Stanley Russell
スタンリー ラッセル 外国人特任教授
Profile
出身地/アメリカ オハイオ州デイトン
子供の頃の夢/世界を見る
尊敬する人/技術力のある人
愛読書/ヘルマン・ヘッセ著「Narziss und Goldmund」
趣味/ギター、美術、語学、建築探訪
世界のさまざまな建築や文化に触れてクリエイティビティを養ってほしい。
木造建築に関心があり日本で大工の修業も
建築は世界の数しれない物事に影響されています。その多面的な世界を身近に体験する事が自分の人生の情熱であり、建築に対する考え方に大きく関わっています。これまでの人生で建築を、建築家、職人、教師、の異なる側面から見てきて、それぞれの視点が相乗効果的に、設計、研究、教え、として対話をしています。
私の専門は「建築デザイン」と「デザイン史」です。建築デザインは、できあがった建築物だけでなく、そのプロセスが重要です。クリエイティブプロセスを分析することで、その建築全体の理解が深まります。また、デザインから、その時代の社会的、経済的、歴史的な影響も見えてきます。国によって、もちろんデザインは変わるし、同じ国の中でもエリアによって、デザインはさまざまです。建築からその国の歴史が見えてくるのも面白いところですね。
デザイン史のほうは、古代エジプトからスタートして、世界中のあらゆる建築の変遷を調べています。特に日本やアジアの建築に興味があります。個人的には、日本の木造建築が面白いと思っていて、日本古来の寺社や民家の研究を行ってきました。
私は、アメリカのオハイオ州出身で、フロリダ大学で建築学を専攻しました。その後、ペンシルバニア大学の大学院に進み、低所得者層向けの集合住宅のデザインなどに取り組んでいました。大学のあったペンシルバニア州の政府の人と話をしながら、同州の最大都市フィラデルフィアで実際に低所得者の人々が買える住宅とはどのようなものかを検討しました。1985年頃のことです。
大学院修了後は、世界的に有名なインド人建築家バルクリシュナ・ドーシ氏に師事し、インドのアーメダバードという街の建築事務所で修業をしました。その後、1986年に日本に来て、2000年まで滞在し、神戸の設計事務所で働いた後、大工の修業をしていました。日本の木造建築をどうしても自分の手でつくってみたかったのです。淡路島での修行を終え、日本で5軒の家を建てました。すべて手作業で行う日本の在来工法は、世界的に見ても面白いですね。
その後、アメリカに戻り、マイアミ大学、そして南フロリダ大学で建築学を教えることになりました。その頃から、神奈川大学で行う建築デザインのワークショップに参加するために、毎年来日していました。そして、その縁で、2022年から正式に神奈川大学建築学部建築学科の教授として着任しました。
海外や日本の巨匠、有名建築、実践的デザインから学ぶ
現在は、建築学部建築学科で「建築デザイン」関連の科目を担当しています。
<建築デザイン特別講義>
有名な建築を細かく分析し、建物の設計図や写真を見ながら、その奥にあるデザインの意味を探っていきます。
例えば、アメリカ人モダニズム建築家の巨匠ルイス・カーンやイタリアルネサンス時代のパラディオ、日本人では、黒川紀章、辰野金吾といった巨匠の作品を紹介します。
<建築デザイン>
デザインプロセスを考えながら、図面を書き、模型を作り、建物のデザインをします。手を動かして実践的にプロセスの可能性を探ることが目的です。
授業では、日本語と英語による講義・ディスカッションを行います。事前にテーマを決め、その建築の技術的、環境的、社会的な問題について議論します。英語でのディスカッションはなかなかハードルが高いと思いますが、学生たちは一生懸命参加しています。
授業だけでなく、建築を学ぶ上で大切なのは、外の世界に出て、さまざまな体験をして、自分の視野を広げることです。モノをつくる、絵を描く、さらに、旅をして日本中、世界中の有名建築を見て回るのもいいでしょう。私もアメリカ大陸はもちろん、アジアやヨーロッパを旅して、さまざまな建築を見ました。
また、将来、自分の夢を実現する上で必要なのは、情熱、集中力、忍耐力、そしてクリエイティビティだと思っています。授業で海外の文化や英語でのコミュニケーションに触れる機会をつくり、将来は海外で活躍できるようなクリエイティビティのある学生を育成したいと思っています。
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