Kurata Hiroshi
倉田 博史 教授
Profile
出身地/東京生まれ、札幌育ち
子供の頃の夢/(小・中・高の順に)天文学者→小説家または検察官→人文系の学者
尊敬する人/松尾芭蕉、ジャン=ポール・サルトル
愛読書/笠原皓司の数学書(名著だと思います)
趣味/映画・音楽鑑賞、ビリヤード、ウォーキング、読書
休日の過ごし方/趣味に時間を割きたいと思いつつ、仕事の遅れと疲労の回復を最優先する
好きな音楽/ジャズ(ビル・エヴァンス、チェット・ベイカーなど。日本人なら松島啓之)
好きなTV番組/『踊る大捜査線』
好きな映画/『砂の器』『事件』など70年代の松竹映画を中学時代にリバイバルで観て大変に感銘を受けました。最近では『ファーストキス 1ST KISS』、『敵』など
好きな著名人/板谷由夏、松坂桃李、緒形拳。(中高の頃は高田みづえ)
好きな食べ物/「パン+卵+オレンジジュース+チーズ+コーヒー」「白飯+味噌汁(赤だし)+梅干+漬物(奈良漬けなら最高)」
「ランダムネスをモデル化」することで、ノイズの奥にある本質が見える。
統計学はデータを基に現象の真相をつかむ学問
広告などで、複数の商品を1枚の図に配置した「イメージマップ」を見かけることがあるでしょう。例えば、自動車なら「アルファード」「クラウン」「アクア」といった車種が、「ラグジュアリー」「ファミリー」「ミディアム」「コンパクト」といった軸の上に散らばって示される。これは、次のようなプロセスでつくられています。まず、例えば顧客アンケートなどから商品どうしの類似度を数値化します。それを「距離」に変換し、複数の点としてユークリッド空間(平面)に配置する——。私は、その手法の基盤となる行列の数学的な性質にあたる「ユークリッド距離行列」の理論を研究しています。
ほかにも「プリンシパル・ポイント」の研究もあります。ある集団を1つの点で代表させるなら「平均」を選ぶのが一般的でしょう。これを、2点、3点……と複数の点に拡張したものが「プリンシパル・ポイント」です。この概念は、例えば、人間の骨格を測る際に肩幅や腕の長さといった多次元のデータがあった時に特に有効で、「その集団を代表する典型的な5つの点はどこか」などといった結果を導くことができます。すると、それがシャツやスーツのサイズ設計に応用できます。ある確率分布を最もよく代表させる点をどこに置くべきかを考える理論だと思っていただければいいでしょう。
私の専門は統計学です。統計学は、データを基に現象の真相をつかむ学問です。「ユークリッド距離行列」も「プリンシパル・ポイント」も目的は現象の可視化です。最近、よく耳にする「データサイエンス」も統計学が基盤になっていて、心理学、医学、スポーツなどさまざまな分野に応用可能です。かつては、品質管理や臨床試験など「専門家のための技術集」といった趣きもある分野でしたが、今はかなり注目されています。
学問が誰にもまねできない、あなただけの「キャラ」になる
現在は、経済学部で「計量経済学」と「経済学のための数学(入門・概論)」の授業を担当しています。「計量経済学」とは、経済理論から導かれる変数どうしの関係——例えば、所得と消費、金利と株価、政府支出がGNPに与える効果などを、具体的なデータで検証するための方法論です。経済学は「自分が考えている現象の原因は何か」を問う、因果分析的なアプローチが多い。それに適した統計手法が「回帰分析」になります。講義も回帰分析を中心に組み立てています。回帰分析も私の専門の一つです。
「経済学のための数学(入門・概論)」では、経済学を理解する上で役立つ数学の基礎を教えています。統計学の基本となる平均、分散、相関係数も、「距離」や「内積」「射影」といったシンプルな数学概念に基づいています。苦手意識を持つ学生も多いですが、数学を学べば見える世界は確実に広がります。
授業を通して学生の皆さんに身につけてほしいのは、「データに立脚した発言・提案をする力」です。「データを読む」とは、そのデータがどう生み出されたか、その発生メカニズムを推定することです。そして、そのメカニズムは「確率分布」という概念で記述されます。例えば、株価や為替相場を予測する際、ぴったり「〇〇円」とは言えなくても「95%の確率でこの範囲に収まる」「68%ならこの範囲」とは言えます。「ランダムネスをモデル化」することで、ノイズの奥にある本質が見えてくるのです。確率分布に習熟するのは簡単ではありませんが、ぜひその段階まで到達してほしいと願っています。
学生時代は、ぜひ学問に全力で取り組んでほしいと思います。若い頭脳が4年間、自分の専門に本気で打ち込めば、他者が容易には追いつけないレベルに到達できます。楽器や武道と同じで、長い時間をかけてコツコツ積み重ねたものは、簡単にはまねされません。それこそが、誰にもまねできない、あなただけの「キャラ」になるはずです。そうして培った専門性は、社会に出た時、必ず大きな力になります。
倉田ゼミナール
経済分析のための統計的方法
本ゼミナールでは、実証的経済分析を行うための方法的基礎として、確率論・統計学・計量経済学・実データ解析を体系的に学びます。ゼミナールI~Ⅲを通して、単なるハウツーではなく、理論をしっかり身に付けることを重視します。データ解析に長けた人材としてビジネスの現場で活躍したいと考える方はぜひ門を叩いて下さい。基礎から丁寧に指導します。
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