Nakanishi Hayato

中西 勇人 助教

所属
経済学部
経済学科
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専門分野

経済統計

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Profile

出身地/愛知県
子供の頃の夢/競技用自動車の設計者
尊敬する人/アマチュアスポーツのトップ競技者
愛読書/「DAYS」
趣味/ランニング、自転車
好きな映画/「プラダを着た悪魔」「ザ・コア」「インデペンデンス・デイ」
好きな音楽/Sun and Moon(ミス・サイゴン劇中歌)
好きなTV番組/フルハウス、Sky News、自動車レース中継
好きな著名人:ルチアーノ・パヴァロッティ
好きな食べ物:ラーメン
好きな国:イタリア

「計量経済学」は、数学的な知識に加えて、 社会の動向など幅広い見識と好奇心が必要な研究分野です。

経済学の理論を現実社会で利用するためのツールボックス

専門分野は「応用計量経済学」で、現在は「計量経済学」の講義を受け持っています。計量経済学とはどのような学問領域か、イメージしにくい人も多いかもしれませんが、わかりやすく言えば、経済学の理論モデルを現実社会に適用するための、データの利用方法をまとめたツールボックスであり、社会で起こるさまざまな経済現象をデータに基づいて検証し、モデルに含まれる未知パラメータを推定して経済予測や政策評価に役立てようというものです。たとえば、需要曲線が右下がりであることは高校で勉強したと思いますが、日本においてパンの需要曲線はどの程度右下がりなのか分からなければ、石油価格の高騰のような生産コストを変化させる出来事が起きた際、パンの価格が何円になるのか分かりません。このとき「パンの需要曲線はどの程度右下がりなのか」をデータを用いて調べるときに計量経済学が必要です。
現在は、大規模災害と人々の経済行動の関係をテーマにしています。大規模災害は、直接被災した人々だけでなく、間接的に見聞きした人々にも心理的な圧迫を与えることが指摘されています。それがたとえば、保険に入ったり、災害用品を買ったり、食費を削ってもしものときのための貯蓄に回したりといった経済行動に影響を与えるならば、大規模災害後の政策を評価するときには、この影響を考慮した経済モデルを使用するのが適切でしょう。そのため、大規模災害が、家屋や職場の破壊などの経済的損失以外の理由でも、人々の行動を変化させるのかを、計量経済学的な視点で調べています。また、大学院時代には、東日本大震災のあとに発表された南海トラフ地震のハザードマップにおいて、最大規模の津波が発生した場合の危険地域に新たに指定された地点の不動産価格が下がったという現象が、経済学的にはどのように解釈できるのかについて検証しました。
計量経済学は、統計学など数学的な知識ももちろん必要ですが、社会のしくみや動向にも詳しく、常に何かしらの問題意識を持つことも大切で、幅広い見識と好奇心が必要な研究分野だと思います。

 

大学は「学び方を学ぶ場所」です

大学入学時は都市計画に興味があり、東京工業大学工学部の社会工学科に進みました。当時の自分にとって経済学はまだよく分からない学問領域で、なんとなくうさんくさい印象もあり敬遠していましたが、理解せずに批判するのもおかしな話だという気持ちもあり、「制度設計理論」というプログラムで経済学を学びました。とは言っても、1年次の基礎科目では経済学入門のような科目ではなく、古典的な力学や電磁気学、化学などを学んで、次にミクロ経済学などの専門科目に進んだので、一般的な大学の経済学部のカリキュラムと比べると不思議な学び方だったと思いますが、これをきっかけに今の専門へ進むことになりました。
経済学の中にもさまざまな分野がありますが、「計量経済学」に興味を持ったのは、授業を受け、教科書を読んでも理解できないことがとても多かったからです。しかし、所属研究室で計量経済学を専門にしている先輩と話をするうちに、計量経済学の手法には経済理論との強固なつながりがあることや、データを用いて社会現象を理解するに足る理論的な基礎があることを知り、自分で実践してみたいという気持ちが強くなりました。大学時代はスキー部の活動に熱中していて、所属研究室の希望を提出する締め切りも大会と重なったため、第一志望の研究室に所属したわけではありませんでした。けれどそこで出会った先輩の影響で「計量経済学」を専門に選び、修士課程、博士課程を経て、現在に至るまで研究を続けているわけなので、何が奏功するかわからないものです。
そんな自身の大学時代を振り返って思うことは、大学は知識を積み重ねていくための「学び方を学ぶ場所」だということです。受験勉強は、決められた範囲のことを、試験問題を解くために最適化して頭に詰め込む勉強です。しかし現実社会では、使える知識の範囲が決められた問題などなく、大学卒業後も社会の有り様は変化し続けていくでしょう。時代に適応するための知識や技能を大学卒業後も学び、積み重ねていかなければなりません。このとき、大学で身に着けた「学び方」が役に立つのです。学び方を学ぶことは時間がかかりますが、大学では学問を体系立てて時間をかけて学ぶので、バイトやサークル活動などと学問を結びつけながら、学び方の試行錯誤をすることが許されています。自分の知識や経験を積み重ね、人生に生かすために、勉強やサークルなどの活動に積極的に全力で取り組んでください。

Photos

  • 競技用自転車に乗っています。スキーのトレーニングのために始めましたが、最近、富士山で行われるレースにも参加しました。これはタイヤの空気圧を測るゲージ。安全に走るために欠かせないグッズです

  • 同じくトレーニングのためにランニングもしています。GARMINのランニング用ウォッチでペースを測り、ピッチを調整しながら走っています

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