Ota Shuhei
太田 修平 特別助教
Profile
生年/1991年
出身地/神奈川県
子供の頃の夢/本を扱う仕事、科学者
尊敬する人/両親、お世話になった先生方
愛読書/「さぶ」(山本周五郎)、「飛ぶ教室」(エーリヒ・ケストナー)
趣味/読書、大相撲観戦
休日の過ごし方/本屋巡り、大相撲中継の観戦
好きな映画/「SHERLOCK」
好きなTV番組/「タモリ倶楽部」
好きな著名人/タモリさん、森見登美彦さん
好きな食べ物/パリパリに揚がった春巻き
送電網や通信ネットワークなど、大規模なシステムの 寿命を予測する研究で、安全・安心な社会をつくる。
経営工学の魅力は、工学の各分野を幅広く学べること
私は高校時代に理工系の科目が好きで、大学進学時も工学部を選択しました。しかし一方で経営学やマーケティングなどにも興味があり、工学部で経営についても勉強することができないかと考えました。「経営工学」という分野を知りませんでしたが、いろいろと調べた末に、学問領域が同じ経営システム工学科に進みました。
さて、経営工学科ではいったいどのようなことを学ぶのか皆さんは知っていますか?経営工学は、製品を効率よく生産するための管理手法の研究に端を発する学問分野です。例えば、現在担当している「生産システム工学演習」では、製品の各部品をどのように配置すればより早く組み立てることができるかを、オルゴールを使用した実践で学びます。
そして現在、経営工学科は、モノづくり全般を広い視野でマネジメントできる人材を育てることを目的としています。そのためには機械工学、電気電子、情報システムといった各分野の知識が必要で、専門分野を越えて幅広く学べることが魅力だと思います。
製品やシステムの寿命を延ばす「信頼性工学」
私も大学で多くのことを学び、研究室を選ぶにあたって「信頼性工学」という分野を知りました。信頼性工学とは、「どうすれば長持ちする製品を作ることができるか」「どうすれば障害の起こりにくいシステムを開発できるか」といった研究をする学問です。私たちの生活に欠かせない製品やシステムには寿命があり、いつかは壊れて使えなくなります。しかし、いつ壊れるかを予測できれば、適切なメンテナンスなどによって寿命を延ばすことが可能です。テレビなどの家電製品も、ひと昔前に比べて壊れにくくなりましたが、これも信頼性工学の研究成果のひとつです。
テレビなど単体の製品に関する研究は進んでいますが、送電網や通信ネットワークのような、複数のシステムの組み合わせからなる大規模システムに関する研究は途上です。例えば、2018年に起こった北海道胆振東部地震では、震源に近い火力発電所がダウンしたことで、数時間のうちに北海道全域で大規模停電が発生してしまいました。北海道全域の送電網を大規模システムとすると、最初に停止した火力発電所はその一部です。このように、大規模システムの一部で起きた不具合が他に影響を及ぼし、全体が機能しなくなる事態は通信ネットワークなどでも起こり得ますが、その確率をあらかじめ見積もることができれば、リスクを回避する対策を考えることができます。
現在私は、大規模システムの寿命を計算によって正確に評価する手法の開発に取り組んでいます。これにより、社会基盤における大規模故障の発生を減らし、社会の安全・安心に貢献することを目指しています。
有意義で楽しい学生生活を送るための近道
大学生活を楽しむためには近道があります。それは、尊敬できる人や興味を引く人を見つけ、たくさんの影響を受けることです。先生や先輩、同期や後輩の方など、まずは皆さんの好奇心や冒険心をフルに発揮して、その人たちに一歩近づいてみてください。私も大学時代、「この人ちょっと面白そう」という方を見つけては、積極的に話しかけるよう心がけていました。研究室を選んだ決め手も、先生やそこで学ぶ先輩たちに魅力を感じたからです。これがきっかけで信頼性工学という分野に出会い、今につながっています。
人との出会いは、何かを学ぶモチベーションのひとつになると思います。ぜひ、より多くの人と接するために大学のあちこちを歩き回ってみてください。気がつけば、大学に限らず日本中や世界中を巡っているかもしれません。「千里の道も一歩から」。有意義な学生生活の過ごし方として、参考にしてみてください。
情報数理システム研究室
情報と数理を活用し人と社会の持続的発展に寄与するための諸問題を研究
私たちの社会は、現状に疑問を抱き、その結果生じる新たな問題・機会・要求に取り組むサイクルを常に回すことによって発展しています。当研究室では、このサイクルを上手に回すために、日頃の人間と社会の活動が生み出す問題・機会・要求を情報と数理を用いて解決するためのさまざまな方法を研究しています。それはすなわち、現状と理想を表現し要求を明らかにするための分析とモデリングの方法、現状を計測するための業績評価方法、仕組みを上手に活用するための研究などになります。 また、新たな仕組みを創造する際に、限られた資源、資金、時間といった制約がありますが、そのなかで最大限の効果を発揮するためのプロジェクトマネジメント技術の研究も行っています。
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