Konaka Satsuki
小中 さつき 特任准教授
Profile
出身地/東京都
尊敬する人/一貫している人
趣味/スポーツ観戦(野球、ラグビー)、観劇(ミュージカル、オペラ)
好きな映画/『夏休みのレモネード』
好きな食べ物/くずもち
自分が国際社会の一員であることに気付く4年間にしてほしい。
国際法がどのように作られるのかを考える
国際法とは、主に国家間の関係について定める国際社会の法です。具体的には条約や慣習国際法といわれるものです。条約は、例えば、環境保護条約、人権条約、安全保障条約、投資協定など様々な分野で二国間や国際会議などで作成された合意文書のことをいいます。一方、慣習国際法とは、同じ行為を多くの国が繰り返し行うことによって、それが義務的なルールとして国際社会に受け入れられたものをいいます。条約も慣習国際法も国家の合意を得ることによって拘束力が発生する点が重要です。
私は、このような国際法がどうやって作られるのか、どうやったら国家の合意を得て、国際社会を安定させられる法を作り出せるのか、ということに関心があり、そのことを主に海洋法という海に関する国際法を通して研究しています。海洋法は国際法の中ではとても古くから発展してきた法で、各国が持つ領海の幅や、漁業資源やエネルギー資源に対する権利、ふん船の事故の際の対応や海洋汚染対策など、大切な海をみんなが利用できるように様々なルールを定めています。
現在、多くの条約や慣習国際法によって海のルールが定められていますが、合意に至るまでには魚やエネルギー資源の国家間の取り合いなど、各国の意見の対立が非常にはっきりと現れます。だからこそ、対立していた国々がどうして合意にまで達することができたのかを研究することは、どうやったら国際社会が受け入れられる法をうまく作ることができるか、ということを明らかにすることにつながると考えています。
可能な限り「大学」という贅沢な環境を利用してほしい
「国際法Ⅰ」と「国際法Ⅱ」では国際法の基礎を学びます。また現在進行している国際紛争についても取り上げます。時事問題を考える時にはその歴史的な背景や地政学的な知識なども用いながら問題の本質を正確に捉えることが重要です。インターネットで簡単に手に入る不正確な情報に左右されることなく、できるだけ正しい情報を収集しその上で自分なりの考えを提示する力を身に付けることも授業では目指します。
国際法はもちろん完璧な法ではなく、まだまだ発展していかなければなりません。特に、現在の国際法は17世紀のヨーロッパで作られた国際法から発展したものとされていて、アジアやアフリカ諸国を含む200か国近くにまで拡大した今日の国際社会に対応できているのかということが大きな問題の一つとなっています。国際法の基礎を学んだ上で、どうしたら国際社会の平和のために国際法をもっと良いものにできるかということを学生の皆さんにはぜひ考えてほしいと思います。
将来何をしたいのかが見つかっていない人もたくさんいると思います。だからこそ、なんでも吸収しようと思って、どの授業も大切にしてほしいし、どん欲に知識を身に付けてほしいと思います。専門知識を持つ先生たちが身近にいて、膨大な資料を所蔵する図書館があって、外国で学びたいと思えば様々な留学制度が用意されていて、こんな風に「好きなだけ勉強して!」と甘やかしてもらえるのは学生時代の特権です。それを絶対に無駄にしないでほしいと思います。目標を立てて毎日こつこつとひとつのことを続けたり、時を忘れて何かに没頭したりしながら、その後の人生の基礎を大学でぜひ作ってみてください。
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