Hatano Shintaro
幡野 慎太郎 特別助手
Profile
出身地/東京都
子供の頃の夢/宇宙飛行士
尊敬する人/家族、イーロン・マスク
愛読書/「The Mamba Mentality: How I Play」
趣味/サイクリング、写真
休日の過ごし方/料理、温泉、ライブ
好きな音楽/「楓」(スピッツ)、「ハルジオン」(YOASOBI)
好きなTV番組/『水曜どうでしょう』、『やりすぎ都市伝説』
好きな映画/『インデペンデンス・デイ』、『君の名は。』
好きな食べもの/和食、インド料理
安全性に優れたハイブリッドロケットのエンジン燃焼性能を高め、宇宙に物資を届ける。
「アジ化ポリマ」という燃えやすいプラスチック素材に着目
私はハイブリッドロケットの「エンジン」と「燃料」に関する研究を行っています。ハイブリッドロケットとは、安全性の高さやコストの低さ、環境への優しさといった点から近年注目されているロケットのことを言います。最近では人工衛星の打ち上げから宇宙旅行まで、ベンチャー企業などによる宇宙事業が活発になってきており、それに伴って宇宙へ物資を運ぶロケット開発にも期待が高まっています。そうした需要もあり、私が所属している航空宇宙構造研究室では高度30kmの成層圏へと打ち上げるためのロケット開発に向けて、機体の構造やエンジンの研究に取り組んでいます。
ハイブリッドロケットはプラスチックを燃料にすることで爆発の危険がないといった安全性を担保しているのですが、一方で燃焼させにくい(積極的に燃えてくれない)ことが課題になります。そこで、私の研究では「アジ化ポリマ」という素材に注目しました。より燃えやすくし、エネルギーを効率的に発生させるために、燃焼メカニズムの解明や実際にロケットモータに組み込んだ燃焼実験などに取り組んでいます。
ロケットの打ち上げに関しては成功することが至上命題ですが、日々の研究は失敗したときにこそより興味をそそられます。想定とは異なる結果に辿り着き、その壁を乗り越えるために試行錯誤する過程にやりがいを感じています。
日本の宇宙技術を多くの人に知ってもらうために
子どものころから天体や惑星に興味があり、宇宙飛行士を夢見ている時期もありました。ロケットに関心が向いたのは、中学生のとき。小惑星探査機「はやぶさ」が観測を終えて地球へ帰還するタイミングでもあり、そうした宇宙で活躍する機械を開発するのも面白いかもしれないと思ったんです。日本はアメリカやロシアなどに比べるとどうしても資金力で宇宙産業に遅れをとってしまうところがあります。その現状を変えていきたいという思いもあり、宇宙に関するモノづくりの技術を高め、そうした研究成果を多くの人に広めたいと思っています。高校生を対象に、ハイブリッドロケットの製作から打ち上げまでを行うプログラムを主導したこともあり、今後もそうした教育活動は続けていきたいと思っています。
神大の授業では、「数学演習」を担当しています。これは教員が講義を行うのではなく、学生が独力で問題に取り組む授業です。自学自習のスタイルですね。機械工学を学ぶ上で必要な数学の基礎力と、個人研究に取り組む際に欠かせない「自らで課題を解決する力」を身につけてほしいと思っています。
こうした授業にも表れている通り、大学では高校時代よりも「自主性」が求められる機会が増えると思います。全国各地から集まった学生や異なる専門性を持った教員、研究テーマなど、皆さんが動けば動くほどさまざまな人や物事との「出会い」があるはずです。そうした環境で毎日刺激を受けながら、自分の中で「これだ!」と思えるような大事なものを見つけてほしいなと思います。
航空宇宙構造研究室
航空機や宇宙機に使われる部材の強度を研究し、これらの技術を活用して超小型ロケットを開発する
当研究室では、ハイブリッドロケットの機体に使用される複合材料の座屈と呼ばれる破損現象や継手部強度の統計的評価に関する基礎研究を行っています。これらの研究成果をもとに超小型ハイブリッドロケットの開発に着手しています。また、3Dプリンタを用いたグレインと呼ばれる燃料の造形、高度30km級エンジンの設計開発、上空でパラシュートを放出するための開放機構の製作なども並行して行っています。これらは主に、当研究室の学生と宇宙ロケット部の部員が担当しています。この他にも、他研究室や他大学、企業との共同研究も行っています。研究室では年に数回、研究室内懇親会を実施しています。
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地域課題
SDGs・地域課題について