Nakagawa Rie

中川 理絵 准教授

所属
化学生命学部
生命機能学科
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専門分野

植物生理学、植物育種学

キーワード

Profile

出身地/茨城県
血液型/A型
子供の頃の夢/「劇団四季」に入ること
尊敬する人/両親
愛読書/『冷静と情熱のあいだ』『SLAM DUNK』
趣味/ケーキの食べ歩き、ネコグッズの収集、読書
休日の過ごし方/家事半分、仕事半分
好きな映画/「のだめカンタービレ」
好きな音楽/サザンオールスターズ
好きなTV番組/「相棒」
好きな食べ物/枝豆、サクランボ(佐藤錦)
好きな国/日本

あまりにも身近すぎて当たり前と思ってしまうことのなかにも、 実は不思議はたくさん隠れています。そこが生物の面白さ。

赤血球は毛細血管の直径よりも大きい!

「生物学」について詳しく知らない人でも、たとえば赤血球の中には酸素を運ぶヘモグロビンという物質があることは知っているでしょう。そしてその赤血球は血液中の成分のひとつとして血管内を流れているというのも“当たり前”のこととして知っているはずです。ところが「赤血球の大きさは毛細血管の直径よりも大きいんだけれど、どうやって毛細血管内を通っているの?」と聞くと、「ん?」となってしまうわけです。
生物学は暗記科目だととらえられがちなうえ、生物学に関わるいろいろな現象はあまりに身近すぎて“当たり前”と思われて興味すら持ってもらえないことが多いのですが、前述の赤血球のように、見方を変えると生命の不思議にたくさん出会える。だからこそ生物学は本当に面白い学問だと私は思っています。

動かないし、ものも言わないけれど、植物の生きる仕組みは凄いんです

普通、植物は芽が出て葉が伸びて、そして最後に花が咲きます。でも桜や木蓮などは、春先にまず花が咲いてから葉っぱが出てきますよね。なぜだろうと思いませんか? これは視点を変えて葉を中心に考えてみると、初夏にかけて葉が茂りはじめ、光合成をしてたくさんエネルギーを貯め、実は秋ごろには既に花芽ができているんです。けれどすぐに咲いてしまうと冬の寒さに負けて花が枯れ、子孫が作れなくなってしまう。そこで蕾のままで冬を越して、春に開花するわけです。要するに順番としては葉→花で、そのスパンが普通の草花とは違うだけなんです。知れば知るほど、生物ってよくできているなあと思います。
もともと私は免疫に興味があって生物の道に入ったのですが、こんなことを知り、動かないし何も言わないのに植物って面白いなと思うようになったことがきっかけで、植物の研究に取り組むようになりました。現在の研究テーマは「植物ホルモンであるオーキシンの生理作用の解析」。「オーキシン」というのは、微量で植物の成長を調節することができるホルモンで、植物そのものの中でつくられる化合物。オーキシンは成長の全ての段階で作用しているので、たとえば花の咲く時期や芽生えの時期だけに限定してオーキシンの役割を調べたくても、最初から完全に合成を止めてしまうとそこまで成長できなくなってしまいます。そこで、植物内でオーキシンが生成されるのを阻害する化合物を開発し、調べたい時期に化合物を添加して植物への影響を観察することによって、オーキシンが生物の成長にどのような影響を与えているのかを解明する、という研究です。植物の種類によってオーキシンの生合成経路がどうなっているかはまだ明らかにはなっていなくて、現在私はトマトの開花とオーキシンとの関係について研究中です。

大学では、考え方や価値観の違う人と積極的に関わっていこう

担当している共通教養科目の「生物学」では、生物の現象を視覚的にとらえてもらえるように、なるべくCG映像などを利用するようにしています。生物を学んでこなかった学生も多いと思うので、中学で習うような基本的なことをまず押さえてから、その日のテーマの詳細を説明することを心がけています。たとえば呼吸や消化など、個々の現象だけでなく、それが実際にはどのように繋がっているのかという全体の流れや関係性を理解するのが、大学で学ぶことの醍醐味。そういう全体像を描けるような授業にしたいと思っています。また、その時々でテーマに関わる最先端の研究内容も取り入れています。いろいろな話題を提供していくなかで、学生が少しでも「生物って面白いかも」と気づいてくれたらいいなと思いながら、日々講義しています。
大学には、いろいろな地域(県)出身の学生がいます。自分がこれまで育ってきた環境とは全く違う環境で育ってきた学生同士が集まるわけですから、当然、考え方や価値観が異なります。ぜひ、年齢を問わず、多くの人と交流することによって、世の中には多彩な価値観が存在することや、人との関わり方などを学んでほしいと思います。それは自分を見つめ直したり、自分も知らなかった新たな自分を見つけたり、自分の可能性を広げることにもきっと繋がりますし、一生付き合っていきたいと思える親友を得られるかもしれませんから。

植物生理学研究室

植物の生長を調節するオーキシンの生理作用を解析する

私の研究対象であるオーキシンは、植物の生長のあらゆる場面で重要なはたらきをしている植物ホルモンです。たとえば、根が土の中にあって葉や茎が地上にあるのはオーキシンのおかげですし、葉のギザギザもオーキシンが作っています。研究室では現在、根や葉の形態形成におけるオーキシンのはたらきを明らかにすることを目指して、シロイヌナズナやトマトなどを材料に研究を行っています。しかし、研究テーマは無限にあります。なぜなら、オーキシンは全ての植物で共通ですし、生長段階のどこを切り取っても、おそらくオーキシンが関わらない場面はないと考えられるからです。「植物」、「オーキシン」というキーワードで、幅広く様々な現象について研究を展開していくことが今の目標です。

Photos

  • もともと免疫の勉強がしたくて北里大学へ入ったのだが、その後、筑波大学の生命環境科学研究科で博士号を取得。博士課程の学位記は、いまでも研究の励みとして大切にしている

  • 動物を飼った経験はなかったのですが、結婚を機に夫が飼っていた猫と暮らすことになり、大の猫好きに。自然とネコグッズもいろいろと集めるようになった。ちなみにストライプの猫は母のお手製

  • 植物栽培用の人工気象器

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

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