Omi Miho

近江 美保 教授

所属
法学部
法律学科
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専門分野

国際法、国際人権法、フェミニズム国際法

キーワード

Profile

出身地/神奈川県
血液型/O型
子供の頃の夢/本を書く人
尊敬する人/たくさんいます。そういう方々に出会えた幸運に感謝しています
愛読書/昔は「赤毛のアン」シリーズ。今は「V・I・ウォーショースキー」シリーズ(サラ・パレツキー著)。「パウラ、水泡なすもろき命」(イサベル・アジェンデ著)も読み直したいです
趣味/映画鑑賞、美術館に行くこと、布(織物や染め物)を見ること
休日の過ごし方/睡眠、掃除・洗濯・買い物、友人と会う、など
好きな映画/最近のお気に入りは「ビリーブ 未来への大逆転」、「RBG 最強の85歳」(どちらも米国連邦最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグさんに関するもの)。「マンマ・ミーア」も好きです
好きな著名人/メリル・ストリープ
好きな食べ物/美味しいものはなんでも!

学部時代、子供の頃からの夢だった海外留学に。女性視点で、世の中を見る面白さを知りました。

女性の権利を守る「女性差別撤廃条約」を研究しています

私の専門は「国際法」です。担当講義の「国際法Ⅰ・Ⅱ」では、国際法の基礎を学びます。そもそも国際法とは、国同士が話し合って作るルールのこと。例えば、日本円の切手を貼った手紙が海外の友人に届くのも、私たちが飛行機で海外を訪れることができるのも、さまざまな国際法(条約)があるからです。国際法は範囲が広く、基本になる考え方が国内法と異なるので、難しく感じる学生も多いと思います。そのため、例えば、国境を越えた課題になっている廃プラスチックの問題など、現実の事例にも触れながら、できるだけ理解しやすい授業を心がけています。
私の主な研究テーマは、「国際人権法」と呼ばれる国際法の分野です。その中の一つ「女性差別撤廃条約」は、男女の平等を基礎としながら、妊娠や出産、家庭内や職場における女性の地位や権利などにも、細かく目配りしています。といっても、条約の条文は一般的な書き方になっているので、自分の権利が守られていないという申し立てを国連の委員会に提出した場合に、どのような解釈がなされるのかといった点などに、特に関心を持っています。フェミニズムの視点から様々な分野の国際法を見直すための研究も行っています。

留学先で出会った「女性学」。学びを深めるため、就職後に再び留学

子どもの頃から外国に興味があり、読書感想文でも翻訳された本の感想ばかり書いていました。高校2年生のとき、ラジオの英会話番組のテキストに出ていた試験を受けて、約1か月の語学留学とホームステイに。大学3年生のときには、ニューヨーク州立大学バッファロー校で1年間の交換留学を経験しました。このとき、留学先の先生に勧められたのが「女性学」という授業です。当時、日本で在籍していた大学にはなかった学問分野で、女性の視点から社会を見ることの面白さに興味を惹かれました。少人数制の授業で、毎週、「女性と労働」や「女性と教育」などをテーマに資料を読んでディスカッションしたり、異なる背景を持つ学生たちが自分の人生を語ったり、日本の大学とは趣の違う学び方にも新鮮な驚きがありました。日本に戻って修士課程を修め、一度は一般企業に就職したものの、日本の大学で学んだ国際関係論と、留学で学んだ女性学を結び付けたいという思いが募り、会社を辞めてミネソタ大学の修士課程に留学しました。留学中は、女性差別撤廃条約に関わる国際的なネットワークの事務局でアシスタントをしたり、ニューヨークの国連本部でインターンをしたり、実りの多い2年間でした。
帰国後は横浜市の男女共同参画センターに勤務していたのですが、友人の紹介で、ある大学のジェンダー論の講義を担当することになりました。また、国際法の様々な分野にジェンダーが潜んでいると指摘した本の翻訳に携わる機会にも恵まれました。こうした中で、改めて勉強したいと思うようになり、ジェンダーと国際法の関係に早くから目を向けていた先生がいらした、神奈川大学大学院法学研究科博士後期課程に入学したのです。フェミニズムの視点から国際法を見直す研究に取組み、博士論文では「貿易自由化と女性」をテーマに、WTO(世界貿易機関)について分析しました。

人生の岐路で進みたい道を選べる力をつけてほしい

私はいくつかの仕事を経て現職に就きましたが、皆さんも、最初に選んだ就職先での仕事が一生続くとは限りません。人生の転機や岐路に立ったとき、自分が進みたい道を選択できる力を身につけてもらいたいと思います。そのためにも、大学時代には何か新しいことに挑戦してほしいですね。私自身の経験から言えば、留学や海外経験はその一つとして大変有意義だと思います。今はインターネットでいくらでも海外の情報を得ることができますが、実際に自分の目で見たり、体験したりすることで、思いもよらない発見をするかもしれません。私は留学先で出会った女性学がきっかけで、今の専門に進むことになりました。新しいことに挑戦して、未来の自分を作るための材料をたくさん集めてください。

Photos

  • 『貿易自由化と女性 WTOシステムに関するフェミニスト分析』は、博士論文をもとに出版した著書。この本で、ジェンダー法学会の西尾学術奨励賞を受賞しました。『FEMINISM IN THE SUBCONTINENT AND BEYOND』には、インドで開かれた国際会議で博士論文の一部を報告したものが掲載されています

  • 高校時代にアメリカでホームステイをしたときのホストファミリーとは、今でも交流が続いています。これはホストマザーからもらった品々。蝶のアクセサリーには、「いつでも飛んで戻っていらっしゃい」という意味が込められています

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

女性差別撤廃条約に関する研究を行っています。特に女性差別撤廃条約の解釈や国内での実施状況、同条約選択議定書による個人通報制度・調査制度事例などについて焦点を当てています。また、ジェンダーと人権の視点から、様々な分野の国際法や国内法のあり方を見直す手法についても研究しています。

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