Matsukuma Hiroshi

松隈 洋 教授

所属
建築学部
建築学科(建築学系)
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専門分野

近代建築史、設計方法論

キーワード

Profile

出身地/兵庫県西宮市
子供の頃の夢/天文学者
休日の過ごし方/散歩
好きな言葉/一期一会
好きな音楽/バッハ

近代建築の歴史と先駆者たちの思想を学び、建築がつくり得る風景への感動を育んでほしい。

モダニズム建築の巨人、前川國男に師事

現代の身近な生活環境を形づくってきた工業化を前提とするモダニズム建築(Modern Architecture)の歴史とその先駆者となった建築家の思想と設計方法論についての研究を行っています。特に、20世紀に世界的なスケールで展開されたモダニズム建築の先駆者ル・コルビュジエに師事し、戦前戦後の日本のモダニズム建築を牽引した前川國男を中心に、坂倉準三、村野藤吾、吉村順三、丹下健三らの建築家について、残された設計原図と写真などの建築アーカイヴ資料に基づき、考察を進めてきました。また、それらの蓄積を元に、保存や改修の方法についても研究しています。

私は教員になる前に20年間、建築設計事務所で実務に携わってきた経験があり、先ほど紹介した前川國男の事務所で直接指導を受けた最後の世代にあたります。そんな背景もあり、モダニズム建築の歴史と思想、設計方法論を現場の視点も交えて幅広く研究してきました。担当する「近現代建築史A」の授業では、モダニズム建築が切り拓いた世界を理解するために必要な近代建築の歴史と先駆者たちの思想や作風について具体的に紹介し、これからのよりよい生活環境を築くために何が大切なのか、皆さんと共に考えたいと思っています。

大切なのは「歴史から学ぶ」ということです。ル・コルビュジエは、前川國男は、なぜこのような建築物をつくったのか。それは彼らの背景にある思想形成のプロセスを検証することで、初めて理解できます。名建築には、必ず背景となる歴史があります。「今をつくる」ためにこそ、建築史を学ぶべきなのです。

巨大化した現代の都市環境で、疎外感を抱える人々が増えているといわれます。今こそ心の拠りどころとなる公共空間、安心して暮らせる住まいが切望されています。私たち建築の世界で仕事をする人間には、そんな人々の思いに応えて、それを形にしていく社会的な使命が託されています。よりよい生活環境をつくり上げるために建築に何が必要なのか、深く考えることのできる建築人を育成したいと思っています。

建築という世界から見えてくるものに自覚的でいてほしい

私の師匠にあたるモダニズム建築家の前川國男が、学生たちに向けて語った言葉があります。

「人間というものがたよりなく、たよりない人生であると感じた時に、建築家というのは、やはりその時点において、自分の実在といいますか、実在感を求めて、コツコツと苦しい設計作業を続けるんだと思います。建築家とは何であるか、建築とは何だろうかということを常に自分に問いかけながら仕事をするのが建築家であり、作品はその答えにあたるものだと思います」

前川は、人々の生活を支えることが建築の使命だととらえ、モダニズム建築を時間のなかで成熟できる存在に育て上げるために格闘し続けた建築家でした。鉄やコンクリートでできたモダニズム建築がもつ脆弱さというジレンマを克服し、古今東西の歴史的な建築が果たしていたような、建築が生み出すことのできる価値を見つめていました。

ぜひ建築史や建築思想を学び、建築を見る目を養ってください。これは、大学で専門的に学ばなければ、得られないものです。その上で、学生時代に名建築に触れてください。東京近郊にも歴史的価値の高い建築物は数多くあります。

どうか、建築という世界から見えてくるものに自覚的でいてください。建築だけがつくり得る風景への感動を育んでください。

建築史研究室

先駆者たちの思想と方法に学び、現代へ活かす道筋を発見する創造的な建築史を求めて

私は、1980年に京都大学を卒業後、東京文化会館や東京都美術館、神奈川県立音楽堂などを手がけた前川國男の建築設計事務所に入所しました。前川はル・コルビュジエに学び、戦前戦後の日本の建築界をリードした建築家です。接したのは最晩年のわずか6年間にすぎませんが、たくさんのことを学びました。私の研究テーマも前川のもとで学んだことが大きなきっかけです。その姿に初めて接したのは1977年、大学2年生、20歳のときでした。それから半世紀近く経ちますが、今も変らずに学び続けています。混迷を深める現代にあって、前川の仕事はますます大きな意味を持ち始めていると思います。今後も、前川を軸にモダニズム建築について掘り下げていこうと思っています。

Photos

  • ライフワークである前川國男研究の著書『建築の前夜 前川國男論』(みすず書房)。同著で2019年「日本建築学会賞(論文)」を受賞しました

  • 前川國男が設計した「京都会館」(1960年)の外壁に使われていた炻器質タイルブロックです

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