Naruya Suzuki

鈴木 成也 特別助手

所属
建築学部
建築学科(建築学系/都市生活学系)
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専門分野

建築意匠、建築設計

キーワード

Profile

出身地/静岡県
生年/1989年
子供の頃の夢/臨床心理士
尊敬する人/お世話になった先生方、諸先輩方
趣味/まち歩き、映画鑑賞、読書、ラジオ
休日の過ごし方/美術館巡り
好きな音楽/椎名林檎、宇多田ヒカルなど
好きなTV番組/ネット番組ですが「ABEMA prime」
好きな映画/エヴァンゲリオンシリーズ
好きな食べ物/お刺身全般、エスニック料理

人々の生活の息遣いが聞こえてくるような、都市建築のあり方を研究しています。

雑多な都市空間も、俯瞰するといくつかの類型が見えてくる

皆さんは都市と聞いて何をイメージしますか? 似たような建物が整然と建ち並ぶ計画的な都市を思い浮かべるでしょうか。あるいは、高いビルが連なる中に突然低い家屋が現れて、そこだけ空が抜けて見えるような自然発生的にでき上がった都市を想像する人もいるかもしれません。これらは、都市を俯瞰で見た場合のイメージ。より細かく見ていくと、所有者の金銭事情や利用目的、時代の流行などが反映されたさまざまな建築物が都市をつくり上げています。私は、そんな都市建築を研究対象に、より豊かな都市のあり方を探っています。
以前、横浜市の伊勢佐木町や福富町など、「関外」エリアを対象とした研究を行いました。現在のこのエリアは第二次世界大戦後、連合国軍による7年間の接収の後にでき上がった街です。研究は、実際に街を歩いて建物の外観を調べたり、住宅地図を収集し一つひとつの建物の年代を調べたり、地道なものです。そして個々の建物を調査した結果、いくつかの都市建築の類型やその特徴が見えてきました。例えば、大通りには比較的新しい90~00年代のマンションが立ち並んでいる一方で、その内側の細い道沿いには1950年代後半に建てられた、火災の延焼を防ぐ「防火建築帯」や低層住宅が多く残ること。さらに、バブルがはじけた後、土地の利活用のための駐車場が虫食い状に存在していたりします。
このように、それぞれの時代背景の上で建てられてきた建物が集合する都市は、一見雑然としたように見えますが、整理してみると特徴が見えてきます。そういった特徴を分析することで、豊かな都市建築のヒントを得られるのではないかと考えています。

設計において大切なのは、「何を表現したいか」

授業では、主に3年生が受講する「建築デザインⅡ」などを担当しています。12名ほどのチームに教員1人がつき、対話を重ねながら1人1つの建築課題を1か月半ほどかけて仕上げていきます。私がいつも学生に問いかけているのは、設計において「何を表現したいか」ということ。その思いをしっかり持っていれば、教員や他の学生と積極的な議論ができますよね。設計のアイデアを形にしていくプロセスにおいて、議論することはとても重要なのです。
もし、何を表現したいかがうまくまとまらないのであれば、さまざまな建築の事例を見てインプットしましょう。私も学生時代は、建築を巡ったり、建築の本をよく読んだりしてイメージを膨らませていました。友人同士で議論することも、新しい知識に触れるいい機会になります。対話の中から自分が好きな建築とは何かを見出すこともできるので、おすすめです。
私が助手を務める中井邦夫先生の研究室では、初回のゼミで学生に自分の好きなものをなんでもひとつ紹介してもらっています。例えば、温泉が好きな人は温泉街を研究し、家具が好きだと言う学生は、世界の名作椅子を対象にして研究に取り組んだ事例もあります。建築の分野ではこうした幅広いテーマも含まれるので、ぜひ自分の好きなものを出発点に、建築学科で「やりたいこと」を見つけてもらえたらと思います。

答えのない問いにも、辛抱強く取り組もう

もうひとつ学生にアドバイスするとしたら、何に対してもまずは行動してみることです。特に設計の授業では、頭の中にある理想のイメージを実現できないまま諦めてしまう学生もいます。うまくいくかどうかは別として、まず手を動かしてみること。でき上がった模型などを見て試行錯誤するプロセスこそがイメージの実現に大切なのです。
年間を通して取り組む卒業研究では、答えのない問いを続けることにしんどさを感じるときもあるでしょう。しかし、どこかでふと、その研究の意義が明確になる瞬間が訪れるものです。ぜひ、この「目の前が開けるような瞬間」を体験してほしいと思います。辛抱強く取り組んだ先にある楽しさを知ることは、必ず卒業後の人生にも役立ちますよ。

[デザインコース]建築計画研究室

建築や都市空間を計画する上で新たな視点を発見する

人は、生まれてから一生を終えるまで、建築物とともに生活します。あらゆる人間の活動は、建築や都市がつくり出す空間なしには成立しないのです。では、それらの多様な活動を支える空間は、どのような豊かさを持つべきでしょうか。また、人々の生活が多様化し、持続的な都市環境が求められるなかで、私たちはどのような観点から空間を計画すべきなのでしょうか。 当研究室では、こうした問題について、実践的活動や事例分析に基づく体系的な理解を通じて考察し、論文や計画案としてまとめると同時に、建築や都市の空間を計画する上での新たな視点を発見する楽しさを学びます。学生の皆さんには、「建築を語る言葉」を身につけて、将来に役立てて欲しいと思っています。

Photos

  • 戦後復興建築である防火耐建築が、今もなお多く残る横浜市福富町の街並み。古さを残しつつ、そこで生きる人々の様子が建築からもにじみ出ていて怪しい雰囲気ではあるけれど、とても楽しい街だと思います

  • 趣味の美術館や展示ギャラリー巡りをした際に必ず買うポストカード。その日見た美術作品で気に入ったものを、適当に買って自宅の壁に貼っていると、なんとなく自分な好きなものの傾向が見えてくるようで、ひとりで楽しんでいます

  • 「浅草文化観光センター」設計コンペに入選した設計案

SDGsの取組み

地域課題

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