Taguchi Tsutomu
田口 勉 教授
Profile
生年/1956年
血液型/A型
出身地/秋田県
家族構成/妻と子供2人の4人家族
趣味/音楽鑑賞・チェロ演奏
子供の頃の夢/教師になること
尊敬する人/大学時代の恩師
愛読書/コナン・ドイル作(阿部知二訳)「シャーロック・ホームズの冒険」同「シャーロック・ホームズの生還」(いずれも創元推理文庫版)
休日の過ごし方/サイクリング
好きな音楽/モーツァルト
好きなTV番組/「ブラタモリ」
興味のあること・好きなことの勉強は楽しい。勉強の秘訣は「好奇心」を持つことです。
紆余曲折を経て研究者に
最初は小学校教師を目指して教育学部に入学しましたが、卒業後、研究者を目指して法学部に再入学しました。教育学部で学んだ法学が面白かったので、法学部で本格的に勉強してみたいと思ったからです。法学部卒業後ももっと深く勉強したいと考え、大学院に進んで修士課程を修め、博士課程を目指しましたが、この試験が難関でした。2年間も浪人してしまったのです。それでも苦労の甲斐あって博士課程へ進学できましたが、進学直後にまったく無気力で研究する意欲がなくなり(いわゆる“燃え尽き症候群”です。)、心療内科に通院することになってしまいました。これは私の人生で最大の危機の一つでした。指導教授が温かく見守ってくださったお陰で、病気を抱えながらも研究を継続することができたことは大きな幸運でした。博士課程最後の1年はドイツ(当時は西ドイツ)に滞在して研究するという機会にも恵まれました。
博士課程修了後は群馬県の大学に就職し、その後神奈川大学に移り、現在に至ります。その間、ずっと法学の研究を続けることができました。研究者になって勉強したいという夢をかなえることができ、幸せな人生だったと思います。
私が研究を続けられたのは、法学の研究が楽しかったからです。
57歳になってからチェロを習い始めました。音楽は大好きでしたが、それまでチェロを弾いた経験はまったくありませんでした。ひょんなことからプロの先生に教えていただくことになり、10年近く教えていただいております。もちろん上達の速度は遅々たるもので、未だにお世辞にも上手とはいえません。レッスンのたびに音程のズレを直されています。それでもこれまで続けられたのは、音楽が好きだから、チェロの音(とくに深々とした低音)が好きだからです。
これは大学での勉強にも当てはまります。法学はどんなものだろうかと興味を持つことができれば勉強が楽しくなります。法学の教師はみなさんが法学に興味をもつことができるよう取り組んでいますが、みなさんの方でも受け身にならず、自ら好奇心をもってこんなことが知りたいと、積極的に勉強してもらいたいと思います。
生きているだけですごいこと
私の経験では、人生は「七転び八起」「捨てる神あれば拾う神あり」だなと感じています。挫折したときはどう乗り越えるかが大きなポイントになります。そこで思い出すのが、あるドイツ人から教えてもらった「それにもかかわらず笑う」という格言。たとえ最悪の状態であっても、ユーモアに触れて無理にでも笑うというのです。新聞で読んだのですが、倒産してすべてを失ったある会社の社長さんが自分の人生はもう終わったなと感じていた当時、テレビで放送されていたドタバタ喜劇を何気なしに見ていたら、思わず「ぷっ」と噴き出してしまったそうです。そうしたら不思議なことに、もう一度がんばってみようという気力が自然に湧いてきたということでした。
しかし、さらに言えば、成功したとか失敗したとか――私はこれで一喜一憂しました――は実はどうでもよいことかもしれません。『ピーナッツ』という漫画に「あなたは何もせず屋根の上で寝ているだけね。人生を無駄に過ごしているわ。」と言われたスヌーピーが「犬というのはフルタイムの仕事でね。」と答える場面があります。これはすごい。「犬」だけでなく「人間」だってフルタイムの仕事です。人間は何もしなくても、ただ人間として存在しているというだけで、実はすごいという思想ですね。このスヌーピーの言葉は本当にすばらしい。
皆さんも、就職や進学で悩んだり、大変なときや辛いときには、自分を責めたりせず、少し肩の力を抜いて、笑ってみてください。そしてスヌーピーの言葉を思い出してみてください。
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