Akiyoshi Masanori

秋吉 政徳 教授

所属
情報学部
システム数理学科
関連リンク
専門分野

知能情報学、システム工学

キーワード

Profile

出身地/大阪府
血液型/A型
子供の頃の夢/小説家
尊敬する人/学び続ける人
愛読書/村上春樹、大江健三郎などの著作
趣味/バイクツーリング、スキー、美術館巡り、映画鑑賞
休日の過ごし方/特に決めていない
好きな映画/「2001年宇宙の旅」「風の歌を聴け」「北北西に進路を取れ」「ブレードランナー」など
好きな音楽/プログレッシブロック、モダンジャズ、’70~’80年代のニューミュージック
好きなTV番組/「世界ふれあい街歩き」など紀行番組、NHKスペシャル全般
好きな食べ物/魚料理(特に、刺身)
好きな国/ドイツ

計算機処理により生み出される“知能”も大きな可能性を秘めている。 それがなにより面白い。

人がもつ「非線形性」は、一筋縄ではいかない

人の知能が底知れない可能性を有しているのと同様に、昨今の計算機の能力やネットワーク基盤を活用することで、データ指向により生み出される“知能”も今後は大きな拡がりと可能性を持っています。最近、「ビッグデータ」という言葉をよく耳にするかと思いますが、従来は取得できなかったさまざまなデータを活用することで、私たちの社会活動を多面的に支えるシステム構築が可能になってきています。
システム数理学科の名前にも入っている「システム」とは、わかりやすくいえば「複数の要素から構成されていて、それらの相互作用で全体としての機能が生まれるもの」ですが、今後はシステムの「複雑化・多様化」と人間の「活動」をどのように上手く融合させていくかが大切です。例えば、「鉄道システム」は、電車・線路・ポイント・信号機・送電設備などの人工物によって構成されていて、それらを相互にうまく機能させることで、電車の正常運行や異常時からの復旧をこれまでは達成してきました。今後は、電車と代替移動手段のバスや自動車との「連携」はもちろん、本来の目的である人々の移動における「効率性」に加えて「快適性」や「アメニティ性」といった従来あまり対象としなかった観点からのシステム作りが求められてきています。
このように「従来の工学的システム」をもとにして、「人やコミュニティの考えあるいは行動スタイルに受け入れられるシステム」を考えていくときに、“計算論的知能”が関わってきます。昔から“考えるコンピュータ”ということも言われていましたが、その際には「問題を解決する」という第一義的な意味で使われています。しかし、先ほどから述べている“考えるコンピュータ”は、もちろん「問題を解決する」ことは必要ですが、さらに「我々に寄り添って問題を解決する」という意味での“考えるコンピュータ”とも言えます。なので、「人と人、あるいは人と社会との関係性」といったものにまで踏み込んだ分析を行う必要があります。ところが、人間というのは「非線形性」と呼ばれる性質を強く有していますから、なかなか一筋縄ではいかないところがあって、そこが逆にこういった研究をする上での面白さになっています。

「システム工学」の“モデル化→分析→解決・検証”の流れが基本

私が担当している講義の「システム工学」は、どのようにシステムを設計・制御するかを考える学問です。「○○システム」という言葉があふれている今、システムの定義、設計、分析、解決・検証に関わる工学的意義やアプローチ、さらにその分野の面白さについて歴史を辿りつつ講義しています。
自然科学が新しい現象を探求して行く学問だとすれば、システム工学は問題を解決していく学問といえるでしょう。例えば、「情報通信システムがうまく機能しなくなった」とか「決まった場所で渋滞が起きるようになった」といった問題が起きたとき、それを構成する要素は何で、その相互作用がどのようなものかを考える。これが「モデル化」です。そして、それをどう分析して、問題解決につなげていくか。システム工学の面白さは、ここにあると思います。私にとっては、「モデル化」の段階が一番興味深く、考えていて面白いところです。
他に担当している講義の「機械学習」は、人工知能の分野の中でも急速に研究開発が加速している学問分野です。例えば、自動運転や人物認識といったものは、あらかじめあらゆる状況を想定した運転ルールや人物の特徴抽出ルールを定義して、そのルールに従って制御や認識するというのは現実的でありません。我々が新しい状況でも運転できたり、以前とは風貌が若干異なっていても人物を認識できるのは、過去の経験をもとに学習しているからだとされており、このようなことに対して「機械(コンピュータ)上で構築するためのモデルやアルゴリズム」全体を指して、機械学習技術と呼びます。この技術には統計モデリングや確率推論が重要となりますが、一方で我々の行動や認知は一体どういう特徴があるのかをじっと観察し、考えるという姿勢とその考えに基づいてコンピュータ上にプログラムを実装して検証するという「構成論的アプローチ」も大切です。授業では身の回りの実例をとりあげながら、人とは何か、学習とはなにかを問いかけながら教えています。

5年後の自分を意識して進もう

学生の皆さんには、“5年後の自分を意識する”ことを心がけてほしいと思います。社会人になってからもそうですが、10年先はちょっと遠すぎるし、3年だと今の自分と近すぎる。だから5年くらいがちょうどいいなと思うんです。5年先を歩く尊敬できる人の姿に学び、そこに近づけるよう努力してください。これは私自身が自分にも課していることですし、実際にこれまでそういう人たちの背中を見て進んできました。
人はいくつかの失敗もしますが、そのときに目標をもって臨んでいれば、成長があり、同じ過ちをすることは少ないでしょう。「失敗は成功の母」。ただ口を開けて餌が与えられるのを待っているだけでなく、失敗を恐れず自分からいろいろな物を食べにいってください。学生時代をどのように過ごしたかが、社会に出てからの人生にも大きく影響するものですから。

計算知能システム研究室

人や組織の創発を支援する人工知能システムの研究に取り組む

ICTの急速な進化と普及に伴い、多様なものが集まる中での情報流通や情報生成についてのモデル論的解明がますます重要となってきています。例えば、集団として単純な個の総和を超えて別のものが生み出される「創発」についての一つは、「集合知」や「創発行動」という捉え方で、知能・生命・社会の現象として発現します。そこで、当研究室では「マルチエージェントモデルで表現される集団避難行動の創発現象メカニズムの解明と意味解釈」、「人狼ゲームにおけるプレイヤエージェントの戦略獲得の学習メカニズム」の研究に取り組んでいます。また、このような「創発」とは異なるものとして、「芸術分野における創作」があります。当研究室では「俳句における意外性の組み入れメカニズム」や「かわいい画像の特徴表現とそれを用いた画像生成メカニズム」の研究に取り組んでいます。 ビッグデータの活用法が注目され、多種多様なデータを分析・活用できる人材が求められる時代において、機械学習を中心とした研究を通して、新しい情報システムの構築や価値を見いだす情報分析ができる力を養います。

Photos

  • 小中高時代から愛読している文庫本の数々。エッセイや哲学書なども読んだが、一番好きなのは小説。大体この辺だったな、という感覚で前のページをぱっと読み返すことができる。そういう点で、電子書籍は紙の本には敵わないと思っている。場所塞ぎだから、と家の者には嫌がられているが、いまでも蔵書はなかなか捨てられない

  • 大学入学時に袖を通して、今もたまに着るNew Yorkerの紺ブレ。当時は第二次アイビーブームで、周囲でも着ている人は多かった。一時期、太ってしまって入らなくなっていたが、がんばって戻した。以来、これが着られなくならないように、というのが体型キープの基準!

  • 人とともにデータの解釈を行おうとする知能ソフトウェア

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

マルチエージェントによる気づきの創発を行って、避難シミュレーション技術の研究を行っています。また、クラウド環境における教育サービスについての研究も行っています。

Teacher's News

秋吉 政徳先生の関連ニュース

Recommend

他の先生もチェック!