世界のトップレベルを目指すきっかけにもなるはずです。

知能機械研究室

人工知能技術で機械を賢くし、よりスマートな社会を実現する

本研究室では人工知能(AI)技術を連携し、知能ロボティクス、知的情報処理、自動運転に関する研究を行っています。一例として、人間が身体の制約から解放された社会を実現することを目指し、盲導犬ロボットを研究しています。視覚障碍者は「目」の制約で世界の美しさが見えていない問題を人工知能技術で解決します。視覚障害者の歩行ガイドを行う盲導犬ロボットは道誘導機能を実現する際、ユーザの社会性のニーズを考慮し、周囲の視覚環境をセンシングし、途中の風景や街中のシーンを理解し、音声でユーザに世界を説明します。視覚障碍者も街中を散策し、楽しめることを目指しています。このようにして、様々な人間が身体の制約から解放された社会を実現していきます。

Photos

  • 中国古来の儒教の教えで、「琴棋書画」の芸を身に付けることが重んじられていました。写真はこの4つの芸を表した置物で、自宅に飾っています

  • 市販されているおもちゃのロボット。距離センサーで周囲の状況を把握しながら動きます。家庭で使われている掃除ロボットや、自動運転車などと同じ原理で、遊びながらロボットの基礎を知ることができるのではないかと思います

  • 視覚環境を音声で表現可能な盲導犬ロボットの開発

  • ユーザの動きに適応した盲導犬ロボットの移動制御

  • 空間リスクマップに基づき思いやりを持った自律移動ロボット

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

自動運転機能によって交通事故を減らすこと、保育・介護ロボットの開発により社会福祉を進ませること、教育ロボットの実現、産業用ロボット(ロボットによる物体認識、把持、カテゴリ)の実現に向けて取り組んでいます。

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