Chen Danzhou
陳 丹舟 教授
Profile
出身地/中国
子供の頃の夢/発明家
尊敬する人/王 陽明
愛読書/SF小説
趣味/水泳、旅行
休日の過ごし方/旅行、のんびりと過ごす
好きなTV番組/ドキュメンタリー番組
好きな映画/『スター・ウォーズ』
好きな食べ物/ウナギ、串焼き
私たちの消費行動の背景にある経済法を学んでほしい。
市場の競争を維持するための政策について研究
私たちは、日々の生活のなかで多くの質のいい財・サービスを享受しています。コンビニエンスストアに入れば、多種多様で良質な商品が低価格で陳列されており、キャッシュレス決済などの便利な支払い方法で商品を買うことができます。品質向上、サービス向上、価格の均衡……これらが実現されているのは、市場における競争が正常に維持されているからです。そして、そのためには法的な秩序が必要不可欠になります。法的な秩序がなければ、独占企業の勃興による競争力の低下、そのほか不正取引が起こる可能性があります。そうなった場合、消費者の利益を毀損してしまうかもしれません。一方で、法的規制を過剰に厳しくしてしまうと、それもまた経済の流動化を損ない、国の経済、消費者の利益に寄与しません。
「経済法」の授業では、独占禁止法の全体像、立法の目的及び基本原則、各違反行為の違法構成要件などを学び、市場における法的ガバナンスの重要性とバランスについて具体事例を通じて理解することを目標としています。社会の規範となる法律がある意義、必要とされる背景を学ぶことは面白いですし、私たちの生活と密接に関係していることを知ってもらえたらと思います。
留学生として私が日本に来た2000年代初め、中国はWTO(世界貿易機関)に加盟して市場経済を本格的に開始しようという時でした。中国よりも半世紀近く先んじて市場経済体制を整えた日本で暮らすなかで、中国の市場経済の今後について興味深く思ったのが、経済法学を専攻したきっかけです。現在は、特に市場競争を維持するための中国の競争政策と産業政策の関係について、日本を中心に、欧州とも比較しながら研究しています。例えば、中央集権的な国家である中国と権力分立型の日本を比較してみても政治的な法体系はまったく異なるものですし、それに合わせた産業政策も異なるわけです。学生の皆さんにも、ぜひ自国の法体系にとどまらず、諸外国の法体系とも照らし合わせながら学びを深めてほしいと思います。
多様な価値観があることを知ってほしい
学生時代には、専門分野だけでなく異なる分野の授業も履修したり、クラブ活動やボランティア活動に参加して多様な価値観に触れたりしてほしいですね。私自身、学生時代に留学生たちでつくったボランティア団体に参加して、2011年に福島の被災地に行ったことがとても貴重な経験になっています。テレビで報道されているものを見るだけでなく、実際に現場を見ることでわかることも多くあります。
海外にも積極的に行って、社会的な規範や文化的背景の異なる人々と交流してほしいと思います。社会に出ると、柔軟な思考がとても大切になるためです。否定から入ると対立してしまい、問題解決に至りません。先入観を持たず、まずは相手を理解することから始めて、課題に対して協働していくことが重要になります。法学を学んだ学生として倫理的な態度を心がけながら、多様な価値観を持った人々と困難な状況に立ち向かっていける力を身につけてほしいですね。
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地域課題
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