Profile
生年/1972年
出身地/茨城県水戸市
血液型/B型
家族構成/夫婦+義母
子供の頃の夢/静かに本を読む生活
尊敬する人/Becker(ベッカー:経済学者)
愛読書/特になし(最近ゆっくり本を読む暇がないので)
趣味/ドライブ、登山、将棋
休日の過ごし方/ドライブ、ショッピング、研究
好きな映画/「神々と男たち」(アルジェリアの修道士を題材にしたフランス映画)
好きなTV番組/海外のテレビドラマ(最近は「Law & Order」とか「THE BLACKLIST」)
好きな食べ物/好き嫌いは特になし
好きな国/ドイツ、フランス、スイス
これから10年で経済学は大きく変わるのでは? そこに足をつっこめば、きっと面白いはずです。
経済学に本当に必要なのは哲学的な視点
私が担当している「現代日本経済論」は1年次における学科の基本的な科目で、日本経済の解説をしながら、経済学の基礎を身につけてもらうための授業です。具体的には、日本経済の現状に関する知識を学びながら課題について自ら考える力を習得したり、経済学の基本的な考え方を理解していきます。また、各種データ・資料にはどのようなものがあるか、それを自身で見つけながら理解を深めるといった内容です。
経済の動きを解き明かすためには、単純にお金の流れを追うだけでなく、その背後で人々がどのような消費活動をしているのか、そこにはどのような社会状況が影響を与えているのか、といったことまでを理解する必要があります。そして、それらをきちんと整理するためには、人間とはなにか、社会とはどのようなものかといった、ある種、哲学的な視点が必要です。言い換えれば、表面的に見えるもののなかに潜んでいる何かを理解する、ということ。このように本来、経済学というのは知識をつめこむ学問ではなく、物事の本質を見極める学問なのです。ですから私は経済学において、数学はあくまで最後に理論を詰めるための分析ツールであり、むしろ哲学的な観点の方こそが大切だと思っています。
大学での勉強は「わからないことがわかるようになる」方法を学ぶこと
経済学を学ぶ学生には、まずは社会に関心をもってもらいたいです。我々が授業で教えている知識やツールは、最終的には社会を理解するためのもの。何に対してそれらを適応させようとしているのかということがわからないと、ただ数式をいじっているだけに留まり、本質がまったく理解できません。そのため社会に関心をもつことが、とても重要なのです。
また、現在のめまぐるしく変化する社会では、表面的な知識を丸暗記しても、将来それらがそのまま通用するとは限りません。ですから大学時代には本質を見極める訓練をしてください。それは簡単に身につくものではありませんが、物事の考え方や調べ方、分析方法というものは、一度身につけておけば、後々どんな形でも活かせるものですから。
経済学において、わかっていないことはまだまだたくさんあると私は思っています。例えば「株の暴落がなぜ起こるか」という問題でさえ、まだ完全には解明できていないのです。このような「わからないことが、どうやったらわかるようになるか」。そのための方法を学ぶことが、大学での勉強なのです。
社会は予想できない方向へ変わっていく。そこが面白い
最近、経済学においても、人と人とがネットワークでつながっているときに、誰かがインパクトのある行動をするとその情報がどのように広がり、結果、どのような現象が起きるかという、いわゆる「ネットワーク理論」が研究され始めています。たとえば株の暴落や企業の倒産など、昔は口コミで伝わっていた情報が、インターネットによって以前とは比較にならないほど早く、広く伝わっていく。ネットワークという新しい技術によって、経済の動きも変化していくのです。
技術というのは社会を変えます。たとえば無人で車が運転できる技術。それが実現できれば、どの車も安全運転になり交通事故が減っていいね、という見方もありますが、トラックやタクシーの運転にもそれが適応されればドライバーがいらなくなり、大勢の人たちが失業するという新たな問題が生まれます。もちろん技術者たちは「事故をなくすため」という思いで開発しているのでしょうが、結果的にその技術が予想とは違う面で社会に大きなインパクトを与えることもある。このような例は過去にも数えきれないほどあります。社会はさまざまな要因によって、予想もできない方向へ変わっていく。だからこそ面白いともいえるのです。
私はこれからの10年で経済活動のあり方は大きく変わり、それにつれて経済学にも新しい動きが出てくるように思っています。これから経済学に足をつっこむと、きっと面白いと思いますよ。
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