Shiowaki Sho
塩脇 祥 特別助手
Profile
出身/神奈川県海老名市
子供の頃の夢/車掌
尊敬する人/ルイス・バラガン(建築家)
愛読書/日曜日の住居学
趣味/TVゲーム
休日の過ごし方/物件の塗装、塗料の研究
好きな音楽/レキシ
好きなテレビ番組/世界の果てまでイッテQ!
好きな映画/サマーウォーズ、もののけ姫
好きな著名人/江頭2:50
好きな食べ物/焼肉
自らデザインしたまちに暮らし、楽しみながら「まちのリノベーション」に取り組む
地域の外側と内側、両方の視点からまち全体をデザインする
みなさんの住む「まち」をつくっているものは何でしょう? 住宅や飲食店、商店街、道路、駅、電気や水道といったインフラ……。もちろんそれらも必要不可欠な要素ですが、そういった要素は、そのまちに住んでいる人々の生活を支えるためのものにほかなりません。つまり、人や人のつながりによって「まち」はつくられているのです。
私がライフワークとして取り組んでいるのは「まちのリノベーション」です。私が以前、勤めていた建築事務所では、建築の設計やデザインだけでなく、地域の拠点となる場所を新たに生み出し、完成後の運営までする事業を行っていました。
横浜市弘明寺にある「水谷基地」もそのうちのひとつです。「水谷基地」は、まちの遊休不動産を活用するプロジェクトの一環で、社員寮として使われていた3部屋をつなげ、ひとつのシェアハウスに改築したものです。水回りも悪く長期間、放置されていた建物だったのですが、広くて快適な居住スペースへと生まれ変わり、私自身も住居兼仕事場として活用しています。そうした経験もあって、独立した後も地方自治体と一緒にまちの施設の運用方法などを考える取り組みを行ってきました。
単に建物をつくったり改築したりすることだけがまちづくりではありません。地域のお金の流れや不動産会社が所有している物件の種類、住民同士のコミュニティといった多様な情報を俯瞰し、まち全体をデザインする。そして、住んでいる人がより楽しく過ごせる空間になるようマネジメントしていく。それが「まちのリノベーション」であり、私の研究テーマです。一方で、地域のイベントを主催するなど、自らまちの中に入って多くの地域住民とつながることで、計画にはなかった予想外の相乗効果が起こることもあります。「水谷基地」に住んでいるのも、自分にとってはひとつの実証実験なのです。単純に地域の中に入り込むのが楽しいからやっているというのもあるのですが(笑)。
まちづくりで大切なのは、「自分ごと」として取り組む姿勢
合同ゼミでは、鎌倉にある小町通りの景観計画や川崎市、京急電鉄と連携した八丁畷駅周辺の空地利用といったプロジェクトに取り組んでいます。また、私がメインの担当教員となって、神奈川大学サッカー部の寮がある竹山団地周辺の空間デザインも進めています。
その中で学生に意識してもらっているのは、「自分ごと」としてまちづくりに参加するということ。たとえ地域を活性化させるためのすばらしいアイデアを持っていたとしても、それが膨大な資金や時間、人手を必要とするプロジェクトならば、実行に移すのは現実的ではありません。自分の力で実現できない「他人ごと」の計画ではなく、地域が抱える問題を解決するために自分には何ができるのかという視点からアプローチを続ければ、知識がなかったとしても型にはまらない自由な発想でまちづくりに参加できるはずです。
大学生には、ひとつの物事を突き詰めて考えることのできる十分な時間があります。実は、社会に出るとこの時間をつくることが一番難しい。私自身、大学時代に時間をかけて考え、蓄積した知識が、仕事をするうえで欠かせない引き出しになっています。もちろん勉強はしっかりしてほしいですが、バイトでも遊びでも、何でもいいので自分が興味を持ったことに全力で挑戦してください。
[まち再生コース]建築保存活用研究室
「継承設計」の取り組みにより、価値を受け継ぐ建築やまちづくりを行う。
従来ではスクラップ&ビルド(建て替えや再開発)によって街の機能更新が行われてきましたが、これからの時代はストック(既存の建造物)をリノベーション(改修)やコンバージョン(用途転換)によって再生することが求められます。特に、歴史的建造物には、唯一無二(たったひとつ)の価値があります。 その価値を明らかにした上で継承しつつ、機能面ではこれからの時代に対応し生まれ変わらせることで、新築にはできない建築を生み出すことができます。そのような取り組みを「継承設計」と呼び、様々な価値継承の方法について研究しています。
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地域課題
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