Ito Hiroyuki

伊東 弘行 教授

所属
工学部
機械工学科
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専門分野

燃焼学、熱工学、宇宙環境利用工学、設計製図

キーワード

Profile

出身地/北海道(登別市)
趣味/テニス
子供の頃の夢/兜博士(マジンガーZを作った人)
休日の過ごし方/テニス、買い出し
血液型/B+
家族構成/妻、長男、長女
好きな映画/ブルース・リーの作品や「ダイハード」などのアクション、初期のスタジオジブリ作品など
好きなTV番組/サッカー、ボクシングやオリンピックなどのスポーツ、ニュース、お笑い番組など
好きな食べ物/寿司、スープカレー、ラーメン

これから直面するさまざまな問題を乗り越えるため、“基礎体力”を鍛えましょう!

関心が高まる「バイオマスエネルギー」の研究

皆さんも耳にしたことがあると思いますが、近年、地球温暖化や化石燃料資源枯渇の問題から「バイオマスエネルギー」が注目されています。これは、草木やそのほかコーヒーやジュースを絞ったカスなど、植物由来の材料を燃料化するもので、例えば薪を燃やすといったことと同様、エネルギーをつくるために昔から使われていた方法です。前述のような理由から現在関心を集めていますが、私の研究テーマは、この「バイオマスエネルギーの利用」です。主に、バイオマス固体を圧縮成型し、燃料として使用する際の着火や燃焼特性を調べ、より効率的に燃やす方法を探っています。また、バイオマスの燃料化には、固体燃料のほか、液体燃料や気体燃料にする方法もあります。特に液体燃料は、航空機用燃料や化学用材料など有用な材料を得ることができるため、液体燃料化に際し、製造される燃料の成分や収率をコントロールできれば、より効率的なバイオマス燃料利用が期待されます。そこで、比較的簡便なバイオマスの液化法のひとつである熱分解法にアルゴンや水素などの非平衡プラズマを供給し、収率や生成物成分への影響を調べています。
一方「ススの生成機構の解明」にも関心を持っています。火炎中に生成するススは、大気汚染物質である反面、火炎からの熱エネルギーを回収する際の放射媒体として重要な役割を担っています。ススについては、古くから研究されているにも関わらず未解明な点も多いため、ススの生成、成長過程と光学的特性の変化を調べています。

小さなことでも疑問に思うことから始まる

ススの生成に興味を持ったのは大学時代です。当時は航空機に興味があったので、ジェットエンジンについて学べそうな「燃焼工学」を専門に選びました。実際はエンジンそのものではなく、燃焼に関する基礎的な研究がほとんどでしたが、さまざまな分野に関連のある学問領域にたいへん面白味を感じました。大学院に進み、燃焼に関するさまざまな実験を行いましたが、地中深く掘った穴に落下させたカプセルの中で火を燃やす「微小重力実験」を行った際、炎の中にプツプツと光るものを見つけました。地上では起こり得ない現象のため“これはいったい何だろう”と思って調べたところ、ススであることが判明し、博士論文にまとめました。その後、前述の通りススの研究を続けていますが、どんなに小さなことでも、まずは疑問に思うことから始まるのだと思います。
現在は「機械設計及び演習Ⅰ」を担当し、「人力飛行体」を構成する機械要素部品の設計方法について、演習を交えた講義を行っています。足踏みペダルによる動力を、プロペラに伝動して推進する人力飛行体について、ペダルやクランクアーム、クランク軸や歯車などの強度計算、チェーンや軸受の選定方法などを勉強します。材料学や材料力学で習った強度計算方法を、実際のモノの設計にどのように適用するかという具体的な学びで、授業では、使用する計算式の使い方だけではなく、その式の導出過程を意識できるよう、基本の式から説明するよう心がけています。同時に、大学で学ぶべきことは “自分で考える”ことである、という思いから、自ら気づき、調べ、考察する力が身につく授業を目指しています。

“基礎体力”を鍛えるためのチャレンジ

私たちが生きていくうえで直面する多くの問題に、解答は用意されていません。正解を教えてくれる人もいなければ、インターネット上に転がっているものでもありません。私たちは皆、自分で問題に向き合い解決しなければならないのです。もちろん100点をもらえるような解答でなくても構わないし、自分ひとりで解決しなければならないわけでもありません。時には家族や友人の助けを借りることも必要です。第三者の知恵を借りることで多面的な物の見方ができるようになり、自分の考え方の幅も広がるからです。けれど、最終的には自分自身で問題を乗り越えなければなりません。そのため皆さんには、問題を解決するための “基礎体力”をつけてほしいと思います。ここでいう“基礎体力”とは、身体的な体力だけではなく“思考力”や“精神力”を含んだ力で、これらは多くの経験の中で培われるものではないかと思います。
スポーツでは、体力や技術の向上に、筋力トレーニングや走り込みといった基礎訓練が欠かせませんね。最初は小さい負荷から始め、慣れてきたら少しずつ負荷を増やしていきます。思考力や精神力も同様で、普段から少しずつ鍛えておく必要があります。若いうちに「ちょっと難しいかな」と思うことにもチャレンジして“基礎体力”を鍛えてください。たとえ失敗しても、笑い話のネタにしてしまえばいいのです。そして強靭な体力で問題を乗り越えることができれば、世界で活躍するスポーツ選手と同じように、目の前に違う世界が広がりますよ。

熱エネルギー工学研究室

バイオマスのエネルギー利用と新規火災消火方法

地球温暖化対策の一つとして注目されているバイオマスの、効率的な燃焼利用方法について研究しています。木材や食品加工廃棄物など植物由来の資源で、化石燃料に比べて環境負荷も低いバイオマスを燃料化しエネルギーとして利用するために、効率のよい燃焼形態や燃焼方法に関する研究を進めています。また燃焼生成物の制御や除去など燃焼を用いたエネルギー利用技術をベースにした様々な研究のほか、森林や家屋などの火災の新しい消火方法など、熱エネルギーの生成から輸送、利用、消火まで地球環境に配慮したテーマを幅広く扱っています。

Photos

  • 30歳を過ぎた頃、妻の影響もあって、気軽にはじめたテニスにすっかりハマってしまいました。これは愛用しているラケットで、フレームが黒いほうは最近買ったばかりのもの

  • 8歳の長男が小学校で描いた絵(下)と、5歳の長女が父の日にプレゼントしてくれた絵(上)。いつの間にかこんな絵が描けるようになったんだ、と子どもたちの成長を感じます

  • おがくずを利用した固体燃料と、液体燃料

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