Suzuki Nobuhiro

鈴木 信弘 教授

所属
建築学部
建築学科(建築学系)
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専門分野

住宅設計、住宅デザイン、住宅の温熱設計、建築計画

キーワード

Profile

出身/神奈川県横須賀市
子供の頃の夢/刑事
趣味/ギター
休日の過ごし方/素潜り
好きな食べ物/焼肉

住む人の暮らしと真剣に向き合い、 隠れたニーズを設計に反映する。

クライアントとの話し合いから始まる設計

私の専門分野は住まいの設計です。私はこれまで、長年に渡って設計事務所を運営し、建築士としてさまざまな建築・住宅の設計に携わってきました。仕事をするうえで大切にしてきたのは、暮らしの中で「居場所を設計する」という感覚です。住まいの居心地や雰囲気は、生活を営んでいくうえで非常に重要な要素であるにもかかわらず、言語化・数値化することが難しいため、設計段階ではつい見落とされてしまう傾向にあります。実際にクライアントの多くは、「2LDKで」「8畳で」といったように、わかりやすい言葉や数字で設計を依頼してくることが多いです。しかし、そうした基準だけで設計を続ければ、ワンルームマンションのような画一的な住宅ばかりになってしまうのは明らかです。そのため設計は、クライアントとの話し合いを重ね、潜在的なニーズを探るところから始まります。

私は以前、とあるプログラマーの方の家を設計したのですが、事前のヒアリングを通じて、「仕事のほとんどが自宅作業」、「ゲームが趣味」という生活情報をキャッチしました。その生活状況から「作業に集中でき、休憩でリラックスできる空間をどう創るか」、「ゲームの騒音を和らげる空間の形状を考える」という、クライアント自身も意識していなかった隠れたテーマを発見し、日中の過ごす場所の天井を高く開放的にしつつ、吸音性に優れた構造としてデザインしました。

このようなスタイルで設計をしていると、時にはクライアントと衝突したり、話し合いが難航したりすることもあります。しかし、一人ひとりのライフスタイルと真剣に向き合いつつ、その答えを出すことは、決して特殊解を産むことではなく、住宅の普遍性を見出すことにつながると考えており、住まいの設計において最も重要なことだと考えています。

暮らしの変化に応じた、新しい住まいのあり方を探る

研究室の学生には、身近な住まいの歴史と変遷から学んでもらっています。というのも、私たちが暮らしている住まいの多くは、100年前から間取りがほとんど変わっていないという不思議な現象を知っておいてほしいからです。「時代とともに日本人の生活様式も大きく変わっているのに、住まいは変化しなくていいのか?」という問題提起からスタートし、これからの暮らしを見据えた新しい住まいのあり方をテーマに話していきます。

学生自身が興味を持てば、あとは自分から積極的に勉強してくれると考えているので、建築現場に連れていったり、実際に私が設計した家を見てもらったりと、好奇心や探究心を刺激するような実践的な授業内容を重視しています。

学生の話を聞いていると、世代間のギャップなのか、カフェや映画館に一度も行ったことがないという人が一定数いて、驚かされることがあります。しかし、カフェに行ったことのない人がカフェの設計を上手にできるはずがありません。普段は訪れないような場所に足を踏み入れ、リアルな建築に触れることが、自身の設計スキルを伸ばすことにつながるはずです。

一番手っ取り早いのは、旅をすることだと思います。世界中を旅していれば、その道中でたくさんの建築や人に出会うことができます。そうして得た経験は、感動や失望も含めて、すべてが将来の糧になると思いますよ。

[住生活創造コース]住宅設計研究室

居場所のありかから、住まいを考える

生活とその器である住空間を見つめ直し、より豊かなものにするためのデザインについて考えます。各地域に散らばった住宅建築家が試みている新しい設計手法の展開を実例を通して理解し、気候風土が広い日本において、設計の具体的な手法とその後の経過を考察していくことから今後生まれうる新しい住宅設計論を共有していくことが研究室の活動です。

Photos

  • 学生時代からずっと愛用しているステッドラーのマルステクニコ芯ホルダーと銀座伊東屋で買った真鍮のサインペンケース。これがないとスラスラとスケッチが描けないほど手に馴染んでいます

  • 木の楽器が好き。アコースティックギターは音を慣らして眺めているだけで幸せな気分になります。世界中の名工が製作したすばらしい楽器を集めてしまい、ほぼコレクター状態に

  • 「地震に強い建物を考えるなら、基本的には直下率の高い建物でないと不安定な構造となります。上手な設計とは、この直下率をきちんと高めながら間取りを組み立てるのがよい」

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

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