Tamai Yoshihiro

玉井 義浩 教授

所属
経済学部
経済学科
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専門分野

理論経済学、マクロ経済動学、マクロ経済学のミクロ的基礎

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Profile

出身地/東京都
血液型/O型
趣味/ヴァイオリンを弾くこと(学生時代の部活はオーケストラでした)、クラシック音楽鑑賞
尊敬する人/大学院時代の指導教官はじめ、お世話になった先生方
愛読書/近現代史関係の専門書・新書
好きな音楽/C.フランクのオルガン曲、バッハ、ブラームス
好きなTV番組/NHKアーカイブス(特にこの番組で紹介されている昔のドキュメンタリー)
好きな食べ物/納豆、ヨーグルト

自分の頭で考え抜いた末に何かを体得する作業は 本来、とても楽しいものです。

市場経済が社会を豊かにする「本当の理由」を知っていますか?

私達が暮らす現代の「市場経済」では、買いたいものを買い、売りたいものを売って儲ける自由が基本的に認められています。これはレッセ・フェール (なすがままに任せよ)、つまり社会の資源配分を個人や企業の自由な意思決定に委ねたほうが、特定の権力がそれを牛耳るよりも社会全体は豊かになるという考え方に基づくもので、最近話題の「構造改革」「規制緩和」もその考え方の延長にあります。ところが、世の中での議論を見ると、市場経済が社会を豊かにする「本当の理由」はあまり理解されていないようです。
大学の「ミクロ経済学」の講義はこの「本当の理由」、価格メカニズムの理解から始まります。私達は普段の買物で、商品の価格と自分にとっての必要性を比べ、買う商品の優先順位を付けますね。更に売り手も価格を参照して商品の供給に優先順位を付けると、価格が商品のニーズや供給費用を伝えるシグナルとなり、社会的ニーズの高い商品が優先的に供給されるようになります。これが上記の「本当の理由」の核心なのですが、これを知ると現実の市場経済が万能でないことがわかります。何しろ世の中、商品の品質を偽る企業、公害の損害を賠償しない企業など、価格の機能を歪める事例に溢れていますし(市場の失敗)、景気変動や少子高齢化など個人や企業に背負いきれないリスクもあるので政府の政策も必要です。「マクロ経済学」はこの政府と不完全な市場経済の関わりをテーマとします。特に私は「降水確率50%」ということすらわからない、より根源的な不確実性に人々が直面する場合に市場がどのような機能不全に陥るか、を研究しています。

自分の思考の“根”を作るために

ピタゴラスの定理が、2500年経った今でもピタゴラスの定理であり続けるように、経済学の世界にも、何千年経っても価値を失わない学問成果がいくつかあります。大学生活の4年間の中で、それらをすべて理解するのは難しいですが、少なくともエッセンス・コアだけなら、なんとか体得できるのです。最近の学生を見ていると「楽して得する」という安易な風潮があるように思えますが、楽なことに逃げず「チョット難しそう」な事柄にチャレンジし、歴史の風雪に耐えうるような学問的成果のコアの部分を、ひとつだけでもいいですから、確実に深く理解して卒業してほしいと思います。忍耐力のいる作業ですが、それは必ず皆さんの思考の“根”になり、社会に出てから様々な判断をする際に役立ちます。それに本来、自分の頭で「ああでもない、こうでもない」と考え抜き、何かを体得していく作業は、とても楽しいものです。ぜひ皆さんも、大学生活の中で、そんな楽しみを経験してください。

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  • 2004年に発表した論文『基本給と歩合給の混合による賃金契約とエージェントのナイト流不確実性』

  • 大学院時代に、指導教官と共に書いた論文が掲載されている、佐藤隆三記念論集『ECONOMIC THEORY,DYNAMICS,AND MARKETS』

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