Nakamura Toshihiro

中村 壽宏 教授

所属
法学部
法律学科
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専門分野

民事訴訟法、倒産処理法、法情報学、著作権法、高等教育におけるICTの活用、高等教育におけるアクティブラーニングの方法

キーワード

Profile

出身地/神奈川県相模原市
生年/1964年
血液型/O型
家族構成/妻・長男・長女
趣味/イタリア料理を作ること(でも最近は料理する時間がほとんどありません)
子供の頃の夢/明日何をしようかということばかりで、1年以上先のことは考えていなかった
尊敬する人/特定の人物ではなく“初志を貫徹できる人”
愛読書/愛読というほどのものはなく、古典からライトノベルまで乱読
休日の過ごし方/息抜きに子供たちとWiiで遊ぶくらいで、休日はほとんどない
好きな映画/「ショーシャンクの空に」
好きな音楽/学生時代オーケストラに所属していたのでクラシックが多いが、JAZZからJ-POP、アニメソングまで何でも聴く
好きなTV番組/最近はBSの「cool japan」をよく見ている
好きな食べ物/イタリア料理全般とおうちごはん
好きな国/イタリア(フィレンツェ大学に2年間留学しました)

「法」は正義のために存在しますが、決して万能ではありません。大切なのは、法を扱う人間の「良識的判断」です。

法曹を目指す皆さんのための法科大学院

「将来、困っている人を助ける弁護士や、悪を断罪する検察官、正義の判断を下す裁判官になりたい」と、法曹に憧れを抱いている学生や受験生の皆さんは、国家資格を取得するため、司法試験に合格しなければなりません。そのためには、学部卒業後、大学院に進んで専門知識を深める必要があり、本学では2004年に法務研究科(法科大学院)を設置し、市民の日常生活を法的な面で支える法律専門家の育成を目指しています。
大学院で担当している「倒産処理法」の講義では、負債を抱えた会社が倒産するとき、債権者は会社からどのようにお金を回収するのか、反対に倒産した会社の従業員はどのように守られるのか、といった調整のための特殊ルールを、司法試験対応の知識として学んでもらいます。一方、法律がどのようなスタンスでその調整をしているか、といった「法の精神」も理解してもらいたいと考えています。あらゆる制度も論点も、結局最後には「調整の基本理念」に結びついているからです。また、e-ラーニングを活用した法学教育の研究も重要なテーマであり、現在大学院の講義では、自身が独自開発したシステムを使用しています。

民事訴訟で、カエルや猫は原告・被告になれるか?

倒産処理法のほか民事訴訟法も専門としており、大学院と兼任している学部では、3年次対象の「民事訴訟法Ⅰ・Ⅱ」を受け持っています。講義では、具体的な事例をあげながら、民事裁判手続に必要な準備や、その進め方について解説します。たとえば、皆さんにも十分起こり得る“知人に貸したお金が返ってこない”という民事トラブルを例にあげるとします。こういった相談が法律相談所に持ち込まれた場合、まず「返済する意思がないのか、意思はあるが払えないのか」といった相手側の事情を伺い、「分割返済なら可能か」など交渉するところから始まります。それでも埒が明かなければ訴えを起こすことになるわけですが、貸した金額が140万円以下なら簡易裁判所へ、これを超えるなら地方裁判所へ訴状を提出する、という決まりがあります。
前期の授業では主に、この訴状を作るための知識を学んでもらいます。訴状に必要な要素は「誰が(原告)誰に(被告)対して、どこに、何を根拠として、どのような請求をするか」であり、それぞれの要素のとらえ方について、たとえばカエルや猫は原告や被告になれるか、といった基本的なところから解説します。ちなみに、現在の日本のルールでは、原告や被告は人(法人を含む)であることとされているので、カエルも猫も原告・被告にはなれません。それから、全国に多数ある裁判所のうち、どこに訴状を出すべきか、また、裁判では単なる「謝罪」は請求できないなど、請求できるものとできないものの線引きについてまで、訴状作成の要点を複数のケースを例に挙げながら説明します。そして最後に“その裁判を起こすことに意味があるか”を考える「訴えの利益」について講義し、前期終了となりますが、以上の内容に半年かけてじっくり取り組んでもらうのは、民事訴訟の全体構造をしっかり理解してほしい、という思いからです。

ルールや学説、判例から答えを出すだけでは人を救えない

法学部・法科大学院で学び、将来「法」を扱う職業に就く皆さんには、法律の知識を覚えることも必要ですが、それ以前に「良識的判断」ができる人間になってほしいと思っています。法は決して万能ではありません。目の前に困っている人がいて、法の力で救いたいと思っても、ルールや学説、判例だけを積み重ねてポンと答えを出すだけでは、その人を救うことはできないのです。ルールでは「認められない」というときでも、場合によっては良識的判断で「認めるべきだ」と解釈できるような感覚を持たなければなりません。大学は勉強する場所ですが、机上で学ぶだけではその感覚を養うことはできず、ふだんの生活の中でさまざまな人や出来事に触れるうち、身に付いていくものです。ぜひ、サークル活動や友達づきあい、アルバイトなどを通して多くの経験を重ねてください。

Photos

  • 書棚から洗面台まで、研究室の至る所に置いてあるたくさんのカエルグッズ。以前勤務していた大学のゼミのマークがカエルで、本学でも使っていたら、学生たちがグッズを持ち寄り、いつの間にか増えてしまった(基本的にカエルが好き)

  • 大学院修了後、2年間留学したイタリアで買った本。『I DIECI COMANDAMENTI』と『IL ROVESCIO DEL DIRITTO』は一般読者向けの読み物。前者は旧約聖書の「十戒」の各項目が、現代の法の中でどのように実現されているか書かれたもので、後者は中世~現代まで法律がどのように扱われていたか、といった内容の法政史。『GIUDICI IRRESPONSABILE?』は、誤審をした裁判官は断罪されるべきか、というテーマの専門書

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