Yokogawa Kazuho

横川 和穂 准教授

所属
経済学部
現代ビジネス学科
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専門分野

ロシア経済論、移行経済論、比較経済体制論

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Profile

出身地/大阪府
愛読書/宮本輝の小説
趣味/読書、旅行
休日の過ごし方/掃除、ピアノ、家族でお出かけ
好きな音楽/POPS、R&B
好きなTV番組/家のリフォーム番組、フィギュアスケート
好きな映画/『いまを生きる』『グッバイ、レーニン!』
好きな食べ物/お好み焼き

世界にはなぜ権威主義的な国が存在するのか、ロシアの経済から考える

ロシアの権威主義的な体制の背景にある経済構造

「現代ロシア経済論」を専門に、ロシアや旧ソ連、東欧諸国における20世紀の社会主義体制の成立と崩壊、その後の市場経済化について研究してきました。特に、ロシアの経済システムの特殊性や、なぜそのような仕組みが成立してきたのかを、グローバル化の下での経済構造や国家と国民の関係から探っています。

ウクライナ侵攻という最悪の事態が起きたことには、私も大きなショックを受けています。戦争はロシア国内にも分断を生んでいますが、それでもプーチン政権は国民からの高い支持率を保ってきました(2022年11月現在)。政治に対してあまり口出しができない権威主義的な体制のロシアで、なぜプーチン政権は国民に支持されてきたのか? これを考えるときに、財政を観察することがとても重要な手がかりになります。

プーチン政権が支持されてきた理由のひとつには、国民に対する社会保障が挙げられます。ソ連崩壊後の1990年代は、おばあさんが街で物乞いをするといったことが日常的に起きていたロシアで、21世紀に入ってから年金支給額や公務員給与の引き上げといった政策により、事実として国民の生活水準は改善していきました。社会保障に関するネガティブな改革案が出た際には、ロシア国民はものすごく反発します。しかし、生活の保障と引き換えに、政治や外交などに対しては意見ができない、意見をしないようになっていったのです。こうした事態が起きた背景について、国家や国民、企業の間のお金の流れを観察しながら研究を進めています。

まずはお互いの違いを理解し、客観視する

ロシア経済に興味を持ったきっかけは、大学生だった1995年に留学で現地を訪れた経験にあります。当時は経済よりも文化や芸術面に惹かれて憧れを抱いていたのですが、実際にロシアへ行ってみて文化水準や教育水準の高さに比べて経済水準がかなり低い現実を目の当たりにし、「思っていたのと違う」と率直に感じたんです。当時のロシアは社会主義体制から市場経済への移行がうまくいかずに混乱している部分があり、「なぜこういう仕組みになっているんだろう」と、生活するなかで多くの違和感を覚えました。そこからロシアという国の経済システムを研究してみたいと思うようになったのです。

世界には、日本で当たり前だと思っていることが通じない社会もあります。いいか悪いかは別として、経済や政治の仕組みも国や地域によってさまざまです。経済学の教科書で想定されているような自由な市場経済像が当てはまらない国も、現実には沢山あります。まずはお互いの違いや、そういう社会が形成されてきた経緯を理解することが大切だと思います。そうした学びのなかで、日本を客観視できたり、「こういうのもありなんだ」と柔軟に考える視点が得られるでしょう。ロシア経済は今難しい局面にありますが、現代の国際政治経済について理解するうえでは欠かせないパーツのひとつだと考えています。

大学生活では、まとまった時間もあると思うので、ぜひ一度は海外に出る経験をしてみてほしいと思っています。異文化やさまざまな国の人たちと接することは、イメージとのギャップも含めて授業だけでは得られない大きな刺激になります。外国語でいろんな国の人たちとのコミュニケーションに挑戦してもらえればと思います。

横川和穂ゼミナール

理論と現実の両面から、グローバル経済・社会を学ぶ

私のゼミでは、広くグローバルな経済・社会について、理論と実際の両面から学んでいます。2年生で国際経済学や世界経済論の基本的な理論、現代の主要なトピックについて勉強したあと、3年生ではその応用として、グループに分かれて自分たちの関心のあるテーマについて研究を深めていきます。自分たちの問題関心をどうやって研究の形にしていくのか、その方法を実践的に学ぶことを通して、研究の面白さを知ってもらえればと思います。また、研究成果を学内外で発表する機会も設けています。4年生では大学生活の集大成として、卒業論文の執筆に取り組みます。私も自分自身の専門領域にこもらず、学生と一緒に日々勉強しています。

Photos

  • 地元の関西を離れるとき、就職が決まったときなどに、研究室の仲間や当時の職場の同僚からいただいた色紙

  • 外務省の日露青年交流事業に参加した際にもらったマトリョーシカ。いつかまた集まれるようにと、日露の参加メンバーで人形を1個ずつ分けて持っています

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