Wakiya Shumon

脇谷 趣聞 特別助教

所属
工学部
機械工学科
関連リンク
専門分野

工作機械、スピンドル、超精密加工システム

キーワード

Profile

出身地/北海道
子供の頃の夢/映画監督、宇宙飛行士、国境なき医師団(MSF)
尊敬する人/常に走り続ける人
愛読書/『地球の歩き方』、何でも読みます
好きな音楽/ブルース、パンク、Jazz
好きなTV番組/『ゴッドタン』
好きな映画/クエンティン・タランティーノ監督作品、『トレインスポッティング』
好きな著名人/忌野清志郎、チェ・ゲバラ
好きな食べ物/旬のもの

「機械をつくるための機械」の精度を高め、日常生活をより豊かにする。

スピンドルの熱による変形を抑制・制御する

私たちの生活は自動車や航空機をはじめ、カメラやスマートフォン等の電子機器や医療機器などのさまざまな機械製品によって支えられています。では、その機械は何によってつくられているのでしょうか? その正体は、私の専門分野でもある“機械をつくるための機械”、すなわち工作機械です。近年では、医療部品や半導体の部品の製造といった超精密な製品を含め、幅広い場面で役立てられています。なかでも、私は工作機械の機械要素であるスピンドルや軸受に着目して研究を進めています。スピンドルとは、切削工具や被削材を高速で回転させるための軸を指し、加工の精度を決定付ける主要な機械要素であるため、工作機械の心臓部とも言えるものです。

スピンドルの設計において永遠の課題ともいえるのが、熱による影響です。例えば、スピンドルを回転させるためにはモータが用いられており、回転時には熱が発生します。そして、ここで生まれた熱がスピンドルを変形させてしまう。私たちの目では確認できないようなほんの小さな変形であっても、加工精度に大きく影響を及ぼすのです。そこで、多くの研究者たちによって熱問題への対策が考案されてきました。

しかし、ひとつの解決方法が成功したとしても、それがあらゆる場面で活用できるとは限りません。工作機械は設置する場所や条件、用途によって細かく設計しなくてはならないからです。そして、どれだけ精密な工作機械であっても、熱の影響を受けることで少しずつ誤差が生じます。そのため、私の研究では、シミュレーションや機械学習モデルなどを用いながら熱による変形をあらかじめ予測し、変形を抑制・制御可能な設計を行っています。工作機械による加工の精度が高まれば高まるほど、これまでにない新しい製品の製造を可能にし、私たちの生活がより豊かなものにしてくれます。

どこまでいっても改善の余地があるという点で、私の研究にゴールはないのかもしれません。それでも、実際に装置を製作し評価する際に自分の理想とする性能が得られる瞬間はうれしく、研究者としてのやりがいになっています。

より広い視野で「ものづくり」の魅力を知ってほしい

現在は、1年生を対象とした「メカトロデザイン」と「機械解剖」という授業を担当しています。「メカトロデザイン」では、立体図形の把握と図面への反映、機械部品の機構、マイコンを用いた機械の制御などを教えています。「機械解剖」は、実際に機械に触れることに重きを置いた授業です。学習対象は、25ccの4サイクルガソリンエンジン。学生はガソリンエンジンが動く原理を学んだ上で、エンジンを分解し、組み立て動かすところまでをトータルで学びます。自らの手でエンジンに触れる経験を通して、「機械装置」とはどのようなものかを実感してもらうことが授業の大きなねらいです。これらは、ものづくりにおいて基盤となる重要な知識です。だからこそ、学生との会話のなかで理解が難しいポイントを探り、できるだけ噛み砕いて伝えることができるように意識しています。

日々の生活を豊かにし、社会のインフラを支えるために「ものづくり」はなくてはならないものです。学生の皆さんには、より広い視野で「ものづくり」の面白さを学び、将来的に産業基盤を支える技術者として活躍できる素養を身につけてほしいと思います。そのためには、さまざまな人と関わり、多様な思想に触れることも大切です。世の中には、自分ひとりでは想像もできないような価値観や物事が無数に存在しています。それらに触れることで、自分にはない視点を身につけ、自分の得意・不得意を把握することができるでしょう。学生生活で得られた人間関係や経験、教養は人生を豊かにし、いつか困ったときや悩んだときに必ず自分を支えてくれるはずです。

精密機械システム研究室

超精密工作機械などに用いる精密な機械システムを開発

当研究室では、新しい超精密な機械システムの開発と制御について研究しています。開発している機械装置の用途は、主に工作機械、特に超精密工作機械や半導体製造で、これらにはナノメートルオーダーの極めて高い運動精度が求められます。その実現のために、機械装置を流体の圧力によって浮上させる技術を開発し、特許も取得しました。 また、設計用プログラムの開発、三次元CADによる設計、開発した機械装置の性能評価などにも取り組んでおり、一部の研究は企業と共同で研究を進めています。研究室の学生には、国際会議に参加して、英語による研究発表を行う機会を設けています。このように学外の機関などと積極的に関わることで、広い視野を養ってほしいと思っています。

Photos

  • 『Thermal Deformation in Machine Tools』という工作機械の熱変形について論じられた書籍。学生の頃、工作機械の面白さに気付くきっかけを与えてくれたもののひとつです

  • お世話になった方々から頂いたもの。多くの人に支えられて日々を過ごしています

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

Teacher's News

脇谷 趣聞先生の関連ニュース

Recommend

他の先生もチェック!