Nakao Yohichi

中尾 陽一 教授

所属
工学部
機械工学科
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専門分野

機械工作・生産工学、機械力学・制御、知能機械学・機械システム

キーワード

Profile

出身地/東京都
趣味/テニス、サイクリング、音楽鑑賞
子どもの頃の夢/基礎医学の研究者
尊敬する人/高い志を持ち続けている人
好きな音楽/ジャズ、クラシック
好きなTV番組/「The West Wing」(邦題:ザ・ホワイトハウス)
好きな食べ物/刺身、豆腐
好きな国/アメリカ合衆国、イギリス、イタリア、ドイツ、スイスなど

工作機械は、あらゆる機械のマザーマシン。産業を支える基盤技術です。

ウォータドライブスピンドル:水のエネルギーを利用した新しいスピンドル

高い加工精度を持つ工作機械について研究しています。工作機械とは、マザーマシンとも呼ばれる、さまざまな機械を作るための機械のことです。例えば、あるプラスチックレンズを作る場合、そのレンズ以上に精密な金型が必要になります。また、その金型を作るには、さらに高い精度を持つ工作機械が必要になるわけです。つまり工作機械は、最も高精度の機械システムと言えるものであり、産業を支える基盤技術なのです。
現在、私が手がける研究の一つに、光学部品等を作るための超精密加工システムの開発があります。具体的には、水のエネルギーを利用して駆動するスピンドル(回転装置)の開発です。これまで、スピンドルの駆動には電気モータを使うことが一般的でした。しかし、この場合、モータからの振動や発熱があり、スピンドルの回転精度が落ちてしまいます。その結果として、完成した部品の精度も落ちてしまうわけです。
そこで、新しい駆動原理と構造を考えたのがウォータドライブスピンドルです。これは、回転軸を水に浮かせた状態で、水で冷却しながら、水のエネルギーによって高速回転させる新しい装置です。着想から2年程度の設計期間を経て、開発に成功しました。これまでの研究で開発したスピンドルの回転精度が数10ナノメートルのレベルまで到達していることを確認しています。現在は、さらなる高精度化と高機能化を目指した研究を進めています。当面の回転精度の到達目標は、測定限界に近い数ナノメートルにすることですが、精度を突き詰めていくこの研究にゴールはありません。

若い頃に一生懸命取り組んだ経験はきっと役立つ

大学1年のとき、最初は大学をやめるつもりでした。医学部志望だったのに工学部に入ったからです。でも2年生のとき、恩師から「機械工学も人の役に立つぞ」と言われ、この分野の面白さを感じ始めていた頃でもあったので、結局、そのまま機械工学を学ぶことに…。
将来どんなことに情熱が持てるかは、誰にもわからないものです。だからみなさんにも、どのようなことでも良いから、ぜひ大学で打ち込めるものを見つけてほしい。若い頃に一生懸命取り組んだ経験は、後々、きっと役立ちます。時間をかけて取り組んだことは、大きな成果を生むきっかけになると思いますよ。

精密機械システム研究室

超精密工作機械などに用いる精密な機械システムを開発

当研究室では、新しい超精密な機械システムの開発と制御について研究しています。開発している機械装置の用途は、主に工作機械、特に超精密工作機械や半導体製造で、これらにはナノメートルオーダーの極めて高い運動精度が求められます。その実現のために、機械装置を流体の圧力によって浮上させる技術を開発し、特許も取得しました。 また、設計用プログラムの開発、三次元CADによる設計、開発した機械装置の性能評価などにも取り組んでおり、一部の研究は企業と共同で研究を進めています。研究室の学生には、国際会議に参加して、英語による研究発表を行う機会を設けています。このように学外の機関などと積極的に関わることで、広い視野を養ってほしいと思っています。

Photos

  • 大学3年の夏休みから大学院にかけて、じっくり勉強した数学の本『Advanced Calculus for Applications』

  • 研究室で開発した装置を使って加工した鏡面

  • 精密な加工を行うために開発した装置「スピンドル」

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

機械のエネルギー消費の削減に取り組んでいます。

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