Nakano Yoshimoto
中野 貴元 助教
Profile
出身地/宮城県岩沼市
子供の頃の夢/神職かサラリーマン
尊敬する人/祖父、大学・大学院の恩師
愛読書/『三国志』(吉川英治)、『銀河英雄伝説』(田中芳樹)、『礼儀作法入門』(山口瞳)
趣味/本を読むこと、演劇を観に行くこと、呑みに行くこと
休日の過ごし方/掃除、洗濯、家事全般
好きな音楽/『好きさ、この街が...』(ビリーバンバン菅原進)、『夜がくる』(小林亜星)、『The World of Love』(DAN SHIN-YA & Jake H. Concepcion)
好きなTV番組/『名探偵ポワロ』、『二軒目どうする?~ツマミのハナシ~』
好きな映画/『まあだだよ』、『紅の豚』
好きな著名人/藤木孝、天海祐希
好きな食べ物/鶏肉、牡蠣、焼き魚
会計は、社会を数字から読み解くための「言語」です。
明治時代以降の歴史から日本の会計制度を読み解く
私の専門は、日本の明治時代以降の会計史です。近年では神社や皇室など、日本独自の組織において会計制度がどのように導入され、発展してきたのかを研究しています。企業会計を中心とした研究が多い会計学界のなかでも、この分野を専門とする研究者は非常に少なく、歴史学や宗教学の研究成果と会計学の知識を組み合わせながら、史料を紐解いていることが研究の特徴です。これまであまり注目されてこなかった史料から、新しい事実や制度の背景を明らかにできることに研究の面白さがあります。今後は、制度の内容を明らかにするだけでなく、「なぜその制度が創られたのか」「実際にどのように運用され、どのような課題を乗り越えてきたのか」といった成立過程や実践へと研究を深めていきたいと考えています。こうした歴史的な検討を通じて、日本の会計制度の特徴を明らかにし、これからの会計のあり方を考える手がかりにつなげることが目標です。
経営学部では「会計の基礎」「簿記原理」「中級簿記」「上級簿記」などを担当し、簿記・会計の基本的な考え方から実践的な内容まで幅広く扱っています。授業では、教科書に書かれている内容を説明するだけではなく、「この知識は実際の会社でどのように使われているのか」「なぜこの仕組みが必要なのか」といった実務とのつながりを意識しながら学べるよう工夫しています。現在では多くの企業で会計がシステム化され、実際に手作業で帳簿をつける機会はほとんどなくなっています。しかし、そのシステムがどのような仕組みで動いているのかを理解するためには、簿記・会計の基本原理をしっかり身につけることが欠かせません。システムやAIが計算を担う時代だからこそ、出力された数字をそのまま受け入れるのではなく、その意味や背景を理解し、自ら判断する力が重要になります。そのため授業では、基礎を大切にしながら、ビジネスの現場をイメージできるような説明を心掛けています。
学生時代のさまざまな経験は、きっと自分だけの強みになる
私が会計学に興味を持ったきっかけは、高校時代に簿記部へ入部したことでした。当初は就職に有利そうなコンピュータ部を希望していましたが、先生から簿記部への入部を勧められたことが人生の転機となりました。ファミコン世代としてシミュレーションゲームに親しんでいたこともあり、数字を使って組織の仕組みを考え、問題を解決していく簿記の面白さに惹かれていったのです。その後、大学で会計学を学び、卒業後は企業で十数年、経理や財務の仕事に携わりました。さらに公益法人での勤務を経て、研究と教育にもっと関わりたいという思いから大学教員の道を選びました。また、曾祖父、祖父、父と三代にわたって神職を務める家系で育ったことも、現在の研究につながっています。子どもの頃は神職を継ぐものだと漠然と考えていましたが、父が神職を退いたためビジネスの道へと進むこととなりました。家業を継ぎませんでしたが、生まれ育った環境である神社と、高校以来勉強してきた簿記・会計とが組み合わさって、現在の研究テーマとして活かされています。
学生のみなさんには、授業で学ぶ知識だけでなく、大学の外へ積極的に出て、多くの人と関わる経験をしてほしいと思っています。アルバイトやボランティア活動、地域との交流などを通して、自分とは異なる価値観や考え方に触れることは、物事をさまざまな角度から考える力を身につけるきっかけになります。大学時代は、専門知識を学ぶだけでなく、自分の世界を広げることのできる貴重な時間です。勉強に加えてさまざまな経験を積むことで、自分の将来の可能性は大きく広がります。
簿記・会計は企業だけのものではなく、家計管理や資産形成、納税など、私たちの日常生活にも深く関わっています。簿記・会計を学ぶことは、企業を見る力だけでなく、自分自身のお金や社会の仕組みを理解する力を身につけることにもつながります。高校生や大学生には、将来の夢が途中で変わることを恐れず、一見すると将来とは関係のない知識や経験にも積極的に向き合ってほしいと思います。それらが思いがけない形で結びつき、いつか自分だけの強みになるかもしれません。
中野貴元ゼミナール
簿記・会計の理論と実践を「歴史の眼」で読み解く
皆さんは社会科や家庭科の授業で投資や資産形成について学んできたと思います。では、投資する企業を選ぶとき、何を基準にするでしょうか。「好きな製品やサービスを提供している」「イメージキャラクターが推し」という理由もあるでしょう。しかし、長期的な資産形成を考えるなら、将来も利益を生み、成長していけるかを見極めることが大切です。簿記・会計は企業の経済活動を数字で表し、その経営状況や成長可能性を読み解く「ビジネスの共通言語」です。簿記・会計の学問である会計学を学ぶことで、企業の経営状況を客観的に捉えるだけでなく、数字の背後にある企業や社会の姿を考え、社会や経済を多角的に見る力を身につけることができます。ゼミでは、簿記・会計の理論や制度がなぜ生まれ、実務のなかでどのように使われ、発展してきたのかを歴史的な視点から考えます。
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