Oyama Yoshiaki

小山 吉亮 准教授

所属
法学部
法律学科
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専門分野

西洋政治史、地中海地域研究、比較政治学

キーワード

Profile

生年/1976年
出身地/東京都西部
血液型/A型
子供の頃の夢/学校の先生
尊敬する人/両親
愛読書/中尾佐助『栽培植物と農耕の起源』、小泉文夫『歌謡曲の構造』、篠遠喜彦・荒俣宏『楽園考古学』
趣味/切手収集、テレビをだらだらと観ること
休日の過ごし方/気がつくと1日が終わっている
好きなTV番組/2時間ドラマと時代劇
好きな食べ物/甘いもの、せんべい

日本の政治について考えるときには、ヨーロッパの政治の歴史を知ることが重要です。

「国」というのは「政治の単位」。そして政治が国の方向性を決める

「サイゼリヤって、イギリスだっけ?イタリアだっけ?」
学生のこんな言葉を聞いて驚いたことがあります。これは極端な例だとしても、最近、外国や歴史に関心がない人が増えているのは事実です。さらに政治となると、なおさらでしょう。しかし政治は我々の生活に大きな影響を与えます。たとえば日々の買い物で私たちが支払う消費税の税率を決めるのは政治です。また、つい先日、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられました(2015年6月17日成立 改正公職選挙法)。これによって最も大きな影響を受けるのが、まさに今、 高校生、あるいは大学生である年代の皆さんです。このように政治によって国としての方向性が決まります。そして日本の政治の仕組みや法律などは主にヨーロッパをお手本にしてきたので、ヨーロッパにおける政治のあり方やその歴史を学ぶことは、日本の政治を考える際にも重要な意味を持っています。
担当科目の「比較政治学 I 」では主に外国の政治を素材にしながら、政治学の考え方に触れてもらっています。「比較政治学 II 」では地方自治や地方行政に関連する分野として、連邦制とヨーロッパ統合を取り上げます。「ヨーロッパ政治」では19世紀以前のヨーロッパを対象にして、我々に馴染みのある政治の仕組みができてくる過程について考察します。「ヨーロッパ政治史」では20世紀のヨーロッパの政治を取り上げます。「ヨーロッパ政治」「ヨーロッパ政治史」では前半でヨーロッパ全体の歴史の流れを概観し、後半で各国の政治の歴史について検討しています。「国」というのは言い換えれば「政治の単位」なのです。ヨーロッパでは国ごとに政治の仕組みがいろいろと違うので面白いのです。

独裁には特有の論理があり、それが国民の行動にも影響する

私が研究テーマにしているのは、イタリア・ファシズムとその独裁です。なかでもファシストの独裁に生じた変化について、独裁者ムッソリーニとファシスト政権の幹部との関係を中心に研究しています。独裁は我々には馴染みがないという点では「異文化」のようなものです。実際のところ、独裁の下で暮らしている人々の言葉は、そのまま読んでも意味が分からない場合があります。ところが、それぞれの独裁には特有の論理や「常識」があるので、その背景が分かれば疑問が氷解したり、予想外の意味が浮かび上がってきたりするのです。独裁政権下では、特に一般の人の生活も、政治の影響を受けやすいんですね。だからその独裁政権を率いる人々が何を考えていたのかが分からないと、人々の行動の意味が分からなくなります。そのような点に気を配りながら、ファシストの言葉や行動を分析しています。
このテーマに興味を持つきっかけになったのは『柔らかいファシズム』(著:ヴィクトリア・デ・グラツィア)という本でした。1920年代から40年代にかけてイタリアではムッソリーニ率いるファシスト党が独裁体制を築いていました。彼らは全国的な余暇組織「ドーポラヴォーロ」を作り、合唱やスポーツなどのレジャーを企画・運営することで国民を統制し、それがファシズムを支える仕組みになっていたのです。この本でドーポラヴォーロのことを知り、「こんな日本の会社でもやっているような余暇を楽しむための組織がファシズムを支えていたのか」と驚いたのです。ただ、この本を読んだだけでは「何が行われてどうなったか」は分かっても「ファシストが何を目指していたのか」がいまひとつ分からず 、そこを知りたくて研究を始め、今に至るというわけです。

問題点に気づくためにも知識は必要

大学での学びでは、知識よりも考え方を身につける方が重要だと言われることが多いですが、私はやはり知識も必要だと思います。たとえば刑事ドラマや探偵物で事件解決の糸口になるのは「論理的におかしなことに引っ掛かりを感じる」、あるいは「予備知識があるので問題点に気づく」のいずれかです。すなわち推理(=考え方)のきっかけになるのが知識だというわけです。大学という場では、視野を広げてものの考え方を学ぶことはもちろん大事ですが、知識を身につけることも同じくらい重要です。
また、専門分野に限らずに幅広く学ぶことも大事です。今は役に立たないように思えることでも、思わぬ形で将来役に立ったりするものです。私は法律をほとんど勉強しなかったのですが、政治史の研究を始めると、法律の制定・改正・運用の過程や法にまつわる思想史的な問題を扱わざるを得なくなりました。学生時代に法学をきちんと学んでおけばよかったと感じています。

Photos

  • 共著書『近代イタリアの歴史-16世紀から現代まで』(ミネルヴァ書房)。第7章「ファシズム時代」を執筆した

  • 小学生時代に始めた切手収集。しばらく中断していたが、大人になってまた集め始めた。私の場合は基本的に「国」が切り口。言語が二つ以上ある国では複数の言語が併記されている切手もあり、授業の資料に使うこともある

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