Hisamune Shuji

久宗 周二 教授

所属
工学部
経営工学科
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専門分野

人間工学、労働安全衛生、産業心理学

キーワード

Profile

生年/1964年
出身地/横浜市
血液型/A型
子供の頃の夢/パイロット
尊敬する人/両親
愛読書/「ゲーテ格言集」
趣味/旅行、お散歩
休日の過ごし方/旅行、お散歩
好きな食べ物/寿司、しゃぶしゃぶ

これまでの経験や学びを活かし、社会の中で見過ごされている 「ニッチ」な研究で社会貢献したいと考えています。

民間企業や研究所勤務を経て研究者に

私は人間工学を専門とし、主に船内の安全対策やバリアフリーに関する研究を行っています。皆さんも、「将来は人の役に立つ仕事がしてみたい、社会に貢献したい」と考えているのなら、人間工学を勉強してみると良いですよ。
私自身ずっとこの分野の研究畑を歩いてきたわけではありません。大学は経済学部でした。大学院に進んで人間工学を学び、卒業後は自動車の部品メーカーやパシフィコ横浜に勤めました。
その後、船の労働安全に関わる研究所に転職したのですが、そこでの経験が現在のWIB(船内向け自主改善活動)につながっています。漁船や商船などの船内では、陸と同じように転倒したり、機械に巻き込まれたりといったさまざまな事故が起こります。ただ、船のつくりや設備が船ごとに異なることもあり、労働者が自ら行動を起こさないと、安全対策の改善はできないというのが現状です。そこで私は、参加型改善活動や船内労働安全衛生マネジメントシステムを実行することで、現場の人にも分かりやすく簡単にリスク低減できる手法の開発を20年ほど前から行ってきました。これが国土交通省や水産庁の政策として認められることになり、今は全国各地で普及・啓発を行っています。
一方、バリアフリーに関する研究にも関心があり、修士論文は自動販売機の使いやすさに関する研究をまとめました。また、バスが停止する前に立ち上がってしまい高齢者が転倒する事故が多発していることに着目し、車内事故防止に関する研究も行いました。そして現在は、研究室と鎌倉バリアフリー研究会と産学共同で、鎌倉市内を車椅子で移動するためのマップ制作などに取り組んでいます。現在の担当講義は「環境マネジメントⅡ」と「人間工学Ⅱ」、「計測工学」です。民間企業や研究所に勤めた経験を活かし、実例や写真資料などを示しながら、分かりやすい授業を心がけています。

研究テーマは日々の生活の中から見つかることもある

研究テーマはいわゆる「ニッチ」なものですが、社会で見過ごされてしまう細かな部分をフォローする研究で社会貢献したいと考えています。日々の生活の中でも電車に乗ったり街を歩いたりしながら、意識していろいろなものを見るようにしています。毎日のルーティンを少し変えて、例えば、いつもの電車を1本遅らせて駅のベンチで人の動きを観察してみると、「このシステムは高齢者や障がい者に不便だな。改善はどうすればいいだろう?」といった探求のテーマを発見することがあるものです。
安全対策やバリアフリーに関する研究は、目に見える形で人の役に立てるので、できるだけ学生にも研究活動に関わってもらうようにしています。大学の外に出てさまざまな社会の活動に触れて実践的な経験を積むことが、皆さんの学びにつながればと願っています。
大学時代は勉強も忙しいですが、夏春の休暇は長く、自由に使える時間がたくさんあります。人生でこれほど時間に余裕がある時期はないので、勉強でもスポーツでも趣味でも目標を持って行動し、将来の糧にしてほしいと思います。私はアルバイトでお金を貯め、ヨーロッパやアメリカを旅しました。その経験は今に活きていると感じています。

社会行動科学研究室

人間工学で得られた知識を還元し、安全で豊かな社会を形成する。

人間工学は理論、原則、データ、手法を用いて、人とすべてのシステムを最適化する学問です。本研究室はそれらの原則に則り、人間工学やさらに心理学などで得られた知識を用いて、どのように社会に還元していくか、それが社会行動科学のテーマになります。一例として、船員や漁師向けにできるような自主改善活動のためのツールを作り、国の支援を受けて全国で普及活動を行い、労働災害の減少に寄与しています。また、産学共同でバリアフリーの情報を提供し、障がいを持った人でも円滑に旅行できる仕組みを実行しています。人々の様々な行動を観察することにより、よりストレスを低減することも検討しています。それらを統合して、地域や社会の活性化を図っていきます。

Photos

  • 昔から旅行が好きで、国内外のいろいろな所に行っています。旅先で面白いものを見つけると、自分のお土産として買って帰ります。頂きものも含め、いつの間にかちょっとめずらしいコレクションになりました

  • 東日本大震災のあと、岩手県の洋野町漁協で、ウニの殻をむいて産直所で販売するボランティア活動を行っています。2018年のゴールデンウィークは、神奈川大学の学生にも参加してもらいました

  • 現場で生かせるツールの開発プロセス

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

バリアフリー情報の提供による障がい者の社会参加促進、農業従事者の所得向上を目的とした「おおまま昼市」を開催しています。また、ハラル食品の推進や福祉避難所マニュアルモデルの作製と自治体への提供、群馬県みどり市での地域活性化ワークショプ、島根県西ノ島などで講演、船員の健康確保や労働安全衛生体制の仕組みを水産基本計画に導入も行っています。

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