Kikuchi Kazuhiko

菊池 和彦 准教授

所属
法学部
法律学科
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専門分野

商事法学

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Profile

生年/(秘)
血液型/B型
家族構成/子供たちが言うには6人だそうだ(埼玉にいる私の母を含む)
趣味/鉄道全般(ソフトな鉄男君です)
子供の頃の夢/電車の運転手
愛読書/現在探索中
尊敬する人/他人〔ひと〕みな我が師
休日の過ごし方/ウォーキング、ショッピング、クッキング(流行にのってみました)
好きな映画/「メトロポリス」(無声映画)「千と千尋の神隠し」「ナチュラル」など
好きな音楽/70年代ポップスとフォーク
好きなTV番組/鉄道が映る紀行もの全般

大学は入ってからが勝負!やりたいことはいつか見つかるはずです。

法律を学ぶ時は幅広い視野を持って

学生の皆さんにはあまりなじみがないと思いますが、企業間での取引決済(代金の支払い)や企業の借入・企業間信用取引(お金の融通)などに利用されるのが手形や小切手です。
支払(決済)の道具として利用される手形や小切手は、完全なものでなければなりません。しかし、現実の世界では、予想もしないようないろいろな問題が起こります。その問題を解決するために、手形法・小切手法があります。
例えば昭和61年に最高裁判所で下された判決に、「100円手形」という事件名が付いた判例があります。争われた事実はこうです。100万円の取引に使われた手形があり、手形用紙の金額欄の上の部分には数字で¥1,000,000-と書かれていました。でも、金額欄の中には「金壱百円也」と書いてありました。
さて、この手形の金額はいくらと判断したら良いでしょうか。常識的に考えれば、これは「金壱百万円也」の書き間違いだろうと考えられますが、手形法では、「手形金額が、数字と文字とで書かれていたら文字を手形金額とする。また、数字あるいは文字で、それぞれ二つの異なる金額が書かれていたら額の少ない方を手形金額とする。」(手形法6条)と決められているんです。と言うことは、条文通りに判断すれば、これは100円の手形(100円を支払えば良い)になってしまうわけです。法律に従うと、こんなことも起こりうるのです。
おそらく皆さんは、この結果に不満でしょう。それこそ杓子定規のものの考え方だと非難することでしょう。でも、ちょっと考えてみてください。手形は支払(決済)の道具として、たくさんの人の手を渡って行きます。そんな時、「100万円が常識じゃん」と、皆がみんな考えるでしょうか。Aさんは100万円と信じ、Bさんは100円だと思ったとすると、取引社会が混乱してしまいます。ですから、法律でこうだと決めてしまうのです。取引に関する法律を学ぶ時、必ず出てくる言葉に「取引安全の確保」というのがあります・・・。あとは、大学に入ってからにしましょう。
経済活動(取引行為)は人間生活の基礎にあり、企業ではもっぱらそれを生業(なりわい)としています。商法は、その経済活動を法律の視点から分析し規律しています。ですから、商法を学ぶ時には、広い範囲の知識(例えば、商に関する仕組みやその歴史、経済の仕組み、世の中の情勢など)を持っていることが役に立ちます。これは、別の法律の分野でも同じことだと思います。
法律を学ぶ時には、法律だけでなく、他の幅広い分野のことも勉強してほしいと思います。時には『ナニワ金融道』を参考文献として薦めることもありますよ (笑)。実際にああいう漫画の方が、実社会で手形がどんなふうに動いて行くか、という流れがよく分かったりもしますから。

私にとっては19歳が人生の再スタート

私は19歳の時から約10年間、月に1~2回、高尾山へ滝行に通っていました。元々一人っ子で、小さい時から親が敷いたレールに乗っかってきたんですが、私立中学に落ちて私立高校に落ちて、大学でも浪人して・・・。結局すべり止めで唯一受かった大学へ進学することになったんですね。で、小中学生の頃までは失敗しても自分が責任をとらなくても良かったわけですが、さすがに大学へ入るときに、このままじゃダメだ。何とか自分を変えなければいけないなぁと思った時に、なぜだか昔遠足で行った高尾山へ足が向いたんです。お坊さんに「何の目的でやるのか」って聞かれた時には、「何か一つ自分で決めたことをやりとげたいんです」と答えていた。まあ、結局は逃げ込んだわけですけどね。方法は極端でしたが、言わば人生の「リセット」みたいなものだったんだと思います。その後は、疲れた心と体の「リフレッシュ」の意味で通っていました(いま風に言えば、癒しですか)。だから私にとっては19歳が、もう一つの人生のスタートだったんです。ちなみによく聞かれますが、滝行しても霊能力的なものは一切、身に付きませんでした(笑)。 私の場合、不本意ながら進んだ大学で指導教授に出会い、今の道へ進むことができたわけですから、人生、何が起きるかは分かりません。直面した難題に、おどろかず、おびえず、そしてあせらず、遠くの目標を見据えながらも、ただ目の前にあるもの(課題)をクリアして行けばいいんだと思います。そして何より、大学は入ってからが勝負ですよ!

Photos

  • 就職する時に指導教授から頂戴した『BROCKHAUS百科事典』と『オックスフォード英英辞典』。仕事を始めても勉強を忘れるなという教授からのメッセージで、これら各2巻ずつ合わせて4冊を抱えて、盛岡で大学教員としてのスタートを切った

  • 1933年発行のシュタウプ=シュトランツのコンメンタール(注釈書)のコピー。手形法の条文一つひとつに対して、それがどういう趣旨で作られ、どういう場合に適応されるかということをまとめた解説書。当時、国会図書館にも置いていなかったので、東京大学の法学部図書館で見つけて、全ページのコピーをとって自分でファイリングしたもの

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